6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。
成長とともに、自分のことを自分でするようになるこどもたち。食事や着替えなどは2歳、3歳と年齢を重ねるうちに徐々に1人でできるようになりますが、危険も潜むおふろはいつから大人なしで入れるのでしょうか。
今回は、「いつまでこどもとおふろに一緒に入るか」というテーマで、さまざまな情報をお届けします。卒業の目安や、大人なしで入浴できるようにするための指導法も解説していますので、参考になれば幸いです。
「こどもとおふろ」はいつまで?年齢はバラバラ
こどもとお風呂に入るのは、保護者にとっても楽しい時間ではないでしょうか。しかし、成長すれば自分で体を洗えるようになり、大人と一緒に入るのに抵抗を感じるようになることもあります。
こどもが大人と一緒の入浴を辞める年齢は、さまざまです。
最も多いのは「小学校3年生」頃まで
「あんふぁんWeb」によると、こどもが保護者と入浴する年齢は小学校3年生頃までです。「おやこのくふう」で実施したアンケートでも、異性の保護者と一緒にお風呂に入る年齢は「小学校3年生ごろまで」という回答が、最も多い結果となっています。
年長、小1と早い段階から1人で入れるようになるこどももいますが、低学年のあいだは保護者と一緒に入浴するケースが多いようです。
未就学児、小学校高学年など、意見はさまざま
上のアンケート結果からわかるように、小学校入学前に異性の保護者との入浴を辞めるこどももいます。反対に小学校4年生以降も、異性の保護者と入浴するこどもも一定数存在します。
前述の「あんふぁんWeb」のアンケートでも、大人と一緒の入浴は小学校入学までというこども、高学年でも同性・異性問わず大人と入浴するこどもがいました。
「小学校3年生」というのは1つの目安ですが、家庭の方針やこどもの考え方により、お風呂に入る年齢はさまざまだということがわかりますね。
こどもが同性か異性かでも変わる
「あんふぁんWeb」では、同性親子、異性の親子で一緒にお風呂に入る年齢を調査しています。
上の結果からわかる通り、同性同士のほうが年齢が上がっても一緒に入ることが多いようです。「父×娘」「母×息子」のように、異性の組み合わせは同性同士よりも一緒に入るのを辞める年齢が早いですが、「母×息子」のほうが入浴を卒業する年齢は高くなっています。
母親のほうが父親よりもこどもと接する、お世話をする機会が多いことも、理由の1つではないでしょうか。
小学生からはお風呂は一人で入る?一緒に入るのは何歳まで?アンケート結果から見る子供のお風呂事情 https://oyako-kufu.com/articles/2293
「子どもとお風呂」いつまでOK?いつから一人でOK?4000組の親子に聞いてみた https://enfant.living.jp/mama/mamnews/mei/934258/
「こどもとおふろ」を終える理由とタイミング
いくつになっても、保護者にとっては心配の絶えないかわいい我が子。お風呂も「うまく洗えるか」「危険な入浴方法を取っていないか」などついつい気にしてしまいますし、楽しい入浴時間を一緒に過ごしたいと思うこともあるでしょう。
しかし、いつかはこどもも1人で入浴する日が来ます。こどもとの入浴を終えるべき理由を知ると、そのタイミングも見えてきます。
「身体の違い」を意識し始めたら入浴は別に
思春期にさしかかる頃には、こどもの体や心は大きな変化を迎えます。それまではただ身長が伸びるだけだったのが、女の子は胸が膨らんできたり、初潮を迎えたり、それに伴い体型に丸みを帯びてくるなど、大人の体へと成長していきます。
男の子も同様で、早い場合は10歳前後から精巣が発達しはじめ、その後精通や声変わり、ひげが生えてくるなどし、体の成長に伴い心にも変化が訪れます。
身体の変化が訪れると、恥ずかしい、見られたくないと思うこどもも少なくありません。もしまだ身体が発達していない場合も、男女の身体の違いを意識するようになったら、一緒にお風呂に入るのは辞めましょう。
【参考】公衆浴場での年齢制限は「おおむね7歳以上」
自宅でこどもとお風呂に入るのを辞めるタイミングは家庭によって異なりますが、公衆浴場では年齢制限が設けられています。
厚生労働省の「公衆浴場における衛生等管理要領等について」には「おおむね7歳以上の男女を混浴させないこと」とあります。以前は年齢制限が10歳程度、小学校4年生程度まででしたが、令和2年12月に7歳に引き下げられました。
その理由は、「混浴を恥ずかしいと思い始めた年齢」という聞き取り調査で、6~7歳が最も多かったからです。家族以外の異性との入浴は、前述のアンケートで最も多かった小学校3年生よりも低い年齢から「恥ずかしい」と感じるこどもが多いことがわかります。
こどもと一緒にお風呂に入るのを辞める時期は、公衆浴場での年齢制限も参考にするとよいでしょう。
公衆浴場における衛生等管理要領等について https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000556115.pdf
“子供と一緒にお風呂”はいつまで?卒業時期の目安と保護者の関わり方 https://chanto.jp.net/articles/-/110126
「こどもとおふろ」卒業に向けてのステップ
こどもとの入浴を辞める際には、「こどもだけできちんと入浴ができるか」を心配する保護者も多いでしょう。何の準備もしないまま「明日から1人で入ってね」といわれても、こどもは困ってしまいます。
大人との入浴を卒業するためには、ステップを踏んでいくことも大切です。
声かけをする
こどもが自分で頭や身体を洗えるようにするために、声かけからスタートしましょう。最初からこどもにやらせるのではなく、洗い方や流し方のポイント、洗い残しをしやすい場所などを教えながら、保護者が洗ってあげます。
耳の後ろやお尻、脇などは洗い残しをしやすい場所です。ぬるぬるしていないか、泡が残っていないかなどを確認すること、洗い残しがあるとかぶれたりかゆくなったりと皮膚トラブルが起こることなども伝え、正しい洗い方を教えましょう。
また、入浴後の身体のふき方を教えることも大切です。背中のふき方、ドライヤーのかけ方なども、初めてのこどもにはわかりません。1回で覚えられないこともあるので、数日かけて教えると、徐々に定着していきます。
こどもが自分で洗うのを見守る
洗い方を覚えられたと思ったら、こども自身にやらせてみましょう。保護者も一緒にお風呂に入って洗う様子を見守り、必要に応じて声かけをすると、こどもも正しい洗い方を実践しやすくなります。
入浴後のふき方、ドライヤーのかけ方などまで、根気よく見守ってあげてください。
できたら褒めてあげる
洗い方がわかっても、なかなかうまく実践できない場合もあります。こどもは大人よりも手が小さく短いため、届かない場所があったり、きれいに流しきれないことも少なくありません。
できるだけこどもが自分でできたことを見つけ、1つひとつ褒めてあげるとこどものモチベーションアップにつながります。注意ばかりされると「できない」と自信をなくす可能性もあるので、気になることがあったらまずは「自分でやろうとしたこと」を褒め、その後「こうするともっときれいになるよ」と声をかけるのがおすすめです。
こどもだけで入る頻度を徐々に増やす
見守りも必要ないぐらい上手に洗えるようになったら、こどもだけで入る頻度を少しずつ増やしていきます。まずは週に1回くらいからはじめ、保護者なしでのお風呂を徐々に習慣化しましょう。
小学生からはお風呂は一人で入る?一緒に入るのは何歳まで?アンケート結果から見る子供のお風呂事情 https://oyako-kufu.com/articles/2293#
こどもだけで入浴できるようにするために、保護者が指導したいこと
こどもとのお風呂を卒業するためには、洗い方やふき方などのほかにも教えておきたいことがあります。安全な入浴の実現はもちろん、公衆浴場などでのマナーも守れるよう、正しい情報を伝えましょう。
おふろのマナー・ルールを教える
入浴時のマナーやルールは、温泉や銭湯など、自宅以外のお風呂に入る際にも役立つ知識です。浴槽に入る前にはかけ湯をしたり身体を洗ったりして清潔な状態にすること、飛び込んだり潜ったりしないこと、ばしゃばしゃとしぶきをあげないことなど、「外でのお風呂」のマナー・ルールを自宅でも守れるようにしましょう。
入浴後に身体を拭いてから出るというのも、外のお風呂では大切なことです。自宅でもお風呂の入り口付近にバスタオルを置き、浴室内や足拭きマットの上などで身体の水気を取ってから移動するよう、指導しましょう。
おふろで起こり得る事故について指導する
お風呂は家庭内での事故が起こりやすい場所の1つでもあります。大人が見ていないところで潜ったり飛び込んだりすることは、重大な事故につながる可能性もあるため危険です。また、濡れた床は滑りやすく、石鹸やシャンプーの泡などがあると転倒のリスクはさらに高まります。
こどもには、お風呂でどのような事故が起こることがあるかも事前に伝えましょう。きょうだいで入浴させる場合は、浴室内でのちょっとした悪ふざけが深刻な自体を引き起こすことがあるということも話し、安全な入浴を促すことが大切です。
浴室内の安全対策も!
こどもだけでも安全にお風呂に入れるよう、事前に対策もしましょう。こどもは水深15cmほどでも溺れる可能性があります。さすがにお風呂の水を15cm以下にするのは現実的ではありませんが、大人に合わせた湯量では深すぎるので浅めにお湯を張るようにします。
床が滑りやすい場合は、浴室用のマットを敷くのも1つの方法です。固形石鹸は落とすと床の滑りにつながるので、ポンプ式の液体や泡の石鹸を使うといった工夫もできます。
また、脱衣所の扉を開けて声が聞こえるようにする、こまめに様子を見に行くなど、入浴中の変化に気づける態勢も作っておきましょう。
「こどもとおふろ」は7~9歳を目安に卒業!1人でお風呂に入れるような指導を
こどもといつまでお風呂に入るかは、家庭によってさまざまです。未就学児までという意見もあれば、小学校高学年になっても、同性・異性を問わず親子で入浴することもあります。
大切なのはこどもの気持ちですが、年齢が上がっても一緒にお風呂に入るのを辞めない場合は、親から声をかけて卒業を促すことも重要です。卒業の年齢にかかわらず、やむを得ない事情でこどもだけでお風呂に入らなければいけない状況が訪れたら対応できるよう、1人でお風呂に入るための指導は年長ぐらいから始めるとよいでしょう。
わが家の6歳と8歳は、基本的には私か夫と入浴しています。しかし、頻度は低いものの、手が離せないときには息子たちだけでお風呂に入ることもあります。次男は1人で入れませんが、長男は一応、自分で洗って出て着替えられるので、いつ卒業してもよい状況です。
先日、今回の執筆で得た情報をもとに、「4年生になったら、もうママとはお風呂に入るのをやめようね」と話しました。こどもの自立に向けて、こうやって少しずつ手を離していかないといけないという現実に少し寂しくもなりましたが、そのぶん残された入浴の機会を大切にしようと思えました。
次男にも3年後を視野に入れ、入浴の指導を少しずつしていく予定です。同世代のこどもを持つ皆さんも、一緒にお風呂指導を頑張りましょう。