<読者プレゼントあり!>福岡の書店員さんに福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。26回目は、マークイズ福岡ももち(福岡市中央区)にある「TSUTAYA BOOK STORE マークイズ福岡ももち」の吉本健豪さんを訪ねました。さらに、年末年始の気分転換におすすめの9冊を紹介。書籍が抽選で92人に当たるプレゼントもあるのでお楽しみに! ※応募受付は締め切りました。
舞台は「愛島(いとしま)」! それって福岡県の…?
「海辺のカフェで謎解きを 〜マーフィーの幸せの法則〜」 悠木シュン
―マークイズ福岡ももちの2階、「TSUTAYA BOOK STOREマークイズ福岡ももち」にやって来ました。店内がクリスマスのムード満点で、なんだか気分が明るくなりますね。 こんにちは! 絵本を中心に、クリスマスへ向けて贈り物用の書籍などがよく手に取られているので、ワクワクしてもらえるような棚をつくろうと心掛けています。その雰囲気を感じていただけてうれしいです。 ―雑貨なども多く扱われていて、贈り物選びには困らないですね! 今回紹介される本もクリスマス向けでしょうか? いえ、クリスマスの雰囲気とはちょっと違った本で…すみません(笑)。今回紹介するのは、7月に発売された「海辺のカフェで謎解きを 〜マーフィーの幸せの法則〜」(MICRO MAGAZINE、690円+税)です。福岡の愛島(いとしま)にあるカフェ「キッチン・マホロバ」を営む兄弟が、日常の謎を解いていく、いわゆる“誰も死なないミステリー”です。
―この地名はもしや…。 おっしゃる通り、糸島市が舞台です。地名や場所に関しては、見る人が見れば分かる、といった感じにぼかされているのですが、作者の悠木シュンさんが福岡県出身なので描写が忠実ですよ。読んでいると「糸島のあの辺だな~」と情景が浮かんできます。
―“誰も死なないミステリー”ということですが、吉本さんのお気に入りのシーンなどはありますか? この本はオムニバス形式で1話完結、全体を通しての謎が1本あるという構成なのですが、その全体を通しての謎に関係がある女性と兄弟との話が好きです。最終的になんだか甘酸っぱい感じというか、ほろ苦いような、そんな気持ちにさせてくれます。「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズ(岡崎琢磨 著、宝島社)が好きな人は、この本も好きなんじゃないかなと思います。 ―最近、このコーナーでも連絡短編の小説の紹介が多いのですが、はやりなのでしょうか? 連作短編は1話ずつ読み終われるので、ちょっとした隙間時間の読書におすすめですよね。そういう意味で人に薦めやすいかもしれませんね。この小説はカフェを舞台にしているだけあって出てくる料理がおいしそうなので、おなかが空いているときには要注意です。
―吉本さんは普段からミステリーを読まれるんですか? そうですね! 現在店舗で担当しているのはビジネス書、実用書のコーナーですが、ミステリーはよく読みます。理系出身ということもあり、森博嗣さんの作品が大好きです。でも、この本はそこまでハードなミステリーでもないので、気軽に読んでもらえると思います。若い女性客が購入されることが多いようですが、老若男女手に取ってほしいです。
「めくって学べる きかいのしくみ図鑑」【学研プラス】
小峯龍男/監修 1,980円(税別)
12万部突破! 「トイレの水はどうして流れるの?」「自動販売機の中はどうなっているの?」など、普段見たり触わったりしている機械や道具の仕組みをしかけイラストを使って解説する図鑑です。乗り物のページもあり、この1冊で子どもたちの素朴な疑問がスッキリ解決!
「“自己肯定感”のスイッチが入る! 自分を受け入れる力」【青春出版社】
午堂登紀雄/著 1,400円(税別)
自己肯定感が低い人は、「もっと下げる考え方」を繰り返していた…。無意識のうちにはまっていたネガティブ・スパイラルを脱し、「人見知り、口ベタ、ネクラの三重苦」を逆手にとり活躍する著者が初めて提案する、自分を肯定して生きる習慣。
「SDGs(持続可能な開発目標)」【中央公論新社】
蟹江憲史/著 920円(税別)
SDGsとは、国連で採択された「未来のかたち」。「だれ一人取り残されない」ために設定された17の目標は、「健康と福祉」「産業と技術革新」「海の豊かさを守る」など経済・社会・環境にまたがります。ポスト・コロナ時代に、企業・自治体、そして私たち個人はどう行動すべきか。第一線の研究者がその本質を解き明かします。
「オードリー・タン 自由への手紙」【講談社】
オードリー・タン、クーリエ・ジャポン編集チーム/著 1,400円(税別)
次代の世界的カリスマとして注目を集める台湾IT担当大臣のオードリー・タン。IQ180超の天才的頭脳、性別なしというジェンダーレス、グローバル思想家100人に選ばれる先見性、新型コロナ対応でわずか3日で全国民にマスクを配るシステムを構築した実行力。日本の若者に向けて語る自由になるためのメッセージ!
「天涯の海 酢屋三代の物語」【潮出版社】
車浮代/著 1,600円(税別)
江戸後期。知多郡半田村で酒造業を営む、五代・中野半左衛門の急死により婿(むこ)養子に迎えられた三六(初代・中野又左衛門)は、酒造りの傍らで、酒粕(かす)を使った粕酢造りを思い付きます。いまや世界で愛される日本のすし(SUSHI)流行の源となった「粕酢」に生涯を捧げた、ミツカングループの創業三代を描く歴史長編小説。
「だから僕は君をさらう」【双葉社】
斎藤千輪/著 700円(税別)
つらい過去を抱えたミュージシャン志望の青年・守生光星。平穏無事に暮らすことを心がけていたのに、ある日、夜の墓地で一人の少女と出会ったところから運命に翻弄(ほんろう)されていきます。少女の秘密、自らの過去との巡り合わせ――大切な人を守ために罪を犯し…。【読後、恋をしたくなる】究極の純愛ミステリー。
「星2.0」【光文社】
yuji/著 1,800円(税別)
予約の取れない「星読み師」として雑誌などにも登場し、注目されている著者。過去に、各地を訪れて1万人以上の人に会い、星を通じて彼女・彼らの「人生」を伝えてきました。「星2.0」は、12星座の本質とその運命を解説した話題作です。「自分を励ますエールになる」など大反響を呼んでいます。発売たちまち4刷に。
「アンダークラス」【小学館】
相場英雄/著 1,700円(税別)
秋田県能代市で、老人施設入居者の死体が水路から発見されました。神戸市の工場の劣悪な労働条件に耐えかね、失踪してきたという容疑者の外国人技能実習生は、老人に請われ自殺を幇助(ほうじょ)したと自供。しかし警視庁継続捜査班の田川信一は、その供述に疑いを抱きます。そして捜査線上にあがったのは、世界的IT企業サバンナでした。
「のらぼう菜」【農文協】
髙橋孝次/著 1,200円(税別)
注目の伝統野菜「のらぼう菜」は、菜の花に比べて苦味がなく甘味があり、その味の良さから近年注目されている葉物野菜(セイヨウアブラナ)です。春先の葉物の端境期に出荷でき、著者は10aで100万円以上売り上げました。本書では、著者が半生をかけて取り組んだ、のらぼう菜を太茎で長期出荷する栽培技術を解説しています。
いかがでしたか? 年末年始のおうち時間にぜひ一読を。来年も多彩な本を紹介していきますのでよろしくお願いします!
福岡の書店員さん、君の推薦する本を読みたい【福岡キミスイ本 第25回】