長男が幼稚園に入園して、初めての発表会。母親にとっても、自分の子どもが初めて舞台に立った姿を見るという、一大イベントです。「どんな劇をするのかな、何の役をするのかなぁ~」とわくわく、どきどき。しかしそんな母親の期待を裏切る、発表会となるのでした…。
発表会 劇の演目が決定!
毎年冬に行われる幼稚園の発表会。秋の終わり頃になると、保護者の間で
「今年の発表会の劇、何をするのかな♪」という話題で持ちきりになります。
「あれは一昨年〇〇組がやったよね~」
「〇〇先生は、プリンセス物が好きだよね」等、ママ友同士、結構盛り上がります。
そして、いよいよ演目の発表の日がきました!
幼稚園からの発表会のお知らせプリントを開くと、息子の年少クラスの演目は、「オオカミと七ひきの子ヤギ」でした。
私は演目を見て、ただ「へえ~」と思いました。もう一方の年少クラスの演目は「シンデレラ」だったので、「少し地味だなあ」とは感じました。
ドキドキ うちの子は何の役?!
さて、次に気なるのは、わが子が一体何の役をするのか? ということです。
幼稚園の配役の方法は決まっていて、子ども達は、2つの場面に出場し、2つの違った役をします(例えば、メインのシンデレラ役と、サブのねずみ役というように)。
配役が不公平にならないように配慮された、子どもにも保護者にも優しい、素敵なシステムです。
そして、幼稚園から劇の配役が書かれた紙が配布されました。
ドキドキしながら用紙を見ると、「第2場面ヤギ、第5場面ヤギ」と書かれていました。「えー! 2場面ともヤギ~!!」
ガックリしながらも、よく考えると、演目は「オオカミと七ひきの子ヤギ」。ヤギ役が多くいるのは当然です。「他にもヤギ役を2回する子がたくさんいるのかも」そう思っていると、翌日ママ友からラインが入りました。
「ヤギ役2回は、〇〇君とうちの子と、2人だけみたい! うちの子達、大人しいでしょ。だから先生から『ヤギ2回でもいい?』って聞かれて、『いいよ』って答えたらしいよ。
私達母親も文句言うタイプじゃないでしょ。先生に狙われたよね~、確実に(笑)」
そういうことですか… その日の午後、先生から電話がありました。
「今回は、ヤギ役2回になってしまい、申し訳ありません。同じヤギ役ですが、衣装は違うものを用意しますので、どうか宜しくお願いします」と、とても申し訳なさそうな声でした。
残念ではありましたが、「まあ、衣装を変えてくれるみたいだし、息子も気にしていないし!」と気持ちを切り替えました。
そして発表会、当日!
いよいよ発表会当日。
劇の第1場面は、可愛いドレスを着たヤギのお母さん役の女子達が、歌を歌います。
そして、第2場面。ヤギ役1回目、息子の出番です。どんな衣装かな、とわくわくしていると…
「えーッ!」衣装を見てびっくり。単色の緑のベストを着ているだけでした。七ひき、それぞれベストの色が違うだけだったのです…。
ご想像通り、2回目のヤギ役での場面では、ベストの色が変わっただけでした。
ベストの色が違うだけならば、先生もわざわざ電話で
「違う衣装を用意します」と、伝える必要はなかったのではと思ってがっかりしてしまいました。
とは言え、一生懸命頑張る息子の姿は、とっても可愛らしく、素敵な発表会でした 。息子自身も
「オオカミに食べられるところ、楽しかった~♪」と喜んでいたのは何よりです。しかし、母親の私の心には、配役、衣装に対して、不満が残る発表会となったのでした…。
(ファンファン福岡公式ライター / やすさき きょうこ)