「双子の出産は帝王切開」という病院の方針で、出産予定日の前日から人生初の入院をした私。子ども達が無事に産まれて幸せ絶頂! のはずが、まさかのメンタル崩壊へ…。当時の様子と、いつもの自分を取り戻した方法について振り返ってみたいと思います。
真面目な性格が災い!? 自分で自分の首を絞めるハメに
双子を帝王切開で無事出産し終わった夜、猛烈な脚と腕の痒みで目が覚めました。看護師さんが「ホルモンバランスが乱れているのかも」と、痒み止めをくれましたが即効性はなく… 手術後の麻酔も切れて帝王切開の切り口がズキズキと痛み出す始末。私は脚と腕にできた蕁麻疹による痒みと傷口の痛みに悶絶し、全く眠れないまま朝を迎えました。
そして翌日からは母子同室の始まりです。初めて腕の中に抱いた赤ちゃんは、すぐ壊れてしまいそうなぐらい小さく、信じられないほど可愛かったです。「ミルクをあげる→ オムツを替える→ 寝かす→ 母乳を絞る」このルーティーンをひたすら繰り返すだけなのですが、赤ちゃんは2時間おきに起きてくるのでフル回転。双子ともなれば仕事量は2倍です。
「無理だったら代わりにやりますよ」と看護師さんが声を掛けてくれたのですが、
「大丈夫です、ありがとうございます」と断ってしまいました。毎日1時間程ですが主人も仕事終わりに面会に来ていましたし、「母となったからには頑張るぞ」という変なアドレナリンが出ていたのです。
ところが不眠不休で4日ほど経った頃だったでしょうか。忙しすぎて子どもの写真を殆ど撮っていなかったことに気がつき、この時のために買っておいた一眼レフカメラに手を伸ばしたとき…
「ピンポーン」それは授乳時間になった事を告げる病室のチャイムでしたが、同時に私の中の何かがパキッと折れたように感じ、一気に涙が溢れてきました。
信用して任せることの大切さを実感
なんとか授乳を終えるも、夕方の面会に来た主人の顔を見た途端に押さえていた涙がまた溢れ出し、止らなくなってしまいました。
「どうしたの? 何があったの?」と聞かれても、
「分からない」としか言わない私を前に主人は心配そうな顔でオロオロするばかり。
「落ち着いたらこれを食べて元気だして」と、私の大好物である苺やチョコレートの差し入れを置いて帰っていったのですが食欲もわかず…。
主人と入れ替わりに看護師さんが部屋に入ってきても涙は止りませんでした。
「どうかしましたか?」と驚いた顔で聞かれましたが、やはり
「分かりません…」としか言えない私。今思うと、色々と「いっぱいいっぱい」だったんだと思います。
看護師さんは
「ちょっと待ってて」とだけ言うと、アロマオイルを染みこませた紙を持ってきて、私の枕元にそっと置いてくれました。アロマの効果なんて信じていなかった私でしたが、なぜかその香りが不思議なほど心地よく、気持ちを落ち着かせてくれたのです。そして、
「入院中くらい甘えていいのよ」と頼もしい笑顔を向けてくれたことにより、肩の力が抜けるのを感じました。
本当は7日間の入院予定だったのですが、主人が先生にお願いをして2日ほど延長してもらえることになり、メンタルを整えてから退院することができました。
その後すっかりアロマオイルの魅力にハマってしまい、ハワイアンミュージックを聴きながらアロマオイル入りのお風呂に入るのが、今では私の最高のストレス発散法です。自分がキャパオーバーの時は、素直にプロに任せるべきだったなぁと反省しました。
(ファンファン福岡公式ライター/あそうママ)