デジタルタトゥーの消し方は4つ!子どもには後悔しないネットの使い方を伝えよう

6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

便利なインターネットですが、正しく利用しないとトラブルの原因になることも少なくありません。ネットのトラブルの1つに「デジタルタトゥー」がありますが、その被害は深刻です。

その後の人生にも影響する可能性があるネット上の情報は、消し方がわかっても自分の力で削除するのが難しいケースもあります。被害に遭わないためには、親子で正しいネットの使い方について話し合うことも必要です。

今回は、デジタルタトゥーがもたらす影響や被害、消し方やネット利用の際に注意したいポイントを解説します。

目次

デジタルタトゥーとは? 被害事例はさまざま

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デジタルタトゥーとは、「デジタル(Digital)」と「タトゥー(Tatto)」を組み合わせた言葉で、画像や動画、文字などのデジタル情報がネット上に残り続けることをいいます。主に不利益な情報を指し、リアルタイムでの被害はもちろん、消えることのない情報が将来にも影響する可能性もあるため深刻です。

デジタルタトゥーの被害事例は、大きく4つあります。

誹謗中傷や悪質行為の拡散

SNSなどで、特定の人物や商品などに悪意を持って誹謗中傷コメントをする、悪質行為の写真や動画をネット上にアップしてしまい、それが拡散されるケースは少なくありません。

インターネットの「匿名性」を悪用して誹謗中傷を繰り返すと、相手から損害賠償請求される、他のユーザーから発言を批判されるケースがあります。

また、アイスを入れる冷凍庫や食器洗浄機のなかに入る、飲食店でマナーに反する行動を取るといった悪質行為の写真・動画が拡散され、全国ニュースになるほど大きな話題になったこともあります。

ネット上の情報は拡散されやすく、より多くの人の目に触れてしまいます。また、投稿者が削除したとしても、第三者が記録を残していれば再度拡散されることもあり、半永久的に残ってしまうため注意が必要です。

個人情報流出

顔や住所、学校、職場など「個人」が特定できる情報を発信するのも、非常に危険です。リアルな知り合いではない人物に個人情報が流出すると、悪用されたり、ストーカーなどの被害に遭ったりするかもしれません。また、本人だけでなく家族や友人など、周囲の人にも被害が及ぶことも考えられます。

「瞳に映った景色から済んでいる地域や自宅を特定する」「FacebookなどのSNSに登録されている情報を悪用する」など、個人情報流出から事件に巻き込まれたり、迷惑行為を受けたりすることもあるため、危険です。

犯罪・逮捕歴

ネットニュースやSNSなどで、犯罪歴や逮捕歴、前科などの情報が拡散されてしまうのも、デジタルタトゥーの1つだといえます。逮捕後に無実だった場合も、「逮捕された」という情報はネット上に残ってしまうため、罪のない人が社会的信用を失ってしまうというケースもあります。

もし、実際に罪を犯したり前科があったりしても、「忘れられる権利」「更生を妨げられない権利」により、罪を償った場合は適切な期間を経たのち、記録にとどめられるべき正当な条件を持たないといえます。しかし、デジタルタトゥーとして情報が残ってしまえば、本人やその家族が誹謗中傷を受けることもあるため深刻です。

リベンジポルノ

元パートナーや元恋人への復讐のために、性的な写真や動画を同意なしにネット上にアップする行為を「リベンジポルノ」といいます。リベンジポルノでインターネット上に晒されたデジタル情報も、デジタルタトゥーの一種でしょう。

投稿された画像や動画は、撮影された被害者の知らないところで拡散されるだけでなく、商品として取引される可能性も少なくありません。2014年には、増加する被害を防止するための法律ができましたが、警察への被害相談は近年増加傾向にあります。

参考:デジタルタトゥーを削除する5つの方法を解説!おすすめの対策方法も紹介! https://brandcloud.co.jp/column/security/fuhyo-higai/bs-26/

デジタルタトゥーはその後の人生に大きく影響!

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不利益な情報がネット上に残ってしまうと、その後の人生が大きく変わってしまうこともあります。デジタルタトゥーがもたらす主な影響は、大きく5つです。

自身が誹謗中傷の対象になる

悪質行為にはたらいた人物は、不特定多数の人から誹謗中傷を受けることがあります。心ない発言、攻撃的な言葉で罵られるだけでなく、個人を特定され、顔や住んでいる地域、職場・学校などの情報まで広まり、自主退職や退学といった処分を受け、生活に支障を来す可能性も、ゼロではありません。

また、SNSなどで誹謗中傷などの発言をした場合も、その発言が拡散されると、自分自身が攻撃される対象になりかねません。

自宅や学校・職場を特定し攻撃される

個人情報は悪用されるリスクだけでなく、自宅や学校・職場などの特定にもつながります。自宅に嫌がらせをする、学校や職場などに押しかけたり迷惑電話をかけたりする、ストーカー行為に悩まされるなど、個人の特定により、日常生活が脅かされることもあるかもしれません。

就職活動や入居審査などに影響することもある

犯罪歴や逮捕歴がデジタルタトゥーとして拡散されたり残ったりすると、将来の就職活動や入居審査など、「信用」にかかわるシーンに影響することも考えられます。前述の通り、たとえ逮捕後に無実だと証明されても、「逮捕」という事実だけが情報として残ると、やはりその人の信用にかかわる恐れがあります。

人間関係が壊れる

ネット上の情報は、多くの人が閲覧します。特定の人物にだけ見られるような設定もできますが、誰かが保存して拡散すれば、やはり不特定多数の人の目に触れてしまうため、人間関係に影響するのもデジタルタトゥーが抱える問題の1つです。

過去の言動や逮捕歴など、大切な相手には見られたくない情報がデジタルタトゥーとして残ってしまえば、誰かを失望させてしまったり、良好だった人間関係が壊れてしまったりすることもあります。

周囲の人が被害を受ける可能性も

デジタルタトゥーによって、問題を抱える本人だけでなく周囲の家族や友人にまで被害が及ぶこともあります。ネット上で攻撃の「標的」になってしまうと、その人物だけでなく、家族の個人情報が流出したり、誹謗中傷を受けたりする可能性は少なくありません。信用問題に家族が巻き込まれるケースもあるようです。

また、仲のよい友人などに近づく、周囲の人間の個人情報まで脅かすという、悪質な人物もいるかもしれません。

参考:デジタルタトゥーの消し方とは?具体的な事例や後悔しないための知識 https://bizx.chatwork.com/digitalization/digital-tattoo-erase/

デジタルタトゥーの消し方は?5つの方法を紹介

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長期に渡る被害や、周囲の人間への影響も深刻なデジタルタトゥー。ネット上にある不利益な情報、誹謗中傷などの攻撃的な発言を完全に削除するのは、難しいといえます。

しかし、可能な範囲だけでも情報の削除を行えば、被害を最小限に留められます。ここからは、デジタルタトゥーの4つの消し方を見ていきましょう。

自分で削除する

SNSなどで、自分で発信してしまった情報(投稿)は、自分で削除可能です。誤った情報や、誰かを攻撃してしまうような発言、不適切な発言や画像、動画などを投稿してしまったと感じた場合は、できるだけ早く削除しましょう。

もし情報が拡散されてしまっている場合は、訂正や謝罪を行うことも大切です。

サイト管理者に依頼する

第三者が拡散した情報を削除したい場合は、サイト管理者に依頼して削除対応してもらうのが一般的です。サイトには「お問い合わせ」など、管理者と直接やり取りをするためのフォームが用意されているので、そこから削除申請します。

ただし、すべてのサイト管理者が削除対応をしてくれるわけではありません。権利が侵害されるような情報には、プロバイダ責任制限法に基づいた「送信防止措置依頼書」が有効です。サイト管理者に依頼書を送り、再度削除してほしい旨を伝えましょう。

裁判所に削除請求する

プライバシーの侵害や名誉毀損など、明らかな権利の侵害があるにもかかわらず、掲示板などのサイトでの情報を削除してもらえない場合は、裁判所を通じた削除請求ができます。判決が出るには一定の時間を要しますが、そのあいだにも被害の拡大があると判断された場合は、「仮処分」ですぐにサイト管理者に削除請求ができます。

裁判所からの請求は、管理側の対応を早めることも多いので、深刻な権利の侵害がある場合は、裁判所を通すことも視野に入れましょう。

弁護士に代行してもらう

前述の「送信防止措置依頼書」の送付や裁判所への削除請求は、個人で行うにはハードルが高くなります。しかし、これらの依頼は本人か弁護士しかできず、第三者が代理で行うことはできません。

デジタルタトゥーの被害が深刻な場合は、弁護士に代行してもらうのも1つの方法です。もし弁護士資格のない人や企業に削除代理を依頼すると「非弁行為」となるため、注意しましょう。

【注意】デジタルタトゥーは100%消えるわけではない!

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元となる情報の消し方は前述の通りですが、デジタルタトゥーを100%、完全に削除するのは困難だといえます。「人間関係への影響」の項で触れた通り、公開範囲を制限した場合も、保存して拡散されてしまえばそれを食い止めるのはほぼ不可能でしょう。

すぐに投稿を削除した場合も、投稿を目にした人物が情報を保存していれば、再度出回ってしまうリスクは高いです。こうして月日が流れても、ネット上に情報が残ってしまうケースは少なくありません。

時間が経過しても残ってしまったデジタルタトゥーは、「検索したときにヒットしない」ための対策を取ることも重要です。インターネット上には膨大な情報が散らばっているので、名前を検索したときにネガティブな情報が候補に挙がらないようにすれば、その後の被害を抑えられる可能性は高まります。

とはいえ、やはりデジタルタトゥーが完全に消えることにはなりません。匿名性を悪用した発言をはじめとした不利益な情報を自身が発信しないことは、その後の人生に影響を及ぼさないためにも欠かせないでしょう。

参考:就職に影響することも? 「デジタルタトゥー」の問題と対処法 https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/internet/a43549587/digital-tattoo/

デジタルタトゥーで悩まないために、子どもに教えたいこと

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デジタルタトゥーは一時的なものではなく、その人の人生に長く影響するものです。子どもがデジタルタトゥーで悩まないためには、スマホやネットの利用を始める前に、デジタルタトゥーの危険性を理解させることも必要です。

“匿名だから安心”ではない

SNSはニックネームで使う人も多く、ネット上の掲示板などでは匿名での投稿も可能です。この「匿名性」をはき違えると、デジタルタトゥーの被害者にも加害者にもなり得るため危険です。

「匿名だから何をいってもよい」「どんな投稿をしてもよい」というわけではないことを伝え、発信する内容に注意しましょう。

見られたら困る投稿はNG

発言はもちろん、画像や動画も「誰が見ても大丈夫か」という点をよく考えてから投稿します。現実で友だちに向かって発せられる言葉かどうか、画像や動画を見て不快に思う人はいないか、非常識だと思われる内容ではないかなどを考えて投稿すれば、デジタルタトゥーとしてマイナスな記録が残る可能性は低くなります。

個人情報がわかるアカウント名や投稿は避ける

SNSのアカウント名には、本名(フルネーム)を使用しないようにします。名前をもじる程度のアカウント名ならあまり心配はないでしょう。

また、投稿でも個人情報がわかる内容は避けるのが賢明です。住んでいる地域や学校などがわかる内容、自宅や学校周辺の景色が写っている写真や動画は、個人情報特定の材料になることもあります。

写真や動画に写り込んだ人とのトラブルに注意する

撮影した写真や動画のなかには、自分以外の人物が写り込んでいることもあります。写っている人の許可なく投稿すると、のちに「勝手に投稿した」とトラブルになるかもしれません。

筆者の先輩ママの学校では「友だちと撮った動画を子どもが勝手にSNSにアップして、相手の保護者が怒ってしまった」というトラブルも実際にあったそうです。「友だちだから大丈夫」ではなく、「この動画(写真)、SNSにアップしていい?」と必ず許可を取り、NGな場合は使用しないようにします。

関係のない第三者が写り込んでいる場合は、スタンプやモザイクで人物を特定できないよう工夫する、知らない人の写り込んでいる部分を切り取るなども対処法として挙げられます。「そこまで対策をしてまでネット上にアップしたいか」という点を親子で考えるのも、よいのではないでしょうか。

参考:デジタルタトゥーって?その危険性と恐ろしさとは https://smamori.jp/topics/?q=YToyOntzOjEyOiJrZXl3b3JkX3R5cGUiO3M6MzoiYWxsIjtzOjQ6InBhZ2UiO2k6MTt9&bmode=view&idx=13325815&t=board

デジタルタトゥーは要注意!ネットの正しい使い方を親子で話し合おう

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デジタルタトゥーは、不利益なデジタル情報がネット上にいつまでも残ってしまうもので、内容によっては誹謗中傷を受けたり、社会的信用を失ったりするため危険です。デジタルタトゥーの消し方は4通りありますが、拡散された情報を100%ネット上から消し去るのは、ほぼ不可能だといえます。

ネット上での反響が大きければテレビでニュースになり、個人名や学校、職場、家族構成など、さまざまな経歴をまとめた記事などが量産され、さらに被害が拡大することもあります。「一般人だから大丈夫だろう」と思われるかもしれませんが、この手のまとめサイトは起こった出来事を検索すると大量に出てくることもあるので、油断できません。

デジタルタトゥーに悩まないためには、正しいネットの使い方や発信内容などを理解する必要があります。子どもの未来を守るためにも、ネットの利用前にはぜひ親子でデジタルタトゥーやネットリテラシーについて話し合ってみてください。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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