わが家では11匹の猫を飼っています。私が出かけるときには見送りをしないのに、帰宅すると玄関で待ち構えています。なぜだか飼い主の帰宅が分かるみたいなのです。これって不思議だと思いませんか? その理由を推察してみました。
おなかがすいているのかな?
もしかしたらご飯が欲しくて、帰宅を待っていたのでしょうか。その可能性はあります。わが家では朝、昼、夕方と1日3回、エサを与えています。猫の数が多いうえに食いしん坊ばかりなので、朝、ちゃんと食べていてもお昼になると「ご飯をくれー」とおねだりしてきます。 昼に飼い主が不在なら、「いつ帰ってくるのだろう」と玄関で待っていてもおかしくありません。しかし、猫がそんな殊勝なことをするでしょうか。猫は犬ほど飼い主に従順ではありませんし、ましてや落ち着きのないわが家の猫が、同じ場所にじっとしているとは思えません。
優れた聴覚で玄関に向かう足音を聞きつけて…
わが家の猫の行動に注目していると、どうもこちらが玄関の戸に手をかけるかかけないかのタイミングで、トントントンと階段を駆け下りる音が聞こえてきます。これは、飼い主がどのタイミングで家に入ってくるか分かっているということでしょう。 その理由は、おそらく猫の聴覚にあります。猫の聴覚はとても高性能で、非常に小さな音でも聴き取ることができるとされます。肉食動物の猫は、かつて狩りをして生活の糧を得ていました。獲物であるネズミや小鳥などが発する小さな音を聴き取って、その動きを察知していました。そのなごりなのでしょう。 つまり、わが家の猫たちは、優れた聴覚で私が玄関に向かう足音を聴き取り、先回りして待ち構えている可能性が高いのです。
それでも一番の理由はきっと!
猫が飼い主の帰宅を待つのは、わが家だけではなく、ほかの猫を飼っている人からもよく聞く話です。どんな理由だとしても、帰宅を待ち構えてくれるなんて飼い主冥利(みょうり)に尽きますよね。家に入るなりスリスリして甘えてくる猫もいて、たまらない瞬間です。 ここで私はは一つの結論に達しました。おなかがすいていたり、足音を聴き取って帰宅のタイミングが分かったりということが関係しているとしても、「飼い主のことが好きだから」これが一番の理由だろうと。 なぜなら、もし、どうでもいい人なら、出かけようが帰ろうが興味を示さないはずです。実際、あまりなついていない家族の帰宅時には、わが家の猫は知らんぷりをしています。まあ自分勝手な解釈かもしれませんが…。 猫は気まぐれで自分本位、でも、そんな人に迎合しないところが大きな魅力です。そんな猫がわざわざ帰りを待ってくれているのです。「いい子だねー」「待ってたのよしよし」とつい優しい言葉をかけ、頭をなでてしまいます。 (ファンファン福岡公式ライター/のらくろ)