出産前、私は優しく穏やかに授乳をするママの姿を想像していました。でも私の娘は授乳をしてはマーライオンのように吐く日々。想像とはかけ離れた、過酷な授乳ライフをご紹介します。
甘く見ていた溢乳
溢乳(いつにゅう)とは授乳後に赤ちゃんの口から少量の乳が吐き出される現象です。 産まれたばかりの娘は乳の吐き戻しの量が多く、体重が減ってしまったのが問題でした。主治医から「自宅で様子を見て、体重の減少が体重の10%(3,000gなら300g)を超えたら、必ず病院に連れてきてください」と言われました。 中々母乳やミルクが飲めない娘は元気がなくなり、体重も減ってしまい生後10日で再入院になりました。 特に大きな問題はありませんでしたが、哺乳力の弱さと溢乳しやすい体質が重なり、余計に飲めなくなってしまったそうです。結局1週間ほどで退院となりました。
マーライオンを防げ! 授乳する私の顔は…
退院時に指導された事は3つ。 1. 1回の授乳量は少なめに回数を増やし、全体の授乳量を減らさない 2. 授乳後はげっぷさせる 3. 授乳後はしばらく抱っこをする 自宅に戻ると、過酷な授乳ライフが待ち受けていました。 授乳時はほんの少しでも頭が下がると大量に吐くので、抱っこの角度は常に45度を維持しなくてはなりません。背中から頭を抱える腕の下にクッションを重ね、さらに折ったタオルを入れて頭の角度が45度になるよう微調整が必須でした。 授乳中は吐きそうな様子があれば与えるのをやめ、げっぷをさせたりと、臨機応変に対応しないといけません。そのため常に娘の様子を観察する必要があり、私は物凄く険しい顔をしていました。 げっぷを上手にしてくれる時は良いのですが、げっぷとともに乳を吐き出すことも。吐いた瞬間に娘の服はベタベタ、即着替えです。あまり洗濯の多さに服がなくなるという事態に。なるべく汚さないよう、娘の首周りは常にタオルでぐるぐる巻き。その姿は小さなミイラのようでした。 授乳後も、垂直にして抱っこし続けなければならず、時にはうたた寝をしてしまうこともありました。 1時間かけて授乳が終わるとようやく私の休憩タイムですが、2時間後には再び授乳が始まります。 主人も吐かせる事の不安が強く、中々授乳を代わってもらえませんでした。休む間もなく、ひたすら授乳をするためだけに生活する日々で、授乳のことしか覚えていません。
育児は未知数。想像もしない経験
超過酷な授乳ライフの終わりを告げたのは、約2カ月後。 娘の成長に伴い哺乳力や弁の機能が強くなり、乳を吐いても量は少なくなり、回数も減ってきました。それに伴って体重も増えだし、1回に飲ませられる量も増えてきました。 授乳時間が短くなったことで自分の時間も取れるようになり、溢乳が減ったことで、娘はミイラ姿を卒業。ぐるぐる巻きのタオルは可愛いスタイに変わり、服のおしゃれも楽しめるようになりました。 当時は本当に辛くて、「何でこんなに大変なんだろう…」と授乳しながら泣きそうになることも。それでも今振り返ると、あの時小さい娘をいっぱい抱っこしてあげられて良かった、大変だったけど良い思い出だったと思えます。 育児は大変でも、子どもは成長して手が離れてしまいます。いつか笑い話になる日が来るかもしれません。だからこそ今、育児を頑張るお母様に、こんな経験をした人もいるのだと笑ってもらえたり、参考にしてもらえたりしたら嬉しいです。 (ファンファン福岡公式ライター/アサ)
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