夕食時にいつも保育園であったことを話してくれる娘。お休みのお友達情報や大好きな給食の話、運動会の練習など様々なトピックがありますが、基本的には楽しい話題が多い時間です。しかしその日は違っていました。楽しい話から一転、しばらくすると娘がだんだん神妙な面持ちになっていったのです。
友達がYouTuberになるんだって…
いつものように、何気なく食卓で
「今日は保育園で何したの? 楽しかった?」と娘に質問した私。
はじめは
「園庭でおままごとしたんだよ!」
「デザートじゃんけんで勝ってりんご2個食べたよ!」と楽しかったことを話していたのに、
「あっ! でもね…」と、急に何かを思い出し悲しい表情になっていったのです。
「どうしたの? なにがあったか教えてくれる?」と聞いたところ、小さくうなずく娘。
「今日ね、AくんとBくんがYouTuberになるって言ってて悲しかったんだよね」と話し始めました。
誘われなくて悲しかったんだね
どうやらみんなで遊んでいるときに、クラスの男の子たちが
「俺たちYouTuberになる!」と話していたようなのです。YouTuberって本当に人気なんですね。
そうか、誘ってほしかったけど誘われなくて悲しかったんだな、と思った私。
「そうなんだね。(娘)も、一緒にやりたかったよね?」と聞いてみました。
するとブンブンと首を横にふり、予期していない返事が返ってきたのです。
そうじゃないの…
「えっ違うよ。私がやりたいわけじゃない」
「あれ? ちがうの?」てっきり誘われなかったことが悲しかったと思っていた私は訳が分かりません。
「それ以外に理由なんてある?」と混乱しているうちに、娘はどんどん涙目になっていきます。
「それなら何がそんなに悲しかったの?」と再度尋ねてみると…。
「だって、AくんとBくんがYouTuberになったらテレビの中に入るから(娘はテレビでいつもYouTubeを見てる)、もう出てこれなくなるでしょ? そしたら保育園には来れないじゃん? もう遊べなくなるってことなんだよ! なんでわかんないの!」と、訴えてきたのです。
悲しい気持ちと同時に、私に理由が伝わっていないのでプリプリとご立腹です。そういうことか! ようやく理解した私はこの可愛い勘違いが面白くてたまらないのですが、いたって真面目な娘の前で笑い飛ばすわけにはいきません。
「そっか、それは悲しかったね。けどテレビは映像を流しているだけだから、本当にYouTuberになっても会えなくなるわけじゃないよ。保育園だっていつも通り来れるから大丈夫だよ」と話したところ安心したようで、やっと娘にも笑顔が戻りました。
テレビに入るなんて、そんな発想になるんだなぁ…。確かに私も小さいときに、テレビの中は全く別の世界だと思っていたことを思い出しました。画面に身近な人がでてくることは無いから、不思議に思うのも当然ですよね。
落ち着いてから続きを聞くと、保育園でその話を聞いた時に本人たちにも
「YouTuberになったら会えなくなるからやめてー!」と懇願していたそうです。
可愛すぎる感受性を大切にしたい
大人からすれば
「テレビになんて入るわけないじゃーん!」で終わる話も、娘にとっては涙を流すほどの大事件だったようです。まだまだ5歳。ときどき大人びたことを言って驚かされることもありますが、わからない事も理解できない事もたくさんありますよね。
忙しいと、間違っていることは
「そうじゃないよ」で済ませてしまいがちですが、できるだけ感じた気持ちに寄り添ってあげたいなと思う出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/aoyama)