親友から結婚の報告を受け、同時に披露宴での友人スピーチを依頼されました。慣れないスピーチ原稿を一生懸命考え、当日まで緊張して過ごしていましたが、いざ当日。 スピーカーとして紹介されたのは、私ではなく他の人だったのです! そのまさかの顛末とは…。
親友の結婚式でスピーチをすることに
しばらく会っていなかった中学時代の親友から久しぶりに連絡があり、結婚の報告を受けました。電話でしたが、話は盛り上がり
「披露宴では友人スピーチをお願いね!」と頼まれたのです。 スピーチは大の苦手ですが、私の結婚式でも親友にスピーチをしてもらっていたので、仕方がない! と割り切り、快く引き受けたのでした。
しばらくすると、私の妊娠が判明しました。 披露宴は妊娠8カ月目にあたるので、出席可能だと判断し、次会った時にでも報告しようと考えていました。 また、披露宴が近づいてくると、具体的なスピーチ内容も考えました。 スピーチが得意な主人に相談すると
「30過ぎた人がスピーチで手紙を丸読みするのはおかしい」と言われてしまい、手紙なしでスピーチできるよう、つわりと闘いながらも何度も何度も練習をしました。
そして披露宴が2週間後に迫った頃、親友から二次会の出欠確認のメールが来たのです。そこで私は妊娠していることを報告し、二次会は遠慮させてもらう旨を伝えました。
「えー! そうだったの! そっかー、おめでとう!」という返事が来ていました。
指名されたのは別の人?!
そして迎えた披露宴当日。 中学時代の懐かしい友人にも再会し、盛り上がっていました。 しかし、事前にスタッフからスピーチの順番や立ち位置などの確認が一切なかったのです。あれ? と思い、私は同テーブルの友人にこっそり相談しました。
「私、結婚の報告を受けた時にスピーチを頼まれたはずなんだけど、それから何の話もなかったんだよね」と。昔から、少し常識はずれでどこか抜けている親友だったので
「一度頼んだだけで最終的な確認もなしって、あの子ならあり得るね」という話になり、そのまま披露宴は始まりました。
友人スピーチの時間となり、ドキドキしながら司会者の声に耳を澄ませると…
「新婦の御友人であります、〇〇様…」。なんと、それは私の名前ではなかったのです!
スピーチせずにすんだー! とホッとしたのもつかの間、フツフツと怒りがこみ上げてきます。 いくら常識はずれな子とは言え、スピーチを頼むだけ頼んで忘れるなんてことがあるでしょうか。
しかし 昔なら怒ってケンカになり、そして仲直り… となるところでしたが、今はもう大人。親友といえども、今はほとんど付き合いのない友人だし、怒る気にもなれずそのまま私だけの出来事にして忘れることにしました。
親友の言い訳とは
後日。
披露宴を機に中学時代の友人と集まることになり、親友も来ることになりました。スピーチの件は黙っておくつもりでしたが、披露宴で相談していた友人が本人に言ってしまったのです。
「スピーチ頼んでたんでしょう? あの子、ちゃんと準備してきてたんだよ」と。
「え!」と、驚く親友。そして言い訳が始まります。
「最初の段階で確かにスピーチをお願いしたけど、途中で妊娠したって聞いたから負担が大きいかと思い、急きょ他の人に変えた」というのです。しかも、最終的な依頼をしていなかったから、私がスピーチをするつもりだとは思っていなかったと…。
「(私の)体と赤ちゃんのことを最優先に考えたんだよう…」と嘆く親友。友人たち一同は、もう深いため息しか出ません。
やや常識に欠ける子なので、今まで間違っているときや非常識なことをしたときには、親友として厳しく接してきました。 今回の件についても、私に対して失礼なことをしたということ、私の確認不足も原因であったということを伝え、一件落着。こんなふうに世話が焼ける親友ですが、人の妻となり家庭を持ち、現在出産を控えています。 これからも温かく見守り、末永く付き合っていこうと思っています。
(ファンファン福岡一般ライター)