クラブ新記録となるJ1リーグ6連勝を達成するなど、好調なアビスパ福岡。立役者の一人である田邉草民選手に、リーグ後半戦の意気込みなどをリモート取材で聞きました。 取材/川添道子
目標の10位以内を達成するために、後半戦が本当の勝負です!
―昨季終盤はサイドハーフ、今季は本職のボランチとしてレギュラーを奪取。これまで田邉選手の活躍が目立ちます。何が変わったのでしょう? 空いたスペースを埋めるようなポジショニングや守備に対する意識、そしてプレッシングの強度は、今までの自分に足りなかったところだと思うので、そこを改善するように取り組んでいます。 また、同じボランチのポジションの前(寛之)選手から学ぶことも多いですね。彼は同じボランチでも、僕とはスタイルというか感覚が違っていて、彼の動きを自身のスタイルに取り入れてみたら、プレーがしやすくなりました。 ―今季は攻守ともに、いわゆる“泥臭い”プレーが増えたように感じます。 そのように言われることがありますが、一つ一つのプレーに対する意識は変わっていないです。これまでより「球ぎわを激しくいこう」とか「当たっていこう」とかは、特に思っていないんですよ。ただ、そう見えているのは(プレッシングの)強度が上がったせいかもしれません。
―体も大きくなったような…? う〜ん、どうだろう? 体重自体はそれほど変わっていないんですが、筋トレは以前よりするようになりました。
―ボランチというポシションの面白さは? ボランチは布陣の真ん中にいるので、ボールに触る回数も多く、ゲームを組み立てていく楽しさがあります。攻撃と守備、どんな状況下でもボールに近い場所でプレーできるのが魅力ですね。 ―注目してほしいのはどんなプレーですか。 やっぱりボールを持った時のプレーを見てほしいですね。パスやドリブルで、ボランチとしてチームに良いリズムを与えられるようなプレーを心がけています。
―福岡生活が3年目に入りました。お気に入りの場所は? 大濠公園にはよく行きます。行くと、気持ちが落ち着くんです。愛犬「ごん」と一緒に散歩することが多いんですが、連戦が続いていたので、しらばく実家(東京)で預かってもらっています。でも、もう少ししたら戻ってくるんですよ! 早く会いたいですね。
―普段のリラックス法を教えてください。 最近は部屋で過ごすことが多く、ゆっくり本を読んだりパソコンを扱ったりする時間が増えています。本を読むのは好きなので、読書はいい気分転換になっていますね。 ―どのような本を読みますか? おすすめなどあれば。 小説だったり自伝だったり、特にジャンルにはこだわらず、書店で興味をそそる本があれば手に取るような感じです。 おすすめはたくさんありますよ! これまでで一番好きな作品は、西加奈子さんの「サラバ!」です。小説だと、何か事件が起きるようなミステリーよりも、日常を書いた作品が好きです。
―アビスパ所属だけでなく、他クラブに所属する選手のSNSやYouTube等で、田邉選手の名前をよく見かけます。交友関係は広い方? 特別に広くはないと思います(笑)。でも、先輩後輩を問わず、いじったりいじられたりするのは好きな方なので、つながりがある選手とは何かしらコミュニケーションは取っています。 FC東京時代に一緒だった大竹洋平選手(V・ファーレン長崎)とは、今でも仲が良いので、一緒にインスタライブをしたり、彼のYouTube企画に参加したりしたこともあります。本当にたわいもない話題ばかりですが、見ている皆さんが楽しんでくれていたらうれしいですね。
―今季後半戦の意気込みを。 目標としているリーグ戦10位以内をキープしながら、1点でも多くの勝ち点を積み上げて、さらに上の順位を目指したいです。ただ、最近は相手チームに研究されてきて、やりたいことが思うようにできない難しい試合も増えているので、チームとしても個人としても相手の対策のさらに上をいくプレーをしていかなければと実感しています。後半戦、これからが本当の勝負です!
―ファン・読者へメッセージを。 いつも熱い応援、ありがとうございます。目標の10位以内を達成できるように、後半戦もチーム一丸となって頑張りますので、変わらぬ声援をよろしくお願いします。まだまだコロナ禍の大変な状況は続きますが、1日でも早く状況が良くなり、収容人数の制限もなく、たくさんの方がスタジアムに足を運んでもらえる日を待っています。
たなべ・そうたん
1990年4月6日生まれ、東京都出身。175cm・68kg。国学院久我山高→FC東京→CEサバデル(スペイン)→FC東京
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