綿密に計画を立てた旅行でも、同行者の突拍子のない行動で台無しになってしまうことがあります。私たちの家族旅行も舅が一騒動を起こして大変なことに。今回は、楽しいはずの旅行が舅の行動でめちゃくちゃになった出来事をお話しします。
義両親と赤ちゃんと初旅行
息子が生まれて4カ月。息抜きしたいなあと考え、家族旅行を思いつきました。舅と姑を誘うと、孫との初旅行に大喜び。
夫の両親とは一緒に旅行したことがなかったのですが、家が近いこともあって、行き来は頻繁です。舅は息子をよくあやしてくれる朗らかな人ですし、姑は面倒見がいい人。何の心配もありませんでした。
ただ、夫は
「父さんたまに空気読まないからな…」と不安そうな様子。
夫の懸念も考え、車で2時間弱の温泉地へ行くことに。赤ちゃん歓迎の宿を選び、温泉につかって美味しいものを食べるだけののんびり旅にしました。
夫が舅に電話し、
「11時に行くから準備しておいて」と伝えます。
しかし当日、迎えに行っても舅と姑は準備を終えていませんでした。舅は
「出発時間って午後1時じゃなかったの!?」と驚いた様子。姑は
「また聞き間違え?」と呆れています。聞けば、舅は待ち合わせ時間を間違えて遅刻することが度々あったようです。
空気を読まない舅
慌てて準備し、出発。昼食は高速のパーキングで取るつもりだったのですが、混雑していたため、軽食を買って車内で食べることに。
舅が
「旅行なのに味気ないなあ」と呟きます。予定通り11時に出発していれば席があったのに…。姑や夫も同じように考えていたのか、怒りを噛み殺した無言の車内は険悪ムード。
車が温泉地に入った頃、舅がそわそわした様子で口を開きます。
「そういえば観光は? どこか寄るんだろ?」
舅にも「赤ちゃん連れだから観光の予定はない」と伝えていたはず。夫がキレ気味に
「宿に行くだけだよ」と伝えます。すると舅は
「えー!? どこか寄ろう!」と騒ぎ始めました。
舅が大声でまくし立てたため、大人しく寝てくれていた息子が目を覚ましてしまいます。姑が
「行きたければお父さん1人で行きな!」と場をおさめてくれましたが、皆が苛立ちを抱えて宿に到着。
チェックイン後、舅は
「せっかくだから観光してくる~」と、1人で楽しそうに出かけていきました。
私たちは
「赤ちゃんより子どもっぽいね」と呆れつつ、楽しみに来たのだからと気持ちを切り替え、温泉や夕食を楽しむことにしました。
極め付きの迷子騒動
源泉かけ流しの露天風呂に浸かったり、風光明媚な館内の日本庭園を散策したりして、あっというまに夕食の時間。
ところが、舅がまだ帰っておらず、携帯を鳴らしても応答なし。
料理は部屋に運んでもらいましたが、心配はつのり、食事を楽しめる状況ではありません。旅館の方も
「山道に入ってしまうと、灯りがなくて迷いやすいんです」と不安そうです。
1時間ほど過ぎたころ、舅が
「夕食始まってたの? おいしそうだな~」と、のんきな様子で帰ってきました。
夫は激怒し、姑は心配をかけた旅館の方に平謝り。普段大人しい息子も険悪な空気を察してギャン泣きし、私はあやすのに精一杯。舅が
「なんか迷惑かけちゃった? ごめんな?」と、何が悪いのか理解していない様子だったため、火に油を注ぎました。
癒されるはずが、疲れ切った家族旅行。旅館で撮った写真の中で、満面の笑みを浮かべる舅を見るたびにモヤモヤします。舅は空気が読めないだけで悪い人ではありませんが、一緒に旅行するのは二度と御免です。
(ファンファン福岡公式ライター/芦谷)