まだ幼い子どもに、「お母さん」ではなく「ママ」と呼ばせる家庭は多いですよね。それと同じで「おばあちゃん」を「バァバ」と呼ばせる人もいると思います。ところが私の義母は「バァバは絶対にダメ!」と面倒な注文をしてきます。それなのに、夫が「ババァ」と呼ぶのはOK。その感覚が未だにわからない、義両親の仰天エピソードをご紹介します。
孫に何と呼ばせる? 義両親から面倒な注文が
娘が、「ママ」「パパ」など、ようやく言葉が出始めた1歳頃のこと。娘を連れて義実家へ帰省しました。
すると突然、義母が
「おじいちゃん、おばあちゃんって呼ばせてね。絶対にジィジ、バァバって教えないでね」と私に真面目な顔で言ってきたんです!
そんな細かい注文をされると思いもよらなかった私は、なぜ「ジィジ」「バァバ」はダメなのか恐る恐る聞いてみました。
すると、
「だって何だかバカにされているみたいじゃない? 私、嫌なのよ。ねぇ、お父さん」と同意を求める義母。もちろん義父も
「そうだな」と一言。
私自身、子どもの頃は、同居していた祖父母のことを「ジィジ」「バァバ」と呼んでいたので、そんなに悪い言葉だったのかと驚いたほどでしたが、元々義両親は古風な考え方で頑固な性格なため、一度言い出したら反論しても納得してくれないだろうな… と思いました。
孫の「バァバ」はNGで、息子の「ババァ」はOKの謎
しかし、私は気づいてしまったのです。
私の夫は、自分の母親(義母)を「ババァ」と呼ぶのです。
「ババァ」と呼ぶことの方が、世間一般からしたら親をバカにしているのでは? と私は疑問が湧きました。
そこで勇気を出して聞いてみたんです。
「ババァは良くて、なぜバァバはダメなんですか?」と。
すると義母は、平然とこう言いました。
「え? だってババァはただのニックネームだもの。かわいい息子がつけてくれたあだ名だから!」
この家の常識が私にとっては非常識過ぎて、頭がパニックになりました。「この家族、ヤバイ…」と心底思った瞬間でした。
大誤算!「おばあちゃん」が言えない孫
しかし、言葉を覚えたての1歳児にとって「おばあちゃん」はなかなかハードルが高く、義母から何度も
「ほら、言ってごらん」と言われるも、なかなか上手く発語ができない娘。義母も目が笑っていないので、とても怖かったです。
それを察してか、いつからか娘は義両親を見るたびに泣くように…。しまいには、声を聴くだけで怖がるようになってしまいました。
義両親も、これにはガッカリ…。夫は
「なぜこんなに優しい両親を怖がるのか?」と納得いかない様子だったのを覚えています。
3年後 謎ルールに娘が鋭いツッコミ!
4歳になった娘は、ようやく義両親の思惑通り「おじいちゃん」「おばあちゃん」が言えるようになりました。
そんなある日、義両親の家を訪れたときのこと。夫がいつものように、義母に向かって
「ババァ、ちょっとそこの飲み物取って!」と言ったのです。
すかさず娘から
「パパ、いけないんだよ! 『ババァ』って使っちゃいけない言葉なんだよ!」と鋭いツッコミが!
というのも、幼稚園でごっこ遊びをしているときに、おばあちゃん役の友達をパパの真似をして「ババァ」と呼んだら、その場に居合わせた先生に悪い言葉だと教えられたというのです。
「おばあちゃんのことは、『ババァ』じゃなくて『バァバ』なんだよ」と言う娘。これには義両親も夫も苦笑い。私は思わず大爆笑してしまいました。
これ以後、娘の前で夫が「ババァ」と呼ぶことはなくなりました。私には未だに「バァバ」と「ババァ」の違いが理解できませんが。
義両親に何を言われても、結局子育てをするのはママです。ママ自身が正しいと思ったことを伝えて行けばいいのだと、心から思った出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター / なないろさん)