レッド・ツェッペリンにディープ・パープル、ジミ・ヘンドリックス…。1970年前後に登場し“ロック黄金期”を築いたグループやアーティストのカバーバンドが集うイベントが、福岡市博多区中洲のライブハウス「ゲイツセブン」で人気を集めている。8月31日は4度目のライブがあり、熱い演奏で盛り上げた。
「祭典の日~九州クラシックロック・フェスティバル」と銘打ち、昨年2月から半年おきに開かれている。仕掛け人は、ツェッペリンのカバーバンド「グラーフ・ツェッペリンⅡ」のボーカルで会社員の田中健さん(56)=志免町。「(ビートルズなどの草創期に比べ)ロックが多様化を迎えた時代のカバーバンドはいずれも少数派。青春期にロックと出合い、社会人として落ち着いた今も地道に活動する仲間たちに光を当てたい」。こう思いを語る。
ステージには県内で活動する6組が次々に登場。バンドの大半は中高年が中心だ。ツェッペリンの「天国への階段」、パープルの「ハイウェイ・スター」、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」…。洋楽ロックの名曲や大ヒット曲を本家に迫る演奏や演出で披露する一方、長年の活動で磨いた技術で即興演奏も繰り出し、バンドの「個性」もアピールした。 会場は、往年の洋楽ファンが詰めかけ、立ち見客が出るにぎわい。演奏を食い入るように見つめ、ビートに合わせて体を揺らし、ロックの夜に酔いしれた。終演後、50代の女性3人組は「洋楽ヒットチャートを紹介する音楽番組にくぎ付けになった昔を思い出した。めちゃ楽しかった」と声を弾ませた。