現在3歳になる娘を出産したときの話です。妊婦生活は順調だったものの、出産から産後は想像以上に大変なものだったのです。
順調だった妊婦生活
不妊治療でようやく子どもを授かったのは、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた頃。つわりがつらい時期もありましたが、新型コロナウイルスの影響で職場が休業になったこともあり、その間は自宅で過ごすことができました。休業が明ける頃にはつわりも治まり、その後は大きな体調変化もなく順調な妊婦生活でした。
一転!緊急帝王切開
予定日2日前のこと。健診後に先生から
「おしるしのような出血があると思う」と言われ、その後薄い出血がありました。おしるしと思い普段通りに過ごしましたが、それは夜まで続き、インターネットで調べてようやく「破水では?」と思い至ったのです。
病院へ連絡すると
「破水かどうかは見ないとわからないため、入院準備をして向かってください」とのこと。すぐにタクシーで病院へ行くと、やはり破水でそのまま入院になりました。
入院直後から発熱があり、新型コロナウィルスは陰性でしたが、炎症値が高く抗生剤の点滴が開始。その後2日経ってもお産が進まず、何らかの感染の可能性や私と赤ちゃんの状態も考慮して緊急帝王切開が決まったのです。
コロナ禍のため出産の立ち合いは不可でしたが、手術のため急遽夫にも連絡。あれよという間に手術が始まり、1時間ほどで無事に終了しました。生まれたときは産声をあげた娘は、直後に呼吸が悪くなり保育器に入ることに。私自身も再び発熱し朦朧としている状態。手術後に少しだけ夫に会えましたが、夫も気が気でなかったと思います。
翌日の医師の話では、やはり子宮内感染を起こしており子どもにも影響があったとのこと。病院へ連絡したときは破水してから約半日経っていたため、「破水にすぐに気づけず、娘に苦しい思いをさせた」と自分を責めて落ち込みましたが、その後娘は保育器を2日で卒業し順調に成長。私自身も微熱がありつつ一応は炎症値も下がり、予定通り母子そろって退院できました。
退院後も発熱で再入院
コロナ禍で両親学級も沐浴指導もなかったため、退院後は育児書を見ながら、夫とともに手探りでの娘の世話が始まりました。夫が育児休暇を取り、帝王切開後の傷の痛みで思うように動けない私に代わって、食事の用意や娘のお世話など積極的に動いてくれて助かりました。
しかし、退院後3日経っても続く発熱で気持ちが不安定になり、病院へ連絡して夫に娘を任せて受診。すると、退院時に下がり切っていなかった炎症値が再び上がっており、また帝王切開時の子宮側の傷のあたりに膿のような塊があり、抗生剤治療が必要とのこと。
なぜこんなことになったのか、夫にも娘にも申し訳ない、と思い泣いてしまいました。そんな私のメンタルや娘のことを考慮し、外来通院しながらの自宅療養も検討してくれましたが、かなり数値が悪く結局そのまま入院となったのです。
急にワンオペになった夫。家事育児に積極的だったことも幸いして、数日後に義母が遠方から来てくれるまで1人で娘のお世話をこなしてくれました。コロナ禍だったため面会は禁止。送られてくる写真や動画、テレビ電話で見る娘の愛らしい姿が励みになりつつも、会えないことが悲しくて涙が出ることも。それでも娘が元気でいてくれたのは救いでした。
出産は何が起こるかわからない
抗生剤の点滴は1日4回と大変ではありましたが、治療の甲斐あって10日ほどで無事に退院できたのです。産後の入院によってゆっくり休めたことで帝王切開の傷の痛みも和らぎ、ありがたい時間ではありました。それでも、当時を思い返すと今でも泣きそうになります。
出産は本当に何が起こるかわからないと改めて感じた私の出産体験でした。
(ファンファン福岡公式ライター/emingo)