5年ぶりのJ1復帰を狙うアビスパ福岡の守備陣の要として活躍する上島拓巳選手。今シーズンを振り返りながら、12月20日(日)J2リーグ最終戦でホームゲーム、徳島ヴォルティス戦に向けた意気込みをリモート取材で聞きました。(取材/川添道子)
「これまでやってきたことを信じて全力を尽くせば、結果はついてくる」
―2つのJ1昇格枠をかけて、徳島、福岡、長崎(V・ファーレン長崎)の三つどもえの戦いが続いています。心境は? チームの雰囲気は良く、いい緊張感で試合に臨めています。連勝後に引き分けが続くなど足踏みもありましたが、これまでやってきたことを信じて全力を尽くせば、自然と結果はついてくるはず。ほか(徳島・長崎)は気にせず、自分たちのスタイルで最後まで戦っていきます。そして、最後は最高の結末で皆さんと喜びを分かち合えるように頑張りたいと思っています。
―柏レイソルから福岡へのレンタル移籍について。 柏で活躍する中村航輔選手や古賀太陽選手、井原正巳ヘッドコーチなど、アビスパで実績を積んで、ステップアップしている姿を間近で見ていたので、福岡に対しては良いイメージがありました。同じく、今年加入した選手には、同世代も多く、良い刺激をもらっています。また、神セブンへの選出やSNSの反応など、移籍直後から非常に多くの方に応援していただいている実感があり、とてもうれしく思っています。
―9月にはJ2の月間MVP選手賞を獲得するなど、評価が高まっています。昨年と何が変わった? もともとフィジカルの強さには自信がありましたが、昨年はなかなか試合に出ることができず、力を発揮できませんでした。しかし、(アビスパ福岡の)長谷部茂利監督の下で試合にコンスタントに出られるようになり、フィジカル面だけでなく、ヘディングや対人能力も試合のたびに磨かれているのを実感しています。試合に出るということの大切さを改めて感じた1年ですね。 ただ、注目をされるようになると、賞賛もあれば、良くないプレーがあると批判も受ける。その“声”を受け止めながら、より安定感を持ったプレーができるように成長していきたいです。
―上島選手が発信するSNSの熱い言葉も話題ですね! 今年は無観客試合やリモート応援など、本来であればモチベーションを高めてくれるスタジアムでの声援がないという特殊な環境下での試合が続き、どうやってモチベーションを高めていくかを考えていました。なかなか勝てない時期や連戦が続く時、チーム内外に向けて何か発信する必要があると感じて「気持ち」を書きました。それが皆さんに伝わっているのならうれしいです。
―10月25日のジェフ千葉戦で相手選手と競り合った際に落下してヒヤリとした場面がありましたが…。 首から落下してしまい、打ちどころが悪かったら命に関わる大きなケガにつながっていました。試合後、ファンやサポーターからたくさんの応援メッセージをいただきました。本当に心強かったです。幸いにも大事には至らず、次の試合にも出場することができました。 ―増山朝陽選手の名言として上島選手がツイッターで紹介した「ケガは筋トレしたら治る」が頭をよぎりました(笑)。 あははは(笑)。いや、でもほんと、軽症で済んだのは日頃からトレーニングをしっかりしていたおかげだと思います。筋肉が守ってくれたなと。
―最終節の徳島戦は満席と出ています。 10月以降、徐々に観客数も増え、皆さん声は出せないものの、スタジアムに活気が戻ってきたのを感じます。12月6日の金沢戦では、2点リードされた状況の中でうなり声のような大きな拍手で後押ししてもらい、引き分けまで持ち込むことができました。あれは本当にスゴかった! やはり応援(拍手)は、選手にとって大きな力になります。
―上島選手の今後の目標は? 優勝してJ1昇格という目標は、可能性がある限り目指しています。個人では、東京オリンピック日本代表としてピッチに立ってメダルを獲得すること。そして日本代表としてワールドカップに出場し、ベスト8以上の成績を残すことです。プロサッカー選手である以上、代表は常に意識してプレーしたいと思っています。
―読者へメッセージを。 コロナ禍という特殊な状況下でのシーズンを、無事に最終節まで迎えられたのもファンやサポーターの皆さんの支えがあってこそ。残り1試合、最後まで全力を尽くしますので、熱い応援をお願いします!
かみじま・たくみ
1997年2月5日生まれ、千葉県出身。185cm・80kg。柏レイソルU-12→柏レイソルU-15→柏レイソルU-18→中央大→柏レイソル。2020年期限付き移籍でアビスパ福岡に加入。
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