母親に対して強い執着や愛情を示す男性を「mother complex」、略してマザコンと言いますが、夫はまさにマザコン道まっしぐら! 結婚当初に一番驚いたエピソードをご紹介したいと思います。
一人暮らし経験のない夫
私の夫Rは、独身時代ずっと実家住まいで一人暮らし経験がありません。実家はアクセスのよい立地にあり、職場へも徒歩で行ける距離だったので離れようと考えたこともなかったそうです。
対して私は、18歳で上京してからずっと一人暮らし。家族と連絡を取り合うのも1カ月に1度くらいで、帰省するのも年に1回くらいの関係でした。そのため交際当初は家族のスタイルの違いに驚きの連続だったともいえます。
職場で知り合って交際するようになったRと私。その穏やかな人柄を知るうち結婚を意識するようになり、すぐに両家へ挨拶に行きました。
Rの実家は居心地よく、また義母も気さくな女性だったので、頻繁に訪問したり食事をごちそうになる仲に。その内に知ったのですが、R家では誕生日は必ず家族全員で外食し、プレゼントを贈り合う習慣があったのです。また、義母の作るお弁当を会社に持参したり、Rと義母の2人で食事や買い物に行ったりすることも。
実家暮らしだからこそできる派手なお金の使い方もさながら、その密接な関係に私はモヤモヤすることも多々あったのでした。
結婚して初めてのボーナス! その時、夫は?
色々と思うところはありながら、Rとの挙式を済ませ2人での新婚生活がスタート。しかし、新しい家具など買おうにも彼の貯金はゼロだったのです!
その時に初めて判明したのですが、これまで給料の半分は実家に生活費として渡し、残りのお金はすべて使いきってしまっていたそうです。
数カ月間揉めに揉めた結果、Rの給料は私が管理し2人の生活費を一本化することに成功。月々お互いのお小遣いは決められた額にして、なるべく貯金に励もうという結論となったのでした。
しかし、やれやれと胸をなでおろしたのもつかの間、ボーナス時期が到来するとまた事件が! 私は、ボーナスで新しい家具や家電、あるいは新居を購入するための貯金に回そうと考えていました。
そして迎えたボーナス支給日、Rは私に向かって
「結婚して初めてのボーナスだから、今まで育ててもらったお礼に母へバッグを購入しようと思う!」と言ったのです ! それも、本人はナイスアイディアだと思っていたようで、大興奮といった面持ちでした。
何でも、Rは義母が新しいバッグを欲しがっているのを小耳にはさんだらしく、とあるブランドの20万円のものを購入するつもりのこと。口座に数万円しか残金がなく、しかも貯蓄もないのに、なぜそんなに身の丈に合わない買い物をしたいのかと思わず私は絶句してしまいました。
それでもしつこく
「母にお礼を買わないといけない!」と言うので、最終的に
「だったら月々のお小遣いをやりくりして貯金して買えばいい、ボーナスに手をつけるなら離婚しましょう」と伝えて、ようやくこの事件は幕を閉じたのでした…。
筋金入りのマザコン夫はその後…
そんなRですが、子どもが生まれてからは実家への執着は影をひそめるようになったのです。一方、今度は愛が転じて私や子どもへあれこれと買おうとするので頭が痛い今日この頃…。
マザコンだからプレゼント… でなく、誰かに何かを贈りたいというのがRの性格だったようです。彼の愛情深さは母親に対してだけではなかったようで、安心のような、散財は止めて欲しいような微妙な気持ちでいっぱいの結婚10年目なのでした。
(ファンファン福岡公式ライター / Amy)