私の義母は、私からすると何を考えているかわからない、おっとりとした性格です。胸下まであるロングヘアですが、つやのあるサラサラした髪の毛ではなく、パサついたような感じ…。自分の好きなヘアスタイルを楽しむことは自由だと思いますが「ここまでこだわるか…!」と衝撃を受けた出来事がありました。
最初の違和感
1人目の妊娠は、すべてが初めての経験。仕事をしながらつわりを乗り越え、常に不安と緊張の中で、帝王切開で出産をしました。無事に出産できた喜びはありましたが、とにかく何をするにも痛くて、しんどくて…。
旦那は子どもをとてもかわいがり、面会に来ては、授乳以外のできることをしてくれました。ですが、私だけが痛くて、ゆっくり寝られない、つらい… という気持ちが大きくなり、次第に「私がしんどい思いをして産んだ子どもを触って欲しくない」と思い、他人が子どもを抱っこしているだけで、嫌悪感を抱くようになっていました。今思えば、ガルガル期だったのだと思います。
そんな中、義両親が子どもに会いに来てくれました。そこで、義母はロングヘアを束ねることなく抱っこしたのです。髪の毛が子どもに当たるのは本当に嫌だったので、事前に旦那から義母に
「髪の毛を束ねてきてほしい」とお願いしてもらっていたのに…。しかも、ヘアゴムは持参しているのに、束ねてくれなかったのです。ガルガル期もあり、すごくイライラして、そこまで束ねない意味がわかりませんでした。
私から注意できる関係性ではなかったので、旦那が再三、髪を束ねるように注意をしてくれましたが、義母は聞こえているのにスルーしていました…。以降、毎月子どもに会いに来ましたが、髪の毛を束ねることはありませんでした。何度伝えても束ねないので、私も旦那も呆れていました。
義母のこだわり
子どもが10カ月になって、お座りができるようになった頃。義両親と一緒に旅行へ行くことになりました。行き先はテーマパークのプールです。待ち合わせてすぐ、義母は子どもを抱っこしてくれましたが、もちろん髪の毛を束ねていないので、子どもに引っ張られます。しかし、引っ張られる事さえも楽しんでいるような義母でした。
私は2人目を妊娠中だったので、プールには入らず見守っていました。しかし泳ぐ最中も義母は髪の毛を束ねません。肩がつかるくらいの深さのあるプールだったので、髪の毛がぷかぷか浮いている状態。私は、さすがにプールでは束ねると思っていたので、衝撃を受けると同時に、「ここでも束ねないなら、子どもを抱っこするくらいでは束ねないか…」と変に納得しました。
他にも、食事や温泉のときも束ねていなかったので「束ねるヘアスタイルが好きではないのか? 長年の習慣を、息子や嫁に言われたくらいでは、変えられないか…」と重ねて衝撃を受けたのでした。
その後の義母
私は3人出産をしましたが、孫を抱っこするときはもちろん、ついに一度も義母が髪を束ねた姿を見たことはありません。
プールの一件以降、私の中で諦めがついたので、束ねるようにお願いすることもなくなりました。また、ガルガル期も落ち着いたのと、育児が忙しくて、それくらいのことを気にする余裕がなくなったのもあると思います。孫も気にならないようですし、今思えば、私が気にしすぎだったのでしょうか…。
ヘアスタイルは自由にすればいいと思いますが、人に不快感を与えないように気をつけようと思った出来事です。いつかこの話を、私から義母に話せるような関係性になれる日が来たらいいなと思っています。
(ファンファン福岡公式ライター / しろまんじゅう)