父の日のプレゼント、何を贈ればいいのか悩みますよね。私も長年悩みながらプレゼントを選んでいましたが、出産後は忙しくて贈れず…。お世話になった父に、何もできない自分に落ち込んでいました。しかし父から返ってきた言葉は、意外なものだったのです!
父の日にプレゼントを贈っていた私
私の場合、物心ついてからずっと父の日には贈り物をしてきました。
父は真面目で厳格な人。義を重んじるタイプなので、父の日を無視するなんてできません。
子どもの頃は、にがお絵、手紙、肩たたき券、手料理など。
就職してからは、デパートの紳士服売り場や、父の日ギフトコーナーで、ネクタイ、ハンカチ、バッグ、ケーキ、羊羹など… 義務感で“ちょっといいもの”をプレゼントしていました。
父は、プレゼントをもらって大喜びする訳ではなく。
「はい、ありがとう」と言うくらいでしたが。
「父の日を無視したら、真面目な父をガッカリさせるのでは」と思い、毎年プレゼントを贈り続けていました。
きっかけは出産! ギリギリの毎日に…
出産後は、転勤先でのワンオペ育児生活でした。
見知らぬ土地で1人、赤ちゃんと24時間べったり。初めての育児は、常に寝不足で、時間があれば寝ていたい状態。判断力も低下してしまいます…。
父の日ギフトを選ぶどころか、日々家事育児をこなすだけで精一杯。赤ちゃんを預けるアテもなければ、赤ちゃん連れで外出する気力体力もナシ!
結局、子どもが生まれた年は、父の日を気にかける余裕がなく、気付けば父の日は過ぎ、そのままスルーしてしまいました。
父からのリクエストは、まさかのもの
翌年の父の日。
多少余裕は出てきましたが、この年も何もできそうになかったので、私は父に電話して謝ることにしました。
私「今年の父の日も何もできそうにないんだ、ごめんね」
すると父は、あっさり言いました。
父「プレゼントなんていいから、その分のお金を、貯金しなさい!」
私はビックリ。え、貯金?
父「そっちに売っている、アウトレット品の割れたおせんべい。お父さんあれが好きだから、帰省する時に買って来て!」
なんと父は、デパートの高級菓子ではなく、近所のスーパーに売っているアウトレット品の激安おせんべいをリクエスト。
私「おせんべいでいいの? それならいつでも買えるけど…」
父「充分だ! あのせんべい美味しいから、買ってきてもらえたら嬉しい」
プレゼントを贈らなきゃガッカリされる、と思い込んでいたのは、どうやら私だけ…。
父は「これから子育てにお金がかかる私たち夫婦が、高いデパートでプレゼントを買う必要などない」と教えてくれたのです。
父の日のプレゼント、頑張りすぎないように
それからは、子どもにお金がかかるため、生活が節約思考に。子連れだとデパートに行きにくいこともあり、滅多に行かなくなりました。
「父の日のプレゼント」は郵送で送らず、帰省の時に気軽に渡すよう、ありがたく簡略化させてもらいました。内容はもちろん、父のリクエストでもある、アウトレット品のおせんべいと名産品などです。
ある時、帰省直前に父の好きな高級羊羹を買えたので、帰省のお土産に渡したのですが、そんなに喜んでいるように見えませんでした。
確かに、私も逆の立場で想像してみると、無理して高級なお土産をもらうより、手頃な好物を買ってきてもらった方が嬉しいです。
それ以来、無理してまで父の日を頑張らないようになりました。
子どもが小さいうちは忙しく、これからお金もかかります。
そんな私たち家族のために、楽な道を示してくれた父。「やっぱり父は偉大だなぁ」と、意外なところで尊敬してしまった出来事でした。
お父さん、いつも見守っていてくれて、ありがとう!
(ファンファン福岡公式ライター / にこまむ)