おしゃべりも歩くのも上手になってきたかわいい盛りの2歳の娘がよく使う言葉「もったいる」。やがて、日常会話の中だけではなく、作詞作曲「もったいる」ソングまで登場! 「もったいる」って一体何のことなのでしょうか。
娘とのリア充ライフからドタバタ生活へ突入
娘は生まれた時からすでにしっかりしていて、本当に何の手もかからない子でした。ずっとご機嫌でぐずることはなく、先輩ママから
「子どもを持つと行動が制限されるよ~!」と聞かされ覚悟していた私は、肩すかしを食らわされた感覚で、娘との生活を楽しんでいました。娘を連れて、レストラン、職場、旅行など様々なところへ出かけました。息子が生まれるまでは…。
娘が2歳の時に息子が生まれました。とにかくよく泣く子で… 泣いたら最後、誰が何をしても泣き止みません。頻繁にくる授乳タイムと、小さな体からよくそんな大きな声がでるものだと感心するほどのシャウト系の朝泣き、昼泣き、夜泣きで、私の体重は8kg落ち、人生初めてのぎっくり腰を経験したのもこの頃でした。
娘自作ソング
ある日、激しい夜泣きでほとんど睡眠時間がとれていない日が続き、疲労がピークに近づいているところに、また息子が泣き始めました。私が途方に暮れていると、娘がニコニコしながら駆け寄ってきて、いつものように弟の胸をトントンしながら優しく歌い始めました。
「もったいる~ もったいる~ ○○くんは~ もったいる~♪」
弟が泣く度にそれを繰り返すお姉ちゃん。いつもは私が何をしてもすぐには泣き止まない息子が、なぜかお姉ちゃんのこの歌を聴くと、キョトンとした顔をし、泣き止むようになりました。それからというもの、息子が泣くと、誰かが娘のオリジナルソング「もったいる」を歌って、息子をあやすことが恒例となりました。
「もったいる~ もったいる~ ○○くんは~ もったいる~♪」
イチゴを食べられる事件
「もったいる」の意味はわからないけれど、何かの言い間違いかなと特に気にもしていなかったある日、夕食が終わり、デザートに差し掛かった時のこと。娘が誤って大好物のイチゴをお皿ごと床へ落とし、そこへすかさず走ってきた大型の室内犬が猛スピードでイチゴを全部食べてしまうという事件が起きました。
今にも泣き出しそうな娘に
「あ~あ。イチゴ、もったいなかったね。また買ってあげるね!」と笑顔で言う私に、
「ちがう! もったいるの!」と涙目で訴える彼女。そして、
「イチゴもったいるからちょーだい! もったいるなの!」と走って逃げ去る犬を追いかけ回していました。
「もったいる」の本当の意味
娘は、「もったいる」を「もったいない」の反対の意味として使っていたんです。2歳の幼い心で「もったいない」を「大切ではない」と解釈し、その反対の意味で「もったいる」を使っていたんです。「とても大切」という意味で…。
イチゴを食べた犬に
「イチゴはとても大切だから返して! 大切なの!」と泣いて追いかけ、いつも泣いている弟に
「とても大切 とても大切 ○○くんは とても大切♪」と歌ってあげていた娘。私はそのことに初めて気が付き、胸が熱くなりました。
もうすぐ12歳になる娘は、あのときイチゴを食べた大型犬よりも大きく成長し、ミュージカル俳優という夢に向かって歩みはじめています。これからも私の「もったいる」2人の子どもたちと楽しい毎日を過ごしていきたいなと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/原田らむね)