仲が良いママ友親子とラン活へ行ったときのこと。体の小さなママ友の娘Aちゃんはランドセル選びに悩んでいた様子。元々、体格にコンプレックスを抱いていたAちゃん親子は、徐々に不機嫌になっていきます。追い打ちをかけるように、うっかり店員さんも要らぬアドバイスを! 初めてのラン活で一体何が起きたのでしょうか。
楽しみにしていたラン活!
娘が幼稚園の年長になった6月頃のこと。
周囲でラン活の話が増えてきたので、私も実際に試着をしに行こうと考えていました。そこで、習い事でも親しくしている同じクラスのAちゃん親子と一緒に、地元で有名なオーダーメイドのランドセル店へ行くことに。
普段からよく一緒に遊ぶ2人だったので、子どもたちも一緒にランドセル選びができると楽しみにしていました。
店内に並べられた色とりどりのランドセルを見て、子どもたちもテンションアップ! 気に入ったものを、それぞれ試着することになりました。
試着するもしっくりこないAちゃん…
私の娘は身長も大きく体格もしっかりしていたせいか、どのランドセルでも問題なく、すぐにでも小学校へ行けそうな雰囲気。
一方、Aちゃんはというと、娘と1週間しか誕生日が違わないのに、娘より頭ひとつ分くらい身長が低い子なので、空のランドセルを背負っても重たそうな印象に。
後ろから見ても、ランドセルが歩いているような感じで、どれもしっくりこないようでした…。
Aちゃんママも不安だったのか、近くで見ていた50代くらいの女性の店員さんに
「軽いランドセルだとどのタイプになりますか?」と聞きました。
すると
「合皮の方が、本革に比べてやや軽いですよ」と店員さんが合皮のランドセルを出してくれました。ところがAちゃんママはなんだか浮かない顔。そんなことは気づかず、店員さんはさらに追い打ちをかけるような声かけをするのです!
店員さんのうっかりアドバイスに空気が一変!
店員さんは私の娘を見て、
「こちらのお嬢ちゃんはとてもお似合いね~。お姉さんらしくて素敵よ! ランドセルはどれを選んでも大丈夫ね!」と言い、娘もうれしそう。
しかしAちゃんに対しては
「こちらのお嬢ちゃんは体がとても小さいから、軽さを重視して選んだ方がいいわ。じゃないと体に負担がかかってかわいそう!」と、軽い合皮のランドセルをゴリ推ししてきたのです。
Aちゃん親子は曇り顔。
もともと体が小さいことをコンプレックスにしていたAちゃん親子は、「小さい」「幼い」という言葉がNGワードなので、この言葉を連想するような声かけを店員さんにされたことで、一気に空気が悪くなってしまいました。
最初は
「わ~!」と喜んでいたAちゃんも、すっかりヘソをまげて試着を嫌がるように。
Aちゃんママは
「将来的にランドセルを使わなくなっても、お財布や定期入れにして使いたいので、できたら本革が良いんですけど…」と聞くも、店員さんはやはり軽さ重視を推していて意見が合わないままでした。
すっかり気まずいムードになった私たち。
結局Aちゃんママは
「ごめん、今日は帰るね!」と言って先に店を出てしまいました。
親の熱意はほどほどに
後日、Aちゃんママから
「小柄な娘のことをバカにされた劣等感でイライラしていて… あの時はごめんね」と電話がありました。
「でもね、あの後、パパと3人で別のお店にランドセルを見に行ったら、娘が好きな刺繍の入ったランドセルを見つけてね。合皮だけど見た目もおしゃれで軽くて本人も気に入ったからそれに決めちゃったの! 本革とか合皮とか変にこだわりすぎていた私がバカみたいで…」と苦笑いをしたAちゃんママ。
それを聞いた私もホッとひと安心しました。
ラン活は、親の方がアレもコレもと期待に胸を膨らませてしまいますが、結局は子どもが使うものなので、本人が気に入ったものを選べばよいのだとAちゃんママを見て改めて気づかされました。
そんな娘たちも現在は小学3年生。
大きく重たそうに見えたランドセルも、今では2人ともすっかり馴染んでいます。
(ファンファン福岡公式ライター / なないろひまわりさん)