娘がピアノを習い始めたのは4歳の頃でした。いつまで続くか分からないということもあり、初めは家にあったおもちゃのキーボードで練習させていました。でもこのキーボードは、鍵盤を押すたびにキャラクターがピコピコ動く仕組みになっていて、さすがに集中できません。そういうわけで数カ月後、ちゃんとしたピアノを買うことになりました。
電子ピアノを購入!
ピアノを買うといっても、わが家は狭いマンション暮らし。ですからサイズも控えめでボリュームも調整できる電子ピアノに決め、到着の日を待ちわびていました。
そしてついに電子ピアノがやって来ました。控えめサイズとはいえ、今までのおもちゃのキーボードとは比べ物にならない立派なピアノに娘は大喜び! しかも電子ピアノは音色を変えられたり、自動演奏ができたりする機能が付いていて、ボタン1つでクラシックやジャズの名曲が流れるのです。
娘はボタンを端から押しまくっては
「おぉ!」と感嘆の声を上げていました。いろいろな曲をかけてはノリノリで踊ったあと、娘が触ったボタンは「メトロノーム」。音楽のテンポを合わせるために、一定のリズムで音を刻んでくれるあの装置ですが、電子ピアノには搭載されているのです。
メトロノームのスイッチが入り、カッカッカッカッカッカッカッ… と単調な音が聞こえてきました。すると娘はあんぐりと口を開け、固まってしまったのです。私は不思議に思いました。今までのゴージャスでリズミカルな自動演奏に比べると、シンプル極まりないメトロノームの音に、娘はどうして固まったのでしょう?
4歳の娘 発想にほっこり
見ていると、娘はゆっくりとピアノの椅子から降りました。そして鍵盤の下に潜り込み、ピアノのボディに耳を近づけてメトロノームの音にじっと聞き入っていました。
「どうしたの?」と声を掛けようかと思った時、娘はくるりと振り返りました。そしてピアノを指さし、ひそひそ声で教えてくれました。
「ママ、ここキツツキさんいるわ」 私は思わず吹き出しました。まさかメトロノームの音をキツツキと思うとは! 大人には思いもつかない娘の発想が面白くてかわいくて。そして子どもならではの柔軟な想像力をうらやましくも思いました。
あれから6年がたちましたが、わが家のキツツキさんは今でも毎日カッカッと律義にリズムを刻んでくれています。
(ファンファン福岡一般ライター)
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