手足口病は子どもの病気です。しかし、まれに大人も感染し、子どもより重症化するとか…。わが家の夫も息子から感染し、長引きました。今回は、侮れない大人の手足口病と、感染予防のために行ったことを紹介します。
息子は軽い症状
梅雨明け頃のことです。夜眠る直前、年中の息子がしきりに手を掻き始めました。
「かゆい!」そう言って見せてくれた手のひらには水泡がポツポツ。
幼稚園では手足口病が流行っていると言われていたため、もしかして? と疑いました。熱はないものの、急患へ行くべきか迷っているうちに息子は眠ってしまいます。
翌朝、手のひらや足の裏にも赤いポツポツが。幼稚園を休み、病院へ行くことにしました。かかりつけの小児科があいにくの定休日で、一番近い皮膚科に電話し、手足口病の疑いを伝えると、診断結果はやはり手足口病でした。
ウイルスに有効な薬はないそうで、痒み止めや発疹をおさえる塗り薬をもらって帰宅。痒みはもうほとんどないようで、熱も出ません。
幼稚園に連絡し、手足口病と診断されたことを伝えると、
「熱が下がっていれば、発疹があっても登園して平気ですよ」とのこと。発疹はすぐに目立たなくなりましたが、念のため土日を含めて幼稚園を1週間お休みしました。
息子は、食欲も元気も普段通りなので、家にいる時間を持て余し気味。
「ママ~! 遊ぼ!!」と、戦隊ごっこやブロック遊びに延々と誘われるので、私はぐったり…。
なんとか週明け息子は無事登園でき、ようやく一段落! ほっと一息ついたのも束の間、朝は元気に出社した夫が、帰宅時に発熱していたのです。風邪? と思いきや、夫の手のひらには息子とよく似た水泡ができていました。
重症化した夫はベッドの住人に
夫の熱は下がる気配がなく、夜中に39度まで上がりました。大人にはつらい高熱に加え、下痢などお腹の症状も。
別の病気ではないかと疑いましたが、痒みを伴うポツポツもおさまりません。
翌日、夫の熱は38度まで下がったため、解熱剤を飲んでかかりつけの内科へ。内科で夫は
「息子が手足口病だ」と伝えました。しかし、手足口病は検査方法がなく、症状のみで診断するそうです。夫の場合、発疹よりも熱症状が強くてはっきりと診断できないため、風邪薬のみ処方となりました。
「絶対手足口病なんだけどな~」
夫はぼやきながら、力なくベッドに横たわっています。おさまらない手の痒みは、子どもが使わなくなった塗り薬の残りを使って耐えるしかありません。
発熱して3日目、夫は平熱に戻りましたが、手の痒みが残ったまま。息子が診てもらった皮膚科を受診し、処方された塗り薬を使って、1週間ほどで症状がおさまりました。
予防方法は、とにかく触れないこと
長引いた家庭内の手足口病ですが、看病していた私には感染しませんでした。夫のみが感染した理由はハッキリしませんが、子どもの残した飲み物に口をつけていたことが原因ではないかと思います。
私はとにかく「触れない」「触れたら手洗い消毒」を心がけていました。
使用済みの食器は手袋を付けて洗い、着ていた服は別にして洗濯します。息子や夫が出したゴミは口をしっかりと縛り、トイレやお風呂などは頻繁に消毒していました。
現在、息子は小学生のため、手足口病をもらってくる可能性は少ないでしょう。しかし、防ぎきれないウイルス感染症という意味では、手足口病と新型コロナウイルス感染症は似ているかもしれません。
さまざまなウイルスから身を守れるよう、これからも気を引き締めて過ごしていきたいです。
(ファンファン福岡公式ライター/芦谷)