ひな祭りに、どんなお祝いをしていますか? わが家はもっぱら「す○太郎」で作るちらしずし。女の子の母として、本当はきちんと手作りのごちそうでお祝いしたかった私が、毎年す○太郎に頼るようになったのは…こんな出来事がきっかけだったのです。
まだ見ぬ娘のために初めて作ったちらしずし
7年前のひな祭りの日の夜に、私は初めてちらしずしを作りました。
結婚してからも毎日仕事で忙しく、簡単な料理ばかり作っていた私が一念発起した訳は、おなかにいる子どもが女の子だと知ったから。 女の子のお母さんになるのだから、これから毎年手作りのちらしずしでお祝いしてあげたい。そんな思いでネットのレシピに首っ引きで頑張ることにしたのです。
薄焼き卵を焼いたり、シイタケを炊いたり、酢レンコンを作ったり。ちらしずしって、結構手間がかかります。やっとのことで完成したちらしずしは、見栄えはあまり良くないものの味はなかなか上出来で、夫もほめてくれました。
私はとてもうれしくなって、
「女の子が生まれるからね、来年からのひな祭りのために練習したんだよ」と言いました。 すると何ということでしょう。夫の口から衝撃のひと言が放たれたのです。
「まあ、来年からはオカンが作るけどな」
な、何ですって? 私が半日かけて必死で作ったちらしずし。もう2度と作るなということなの?
「2度と作らない!」宣言をした私とす○太郎の出合い
キレる私に、夫は慌てて言い訳を始めました。
「そんなつもりで言ったんじゃない」
「オカンは孫が生まれるのをすごく楽しみにしてるから」
「オカンは料理が得意だし、お祝いするのも好きだから」
「だから女の子が生まれたら、来年からはきっとオカンが作ると思って」
そんな言葉を並べられても私の気持ちは収まりません。それどころか、一体何回オカン言うねん! と、逆にイライラは増すばかり。
私だって女の子が生まれるのをすごく楽しみにしているし、私が生むんだし、料理は得意じゃないけれど、娘のお祝いくらいしたいんです。
「オカンも作る」ならまだしも「オカンが作る」の言葉がどうしても許せなかった私は、すっかりむくれてこう宣言しました。
「私はもう2度とちらしずしを作りません!」 ところが、夫の読みは外れました。娘が生まれて最初のひな祭りにしか、オカンはちらしずしを作らなかったのです。
すっかり当ての外れたわが家。そしてちらしずしは食べたいけれど、作らない宣言をした私が選んだのは「す○太郎」でした。使ってみて驚いたのですが、す○太郎ならレンコンやシイタケの準備もいりません。本当にあったかご飯に混ぜるだけ! こんな便利でおいしいものがあったなんてと、大いに感動した私はすっかりす○太郎のとりこになったのです。
オカン発言から今年でもう12年。さんざんネタにもしましたし、本当はもう怒っていないのですが、す○太郎の手軽さを覚えてしまった私は、もう自力でちらしずしを作ることなんてできません。 夫の失言を言い訳に、今年のひな祭りもす○太郎でお祝いするつもりです。
(ファンファン福岡公式ライター/あいちー)