近所の大きな公園で初すべり台。大好きな息子の要望に応え、数え切れないほど、息子を乗せて滑ることになりました。死ぬほど疲れたけど、喜ぶ息子の顔をみて思う幸せとは、こういうことかと気付く出来事でした。
大人気遊具「すべり台」との初対面
私の住んでいる町はサービスエリアが有名で、様々な食材やお店が立ち並ぶ地元でも人気の場所です。高速道路に乗らなくても裏から無料で入ることもでき、子どもが生まれる前はよく妻とランチに来ていました。
息子が1歳になり離乳食も慣れてきたころ、サービスエリアでいろいろと買って食べるのはどうかと妻が提案してくれたので、
「いいね! 久しぶりだね!」なんてわくわくしながら車で向かいました。
サービスエリアの裏口に着いたとき、こんなところに大きな公園が! と新たな発見が。サービスエリアの中でランチする予定でしたが、急きょテイクアウトしてその公園で食べようとなりました。
近所の公園とは違うアスレチックにロープやすべり台と豪勢で、息子は「なんだこの楽園は…」といわんばかりの興奮した顔をしていました。その時、3歳くらいの女の子がすべり台を降りてくる姿を視野にとらえ「あれはなんだ?」とすべり台を指さす息子。私が
「やりたいの?」と聞くとコクンと頷きました。
『もう1回』を繰り返す息子
そんな反応、親バカにはたまらんわけですよ。軽い気持ちで
「いいよ~滑ろうか!」と息子を抱っこしたまま、はしごのような鉄の階段を5段あがり、人生初のすべり台へ。
「うきゃきゃきゃきゃ~」と笑う息子。よだれがパパの腕にしたたり落ちます。そして息子の小さな人差し指が天を仰ぎます。これは最近のマイブームである『もう一回』です。
この『もう一回』はすごいです。
例えば、絵本を読めば同じ本を10回連続して読み、高い高いをすれば腰と腕の悲鳴が出るほど求めてきます。子どもは同じことを繰り返すとよく言われますが、親が止めねばいつまでもやるのがわが子で、親バカな私はいつもそれに従っています。
さて、大きな公園にすべり台が一つなわけもなく、高さを求め先ほど(5段)+3段上がった場所へ移動。その高さのすべり台を降りると、先ほど以上の歓声が息子から聞こえてきました。
調子にのった私は計8段の階段を10回以上上り、そして一瞬にして滑り降ります。すべり台なんて私が子どもの時以来だったわけで、こんなにも疲れるものなのかと初めて30代を実感した気がしました(笑)。
階段と着地は徐々に膝を痛めつけ、これはまずいなと思い始めていたとき、見かねた妻が
「そろそろお昼食べるよ~」と救いの手を差し伸べてくれましたが、息子の一本指が降りることはありませんでした。
途中、最初に滑った低めのすべり台にシフトしてみましたが、あきらかに笑い声が減る息子。むしろ愛想笑いなんじゃないかと思うくらいの減り具合だったので、父親の威厳をみせるためにも再度8段を選択し、そこからさらに5回ほど繰り返しました。
息子の寝顔を見ながら感じる疲労と幸福
広い芝生の公園でコーヒーとパン片手に家族3人でゆったりと過ごすはずだったのに、気が付けば時間は過ぎ、妻は食事を終えていました。
さすがに… とすべり台から離れてランチをとることにしましたが、納得いかずに暴れる息子とその息子をなだめながらパンを食べさせる妻、食事も喉を通らぬレベルで疲労する私と、理想と現実は大きく違いました。
どうにかランチを終え帰宅しようとすると、またまた息子の指はすべり台の方向を指します。
「最後にもう一度だけだよ?」と滑り、そのまま強制的に車へ連行しました。息子はチャイルドシートに乗せるのも困難なほど泣きじゃくるものの、車を出発させると疲れたのか一瞬で眠りにつきました。
「とんだ休日になったもんだ」なんて私が話すと、
「… でも幸せでしょう?」と息子の寝顔を指さす妻に
「はい、幸せです」なんて返しました。ただ、その言葉を発したとき不思議と疲れも和らいだ気もして、子育てって不思議だな~なんて思えた1日でした。
案の定、翌日は筋肉痛になりましたが息子の笑顔を見られるのなら、懲りずにまた公園に連れて行こうと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/月が好き)