新型コロナウイルスのワクチンの副反応で高熱が出て苦しんでいると、いつの間にか枕元にお手紙が。それは娘が書いた絵のお手紙でした。いつもは何を言ってもツンツンしてプチ反抗期の娘。弱っている母に見せた娘の優しさが身に染みたお話です。
娘プチ反抗期
私は新型コロナウイルスのワクチンの副反応が強い方でした。1回目の時には微熱と頭痛、体がだるくなり一日動けないような状態でした。1回目の副反応が軽くなかったこともあり、2回目はどうなるんだろうと受ける前からドキドキしていました。
2回目のワクチン接種の後、夜にはすでに悪寒を感じ始めました。そして翌日の朝、熱を計ると37℃前半。少し頭痛がする程度でした。思っていたほどなかったなと思いながらも、これから重くなることに備えて家事を朝のうちに頑張って進めます。日曜だったため夫や子どもも家におり、掃除機かけながら
「どいてー」というと、机の上でお絵描きしていた6歳になる娘は
「はっ? なんでどかなきゃいけないの?」とイライラした顔で反発。
娘はお絵描きが大好きで、幼稚園から帰ってきても休日も一日中絵を書いています。オリジナルのキャラクターでお話を書いてみたり3歳の弟と遊んでいる絵を書いたり。
そしてプチ反抗期なのか、ちょっと注意しただけでいつもケンカ腰で反発してきます。注意されたり上手くいかないことがあったりするとすぐに怒り出し、いつもそれで私とバトルが始まります。
その時もお絵描きを中断されて反発してきました。ですが私はバトルする余裕もなく
「はいはい…」と相手にせず、娘の怒りをスルーして掃除を進めました。
副反応がピークに
お昼ご飯を食べた後くらいから本格的に熱が出始めました。38℃後半の熱で頭がボーっとなるし、お腹まで調子が悪くなり何度もトイレに行ったり。あっという間に立てなくなり座るのもきつくなり、私は2階の自分の寝室で横になっていました。
子どもの相手もきつくて、1階にいる子どもから隠れるように2階で寝ていました。それでも
「お母さん見てみてー」と娘は描いた絵を持ってきたり、息子はブロックで作ったものを見せに来ます。
「ごめん、お母さん熱があってきついから寝かせて…」とお願いすると娘はまだ遊びたいような顔をしながらも理解してくれたようで来なくなりました。そして1階から
「お母さんきつくて寝てるから行っちゃダメだよ!」という声が聞こえてきます。娘が弟を止めてくれているようです。
子どもが来なくなったので落ち着きましたが、高熱と吐き気でうなりながら横になっているといつの間にか寝てしまいました。
娘からの贈りもの
夕方くらいにふっと目を覚ますと、まだ熱で頭はボーっとしていたのですが枕の横に絵が描かれた折り紙に気付きました。娘が描いたものです。
水を飲みに1階に行き、娘に
「お手紙ありがとう」と言うと娘は満面の笑みで
「お母さんきつそうだったからね、がんばれって絵を書いたよ!」
絵の内容は、赤い服の女の子が野原の上でカラフルな鳥たちと遊んでいる絵です。お母さんを描いたわけでもなく、がんばれ! とも書いてありませんでしたが、見ただけで元気になるような絵でした。
いつもは何を言ってもつんつんして日に何度もぶつかることが多い娘ですが、私が寝込んでるのを見て優しいお手紙を書いてくれました。熱も出て頭痛、吐き気に苦しんだ副反応でしたが、おかげでいつもは怒ってばかりで気付けない娘の優しさに気付けた嬉しい出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/なかむらまる)