6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。
室内遊びはさまざまな内容のものがありますが、年齢に合ったものを選ぶと楽しみながら子どもの力を伸ばすことにもつながります。5歳に最適なのは、どのようなものなのでしょうか。
今回は、5歳におすすめの室内遊びを紹介します。メリットや注意点も把握し、家族や友だち同士で安全でよりよい時間を過ごしましょう。
5歳の子どもの発達の特徴
5歳というと、保育園や幼稚園では年中から年長に当たります。身体も心もそれまでよりさらに成長し、遊びの内容も変わってくる時期です。この年齢の子どもの発達の特徴を見てみましょう。
運動能力
5歳児の平均身長は110cm前後で、手足もすらりとしてきます。筋力がアップし、長距離を歩けるようになったり、ブランコで立ち漕ぎができるようになったりするのも、5歳頃です。ブリッジや後転、ドリブル、縄跳び、逆上がりなど、得意分野でより高度な技ができるようにもなってきます。
手先を使ったより細かな作業も、大人のサポートなくこなせるようになり、はみ出さないでぬり絵を塗る、折り紙をきれいに折る、複雑な図形を上手に描けるといった特徴も見られます。
理解力
5歳になるとそれまでよりもさらに記憶力が発達し、ひらがなや数字の読み書きなどもできるようになってきます。カレンダーやアナログ時計を理解したり、100までの数を数えられるようになったりと、学習や日常生活につながる知識も深まります。
人の話を聞いてルールや相手の意思を理解し、考えて行動できるようになってくるのも、5歳の発達の特徴です。我慢を覚え、勝ち負けのあるゲームでも比較的怒ったり消極的になったりせずに楽しめるようになるので、できる遊びも増えます。
また、高齢者や年下の相手を気遣う、友だちを思いやるなど、状況や相手を見て行動できるようになるので、きょうだいでのトラブルも減ってくる頃ではないでしょうか。
【コラム】5歳児の発達特徴は?発育の特徴と接し方のポイント、中間反抗期についても解説(https://www.hamakids.jp/blog/blog_column/post_45240/)
5歳におすすめの室内遊びは?
5歳の心と体の成長に合ったおすすめの室内遊びは、非常に多いです。絵本ナビスタイルや保育士バンクなどの参考サイトをもとに、筆者がおすすめしたい室内遊びを10個ピックアップしました。
アルプスいちまんじゃく
アルプスいちまんじゃくは、2人ペアで歌いながら行う手遊びです。道具のいらない室内遊びで、歌や手の動かし方を知っている大人も多いので、親子でも楽しめます。はじめはゆっくり、慣れてきたら徐々にスピードを上げていくなど、バリエーションを持たせられるのも特徴です。
歌詞や手遊びのバージョンは複数あるので、変えながら楽しむのもよいでしょう。
言葉探しゲーム
言葉探しゲームは、たくさんのひらがなのピースを使ってお題に合った言葉を作るものです。動物や食べ物、季節などのお題に合った言葉を順番に作る、制限時間内に多くの言葉を作るなど、ルールも自由に決められます。
ひらがなピースは、画用紙で自作するのがおすすめです。トイレットペーパーの芯の穴ぐらいの大きさだと、子どもも見やすいでしょう。
おしり走
室内でも身体を使って遊びたい!という場合は、おしり走もおもしろいです。床に座ってお尻だけで前に進み、手足をつけないで誰がいちばん速くゴールにつくかを競います。コツをつかまないと全然進めなかったり転がってしまったりするので、数メートルという短い距離でもゴールまでに時間がかかり、盛り上がります。
にんじゃごっこ
4歳のおすすめ遊びで紹介したごっこ遊びは、5歳の子どもにも向いています。4歳児よりもさらに発展したごっこ遊びを楽しむなら、にんじゃごっこがおすすめです。その名の通り忍者になりきるにんじゃごっこは、忍者のポーズで「どろん」といって壁や石になりきったり、「抜き足、差し足、忍び足」と、静かに慎重に歩いたりしながら忍者気分を味わいます。折り紙で手裏剣を作って投げる練習をしても、楽しいでしょう。
実は、最近は保育園や幼稚園でも忍者修行を教育に取り入れているケースもあり、身体づくりやルールの定着など、修行を通した心や体の成長がよいとされているようです。次男もちょうど5歳を迎える年中の頃に、保育園で忍者修行を行っており、遊びを通して大きな成長が見られました。
家庭でもにんじゃごっこを活用すれば、片づけや歯磨き、寝る時間など、さまざまなルールを楽しく身につけられるかもしれません。
体じゃんけん
全身を使って「グー」「チョキ」「パー」を表現する体じゃんけんは、室内でも身体を大きく使って楽しめる遊びの1つです。小さくしゃがんで「グー」、足と手を前後に開いて「チョキ」、両手両足を横に大きく広げて「パー」といった形が基本ですが、それぞれの形に見えるポーズを考えてじゃんけんをしても楽しいでしょう。
ポーズを考えたり、誰かが考えたポーズでじゃんけんしたりするなかで、思考力や記憶力、瞬発力などのアップも期待できます。
座り相撲
2人でできる座り相撲も、おすすめ室内遊びの1つです。ルールは簡単で、まず向かい合って体操座りをします。「はっけよーい、のこった」の掛け声のあと、座ったままお互いに押し合って相撲を取ります。
お尻が浮いたり後ろに倒れたり、床に手をついたりしたら負けです。簡単で安全ですし、多少体格差があっても勝敗がわからないので、勝負する人も見守る人も白熱します。
すごろく
サイコロを振って出た目の数だけ進み、マスに書いてある内容に従うすごろくも、5歳になると楽しめるようになってきます。すごろくは難易度やテーマなどが非常に豊富です。
漢字が多い、ルールが複雑なものは、小さな子どもには向かないこともあります。好きなキャラクターのもの、マス1つひとつが大きいもの、ルールが簡単なものなど、シンプルな内容のものを選ぶと、幼児も楽しみやすいでしょう。
お絵描きしりとり
4歳でもできるしりとりは、5歳になったら難易度をあげて遊ぶと新たな楽しみ方ができます。おすすめは、お絵描きしりとりです。
絵で表現して言葉をつなげていくお絵描きしりとりは、想像したものやことを形にする力が養われます。また、相手が描いた絵からどんな言葉なのか、つながる言葉は何かを考えるなかで、思考力も高まるでしょう。
折り紙
より細かな作業が可能となる5歳は、折り紙でいろいろなものを折れるようになります。本や動画を見ながら、好きな形のものを作るのも楽しいでしょう。親子で取り組めば、コミュニケーションの促進にもつながります。
完成した作品を使ってさらに大きなアートにする、季節に合った部屋の飾りにするなど、作ったあとまで楽しめるのも、折り紙の魅力です。
工作
4歳よりもさらに複雑な工作に挑戦するのもおすすめです。手作りおもちゃなら、作ったあとに遊べますし、季節に合った制作物は飾ったりプレゼントしたりもできます。市販の工作キットも活用すれば、創作の幅はさらに広がるでしょう。
5歳児の室内遊び22選!集団遊びゲーム・運動遊び・製作遊びや保育のねらいも(https://www.hoikushibank-column.com/column/post_1466)
5歳児向け室内遊びアイディア20選〜季節や天候に左右されず楽しめるゲームまとめ〜(https://www.spacemarket.com/magazine/know-how/children-5-play/)
室内遊び・室内ゲーム遊びアイデア大集合!〜幼児さんが楽しみやすい簡単ゲームなど20種類以上〜(https://hoiclue.jp/700138753.html)
ひそかに流行っている「忍者保育」!子どもが夢中になる秘密とは?(https://www.e-hoikushi.net/column/383/)
5歳の室内遊びのメリット
天気の悪い日や外に出られない時間を楽しくするだけでなく、室内での遊びにはいくつかのメリットがあります。5歳の室内遊びで得られるメリットは、大きく3つです。
複雑なルールを理解できる
4歳よりもさらに難しいルールや言葉がわかる5歳は、室内遊びを通して複雑なルールを理解し、実践する力が身につきます。楽しみながら養われた力は、保育園や幼稚園の生活や行事のなかでも役立つでしょう。
相手の意見を尊重できるようになる
5歳になるとそれまでよりも相手を思いやったり、我慢ができるようになったりします。遊びのなかでも誰かの意見を尊重して内容を選ぶ姿や、ルールを工夫する様子が見られるのではないでしょうか。小さなきょうだいがいる場合は、ハンデを与えるなどの配慮もできるようになり、自分だけでなく皆が楽しめるようにと、協調性や社会性をより高められるのもメリットです。
体や頭を使い、遊びの幅がふくらむ
おすすめの遊びを見てもわかる通り、5歳にできる遊びは全身を使うものから頭を使うものまで、ジャンルが豊富です。好きな遊びだけに偏らず幅広い遊びに挑戦するなかで、運動能力と考える力の両方を養えるのも、室内遊びの魅力だといえます。
さまざまな遊びに挑戦するなかで、いままで知らなかった自分の「得意」や「好き」が発見できることもあるかもしれません。
5歳の室内遊びの注意点
5歳の室内遊びを実践する前には、大人が注意したいポイントも確認しておきましょう。楽しく、そして安全に遊べるように配慮したい点は3つです。
トラブルが起こらないよう大人が見守る
我慢や譲り合いができるようになってきたといっても個人差がありますし、まだまだ状況によっては衝突することもあります。大人が遊びに参加しない場合も、トラブルが起こらないよう引き続き見守りをしましょう。
必要に応じてあいだに入ったり声をかけたりすることも大切ですが、基本的には子ども同士で解決できるよう、できるだけ口を出さないことも忘れてはいけません。
安全に遊べる環境を整える
身体を動かす遊びをする場合は、安全にできるようにじゅうぶんなスペースを確保してください。周囲はもちろん、足元にもものが落ちていないか確認し、怪我をしないように環境を整えてから遊ぶと安心です。
道具を使う場合は正しい使い方を教える
道具を使った遊びをする際には、まず正しい使い方を教えるようにします。説明しようとすると「わかってる!」となってしまう子どももいますが、「ハサミはどうやって渡すの?やってみて」「ホッチキスはどの部分が危ないんだっけ?」と、子どもが答えられるよう質問形式にすると、子どもも大人の話を聞きやすくなりますし、しっかりとルールの確認ができます。
楽しく遊ぶためには、安全に配慮することも欠かせません。5歳はだんだん会話ができるようになり、自分でできることも増えてくる時期ですが、特に遊びに夢中になっているときなどには、危険を察知したり判断したりすることが難しくなります。遊びの相手をするだけでなく、環境整備や見守りを行うのも、大人の役割の1つです。
5歳児向けの室内遊び16選! 発達にあわせた遊びの注意点も解説(https://style.ehonnavi.net/asobi/2023/06/28_517.html)
5歳の室内遊びはコミュニケーションも楽しもう
成長とともにさまざまなことができるようになり、室内遊びの内容も変わってきます。5歳の室内遊びは1人や少人数でできるものもありますが、アイデアを出し合うなど、コミュニケーションが求められるシーンも少なくありません。
親子やきょうだい、そして友だち同士の交流も大切にしながら、いろいろな遊びを楽しんでください。