逆上がりを成功させたい! 努力と根性でクリアした母娘の感動物語

娘の通う幼稚園では、卒園までに「逆上がり」ができるようになることが目標です。体の小さい子はスイスイと逆上がりを成功させていきますが、身長の大きなわが子は、なかなか習得できません。卒園が近づくにつれ、担任の先生からのプレッシャーも大きくなっていくなか、親子で懸命に取り組んだわが家の逆上がり成功への感動話をご紹介します。

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逆上がり習得が「絶対」の幼稚園

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 娘の通う幼稚園は、卒園までに逆上がり習得がマスト。そのため、年少のころから鉄棒やうんていを使って体の使い方を学んでいきます。

 体がまだ小さくて軽い子は、筋力がなくてもスイスイと逆上がりを成功させていけるのですが、娘は周りの子と比べると頭ひとつ分身長も高く、体つきもしっかりしているため、なかなか体を持ち上げることができません。

 卒園まで残すところあと2カ月となった個人面談では、厳しい担任の先生から
 「逆上がりが習得できていないのは、うちのクラスではAちゃん含め、あと2人だけなんです! ご家族も公園へ行って練習してもらえませんか?」と言われてしまいました。

 最初は「逆上がりができなくても人生そこまで困らない」と思っていた私ですが、さすがにプレッシャーを感じてしまい、その日のうちにインターネットで室内鉄棒のレンタルを申込み、娘はあまり乗り気ではなかったものの、自宅でも練習に励むことにしたのです。

親子で悪戦苦闘した30日間

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 室内鉄棒が届くと、すぐさま組み立てて子ども部屋に設置。
 動画サイトを見ながら、逆上がりのコツや練習方法を学び、試行錯誤しながら毎日練習に励みました。

 最初はバスタオルを鉄棒に巻き、逆上がりサポーターのようにして娘の体を支え、くるっと回る感覚を掴ませるように。
 最初は怖がっていた娘も、次第に回るのが楽しくなった様子で積極的に鉄棒に向かうようになりました。

 数日後、次は足を蹴り上げる練習へ。最初は壁を駆け上がるようにして回るようにしました。
 蹴り上げる力が強くなったら、次は私の膝をステップにして回る練習です。

 こうして毎日少しでも多く練習の時間を確保し、昼夜問わずひたすら練習・休憩・練習を繰り返し、気付けば1カ月が経過。

 最初よりは上手に蹴り上げる力が出てきたものの、肝心の逆上がりは成功していません。徐々に私にも娘にも焦りが出始めました。

諦めたかけたころ… 奇跡が起こる!

 もう卒園まであと少し。娘には
 「絶対できる!」と毎日声かけするも、私は内心、諦めかけていました。

 そんなある日のこと。
 幼稚園へお迎えに行くと、いつもクールな担任の先生が
 「Aちゃんママ! すごいですよ!」と興奮気味で私のもとに走ってきたのです。

 なにかトラブルでも…? と思って身構えていると
 「今日のお昼休みに、なんとAちゃんが逆上がりを成功させたんです!」と先生。
 「え~!!!」嬉しすぎて、先生と手を取り合って喜んでしまいました。

 そんな姿を見て、クラスの子と娘が集まります。

 そして園庭にある鉄棒を使い、みんなの前で娘はくるっと逆上がりを成功させて見せたんです。その場に居合わせたお迎えのママたちも見学。大きな拍手が沸き起こりました!

 娘も拍手喝采に気持ちよさそうな笑顔を見せていて、私はつい胸が熱くなりました。

 帰り道、娘は大興奮で
 「できたよ~」と満面の笑み。私も思い切り抱きしめ、褒めてあげました。

「諦めなければ何でもできる」という教え

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 なんとか卒園までに間に合った逆上がり。
 周りのママ友たちからは
 「すごいね。うちだったら絶対、体操教室へ通わせちゃう! そこを親子で諦めずにやり遂げたのは、Aちゃんにとってもママにとっても大きな経験だよ~」と褒めてもらいました。

 小学3年になった今も、この出来事は強く心に残っているようです。挫けそうになると「あの時、逆上がりを頑張って成功させた! だから諦めなければ何でもやれる!」と努力を惜しまない子に育ちました。

 この成功体験を“大きな自信”として、これからたくさんの苦難を乗り越えていって欲しいなと思います。

(ファンファン福岡公式ライター / なないろさん)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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