私は自転車で息子の保育園の送迎をしていました。しかし下の子が産まれ、徒歩での送迎という選択肢しか無くなり…。「遠いのに、ごめんね」と謝ると、2歳の息子がほっこりする言葉をかけてくれたのです。
保育園への送迎問題
わが家から保育園までは、大人の足で徒歩で20分弱かかります。妊娠中から、夫婦で保育園の送迎について何度も話し合ってきました。有力な案は2つ。
1. 上の子はベビーカー、下の子は抱っこ紐
2. 車をもう1台購入する
結果的に、2. は私がペーパードライバーであり、経済的にも厳しいので、1.となりました。朝は、ありがたいことに主人が保育園まで送ってくれることになりました。
徒歩で初めてのお迎え
徒歩でのお迎え初日。保育園へ着くなり、息子が私に駆け寄ってきて
「今日はじてんしゃ?」と聞いてきました。
今までそんなこと言ったこと無いのに… こういう時は変な勘が働くようです。息子の反応にドキドキしながら
「自転車じゃないんだ。ベビーカーに乗ってお家まで帰ろう!」明るく伝えました。
ところが絶賛イヤイヤ期の息子。反応は分かっていました。
「やだあああ~! ベビーカー乗りたくない!」と大泣き。季節は真冬の2月。大人でも外に出るのが億劫になる季節です。少しでも早く帰宅するため、どうにか説得してベビーカーに乗ってもらいました。
途中で何度も
「降りたいっ!」と駄々をこねる息子をなだめながら、30分かけて帰宅。「毎日こんな感じのお迎えになるのか」と、考えただけでどっと疲れました。同時に、車があり、私も運転が出来ればこんな寒い思いをさせずに、すぐに帰宅できるのに… と申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
思い切ってベビーカーをやめることに
ある日、毎日続く“ベビーカー拒否”に疲れ果てた私は、思い切ってベビーカーをやめてみることにしました。つまり2歳児と手を繋いで家まで帰る選択をしたということです。
「そんな大袈裟な」と思われるかもしれませんが、息子はスーパーで迷子になるくらい走り回るので、とても不安でした。息子に
「今日からママと手を繋いでお家まで帰ろう」とドキドキしながら伝えました。すると
「やった~! ママとおててつなげる!」と笑顔で大喜びしたのです。
意外な反応に驚きながら、保育園を後にしました。手を繋いで歩いていると
「あっ! 飛行機がとんでる」
「ワンワンかわいいね」と息子は沢山話してくれました。ベビーカーの時は一言も無く、ただ悲しそうに乗っていただけなのに…。
続けて
「ママ、さむいね」と言ってきたので
「寒いよね。家まで遠いのに、ごめんね」と謝りました。
すると
「ママとおててつないで歩くのだいすき!」と一言。
「あっ… そういえば下の子が産まれてから、手を繋いで歩くことってほとんどなかったな」と思い、息子の言葉にほっこりしました。
家に到着するまでの約40分間、息子は知っている単語を目一杯使ってたくさん話をしてくれました。ベビーカーの時よりも時間がかかったはずなのに、とても幸せな気持ちでした。
マイナスではなかった!
私は、てっきり息子にとって長時間歩くことは「マイナス」だと思っていました。しかし、発語の発達がゆっくりだった息子は、毎日の送迎の中で話せる単語が驚くほど増え、意外にも「プラス」になるのだと分かりました。
今では下の子も一緒に自転車に乗れる年齢になったのですが、たまには子どもたちと手を繋いで帰ってみようと思います。
(ファンファン福岡公式ライター / onoeri)