なんでも知りたがるお年頃の6歳の娘。結婚したら違う家に住まなきゃいけないと聞き、家を離れたくない娘が選んだ結婚相手は…? なんとか家にいる方法を言い訳しながら考える様子に癒されたお話です。
家を出たくなくて必死な娘
普段からニュースや絵本で読んだことを私に質問してくる6歳の娘。
「なんでお月様の形は変わるの?」
「サンタさんは本当にいるの?」
子どもの分かる言葉で説明するのは難しいですが、娘の好奇心に応えてあげたくて頭を悩ませながら説明しています。
ある日、私の苗字が昔と今は違うという話から結婚の話になり
「(一般的には)結婚したらパパママのおうちから離れて、別の家で住むんだよー」と教えました。
一人で夜寝ることもまだまだ出来ない6歳の娘にとっては、パパママと離れて生活するなんて考えたこともなくびっくりしたようで、
「え!」と固まってしまいました。そして隣にいた弟を見て慌てて
「じゃあ私はたーくん(弟)と結婚する! ねー、たーくん」と必死になって言い始めました。
3歳の弟はお姉ちゃん大好きで、素直でまだ反抗的なことはなく、いつもお姉ちゃんには従順です。最近は少しずつ自我が出てきて、仲良しの時間が半分、ケンカ半分というところです。
その時もさっきまでおもちゃの取り合いをしていましたが、お姉ちゃんに
「結婚しよ!」と迫られると弟は
「うん! いいよ!」と満面の笑みでお返事。
娘も満足そうな表情で
「ねー。みい(娘)とたーくんは一緒に結婚するんだもんねー。ずーっと一緒だもんねー。」と二人でぎゅーっと抱き合ったり、手をつないで遊び始めました。
「お父さんと結婚する!」も言ったことなかったのになと思いながら、二人の楽しそうな様子がかわいくて、姉弟では結婚出来ないということはあえて黙っておくことに。
弟と結婚するため、姉の洗脳作戦
その後も娘は思い出したように時々
「たーくんと結婚するもん。ねー、たーくん!」と言い続けています。
しかも
「結婚したらアイス買ってあげるからね」とか
「私のおもちゃも使っていいし絵本も読んでいいよ!」と賄賂までばらまいて。
弟が
「うん、いいよ!」と返事するまで自分と一緒に住むメリットを並べたてて
「おやつも毎日あげるしー、お姉ちゃんとずっと一緒にいられるよ!」と洗脳する作戦のようです。
私がちょっと意地悪して
「結婚しなくても、大学生になったら一人暮らしして家を出るんだよ」と話すと
「じゃあたーくんと一緒の学校に行って一緒に住むもん」とさも当然のように返す娘。
しかも
「お母さんはたまになら遊びに来ていいよ」と余裕の表情で親はいらない宣言をされて返り討ちに…。
弟と本気で結婚すると思って
「おしゃれな部屋にしてー、お花もあるといいよねー」とか、
「片付けも二人でちゃんとするんだよ。たーくんいつも散らかすからね」と二人での生活を妄想している話は、聞いいて冗談のようですが本人たちはいたって真面目に考えています。
姉の
「結婚しよ!」弟の
「うん、いいよ!」から、二人での理想の生活のおままごとをして遊び始めると、また始まった… と内心思いますが、これも今だけしか見られない光景なんだろうなと思います。
二人が大きくなったらどんな姉弟関係になるのか今は分かりませんが、願わくばいつまでも関わりあって、助け合える関係でいてほしいなと思います。
そして、二人が大きくなった時に姉弟で結婚する! と言っていたこの話をするのが私の密かな楽しみです。
(ファンファン福岡公式ライター/なかむらまる)