私には、2人の娘がいます。春になりお店などにひな祭りの商品が並びはじめると、わが家もひな人形を出さなくてはと思います。そんなわが家のひな人形がどんどん増えていくのです…。
初めてのひな人形は長女の初節句に七段飾り
長女の初節句。2月のある日に、実家の両親が大きな箱を抱えてやって来ました。
大きな箱は、長い間押し入れで眠っていた物。中身は、私が生まれたときに祖母が買ってくれた七段飾りのひな人形でした。飾るのには、かなりの手間がかかることもあり、私が中学生に上がるとすっかり飾らなくなりました。
そんな、長い間しまっていた人形を
「○○ちゃんのママがおばあちゃんに買ってもらったひな人形を見せてあげようね!」とうれしそうにして運んで来たのです。
30年以上も前のひな人形でしたが、損傷が少なくて、びっくり。そしてそれ以上に驚いたのは、七段飾りが想像をはるかに超えて場所を取る! ということです。リビングのほとんどがひな人形が占領してしまい、存在感が半端ない!
生後間もない長女もひな人形に興味津々のようで、目を離そうとしませんでした。
「やっぱり女の子ねえ。喜んでるわ」と、両親は機嫌よく帰っていきました。
帰宅した夫も驚いたのは、言うまでもありません。男兄弟で育ったためひな人形になじみがないうえ、多くの人形に見つめられ落ち着かないようでした。 しかし、慣れとは恐ろしいもの。それからというもの、夫婦2人で毎年黙々と飾っています。
次女の思いがけないひと言で、人形がさらに…
次女が幼稚園に通うようになった年のある日。突然
「私だけのひな人形が欲しい!」と言い出しました。
「大きな七段飾りのひな人形があるでしょう? お姉ちゃんと〇〇ちゃんの、2人のものよ」と言っても納得しません。
どうやら友達の家に遊びに行ったときに見た、ケース入りのひな人形が原因のようです。おひなさまは、30年前の人形とは全く違い、大きな瞳でピンク色の衣を羽織っていました。そのおひなさまが欲しくなったようでした。
そのことを何気なく、実家の母に話したところ…。
後日、母はまた大きな箱を抱えてやって来たのです。忘れていました…。昔、母が七段飾りを出すのが面倒だからと買っていたケース入りのひな人形のことを。
いやいや、次女が欲しいのはそれじゃないんだよ! と心の中でツッコミながらも、試しに次女に見せてみると…。
お気に召してくれて、ほっと一安心。
毎年ひな祭りが近づくと、わが家には2セットのひな人形が登場します。またそれだけでなく、娘たちが幼稚園で工作したティッシュケースを台にした毎年分の手作りひな人形も飾るので、部屋中ひな人形だらけです。
七段飾りのひな人形だけでも、娘のどちらかが結婚したらぜひ持って行ってほしいと願っています。
(ファンファン福岡公式ライター/なな)