男と女が一つ屋根の下で過ごせば、起こることは決まっています。でも、まさかあの夫が…。しかも寝たきりとはいえ、自らの母がいる家で起ころうとは。驚愕の体験談を聞いてください。
始まりは在宅勤務から
義母は介護が必要な為、わが家には毎日ヘルパーさんが来ています。気に入った人でなければ一切を無視する気難しい義母は、触ろうとすると無言で手を払いのけ介助を拒否するので、ヘルパーさんも私たちも困っていました。
そんな折に夫がコロナ禍で仕事が在宅勤務になり、「義母のわがままも少し和らぐかな」と淡い期待もしたものです。在宅勤務が半年ほど経つと、夫が急に
「母さんが気に入っているヘルパーさんもいつ辞めるかわからない。専属契約したらどうか?」と言いました。確かに急に担当が変わってしまうのは義母も私たちも困ると、了承しました。
これが悪夢の始まりだったのです…。
好印象のヘルパーさん
夫の勧めで契約したヘルパーさんは、25歳とまだ若いHという名前の女の子でした。髪の毛は茶色く染めていましたが、薄めの化粧が好印象の彼女はいつも一生懸命で義母も喜んでいました。
Hは優しく丁寧で、普通の人が嫌がるような仕事も笑顔を忘れず、接してくれました。その姿勢に尊敬の気持ちが芽生えたほどです。しかし、しばらくすると義母がこんなことを言い出し始めました。
「このボタン、壊れているんじゃないかねぇ?」それは在宅用のナースコールでした。
「Hが2階に上がった時に押すんじゃが、気づいてくれないんよ…」
ヘルパーさんが2階に上がる? わが家の2階は、夫の仕事部屋とその隣にある夫婦の寝室しかありません。嫌な予感を胸に抱いた私は、寝室へ行き床をくまなく見ていました。するとあったのです…。短く髪を切っている私からは出ようのない、長い、しかも茶色の毛髪が!
予感が確信に変わった私は、ある行動に
3日後、私は仕事に行くふりをして寝室のクローゼットの中に隠れました。仕事部屋でオンライン会議をしている夫は、まるで気づかなかったようでした。
午後2時頃。「ギシ、ギシ」と大きな音を立てないように注意深く階段を登ってくる音が聞こえました。
「お母さん、寝ました」とH。それに応えて
「もうそんな時間か」といういつもより低めの夫の声が聞こえ、やがて2人が寝室に入ってきました。
その後は、ここに書くことも憚れるような痴態が目の前に広がりました。
スマートフォンで一部始終を撮り終えると、「ピー、ピー、ピー」とナースコールの音。癖になっていたのでしょう、
「はーい! お母さん、今行きますね!」と私は瞬間的に反応していました。そして、クローゼットの扉を開け義母の元へ。夫は、何か言おうと金魚のように口をパクパクし、Hは凍りついていました。
下に降りると義母は
「あら、帰ってたの? Hさんはどこかしら??」と聞くので、
「夫と2人で寝室で寝ていますわ」と答えました。「?」を浮かべる義母を尻目に2人は着の身着のまま降りてきて、夫がわざとらしく業務感を出しながらHを帰らせました。
思いもよらなかった義母の気持ち
私はその後、義母の前で夫の口から洗いざらいを吐き出させました。
すると、義母は
「あなたが出ていきなさい。私は、この人に看取ってもらいたいんです。私のことを一番親身に考えてくれているのは、息子のあなたではないわ。遺産は彼女に渡します。だから、離婚することも許しません」と夫に言い渡しました。
それからというもの、私は義母と2人で穏やかに暮らしています。
(ファンファン福岡公式ライター/Hoshi.ma.k.a東京ビッグブッダ)