子どもに伝えておきたい、マナーや礼儀作法。「こんな時にはこうするんだよ」と教えても、幼いと「時と場合」による使い分けが難しいこともありますよね。わが家でも、息子たちにあるマナーを教えたところ、遊びの「あっち向いてホイ!」がとんでもなく上品なことになってしまいました。
「指をさすのは失礼なのよ」2人の息子のしぐさを注意
わが家には、5歳と7歳の男の子がいます。年の近い2人兄弟ということもあり、放っておいても子ども同士でいつも一緒に遊んでいます。
兄弟同士、ある程度は仕方がないのかもしれませんが、ふと気が付くと、お互いに言葉遣いが悪くなっていたり、物を投げるといった乱暴な行動をとっていたり。子どもといえど、最低限のマナーや礼儀などは身に付けさせたいですよね。
私の場合、普段から息子たちの言葉や態度が気になる時は、その場で少しずつ教えるように心掛けています。
そんなある日のこと、息子たちがけんかをしていました。お互いに人差し指で相手をさしながら
「お前が悪いんだよ!」と文句を言っていたのです。
私は
「人に向かって指をさしてはダメ! 相手や物を指差すのは失礼にあたるんだよ」と注意しました。そして、指をさす代わりに、手のひらを上に向けて指し示す「どうぞ」のジェスチャーを教えました。
息子たちは「怒られた!」と思ったのか、「はい」と返事をしてその場を離れました。ちゃんと伝わっているのか甚だ疑問でしたが、ひとまず口げんかが収まったので良しとすることにしました。
確かに「失礼」とは言ったものの… なんとも上品な遊びに
ところが、それから数日後のこと。2人で仲よく「あっち向いてホイ」の遊びを始めた息子たち。その様子に私は衝撃を受けました。
「じゃんけんポン! あっち向いてホイ!」
あっち向いてホイはご存じの通り、じゃんけんに勝った方が人差し指を点てて上下左右のいずれかの方向を指さし、相手はそれにつられないように顔を向ける遊びです。
しかし、息子たちのあっち向いてホイでは、勝った方は指差しではなく、手のひらを上に向けた「どうぞ」の手の形で相手を誘導しているのです。
しかも、指差しの動作に比べてスピードが出にくいのか、あっち向いてホイのしぐさが、ゆっくり、はんなり。
まるで「それでは右手をご覧ください~」と案内をするツアーガイドさんのよう。子どもたちの遊びにしては、上品過ぎるしぐさなのです。
なんだか面白いので、そのまま笑いをこらえながら、こっそりと2人の様子を見ていることにしました。
すると、じゃんけんに勝って思わず人差し指を点てて相手をさしそうをしまった次男に対して、長男が
「ダメ! それは失礼でしょ。こう!」と手を取りながら「どうぞ」の手の形にするように、指導をしていました。次男も
「こう?」と素直に聞き入れています。
もはや、あっち向いてホイとは別の遊びのよう…。
指差しを注意されたことを覚えて律儀に実践しているのはうれしいけれど、「時と場合によるんだよ」ってことも伝えなくてはならないなと思った出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/minimix)
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