6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。
いよいよ夏休み!遊びはもちろん、日々の学習計画に悩む家庭もあるかもしれません。長期休暇の小学生の勉強時間は、どれくらい確保するとよいのでしょうか。
今回は、夏休みの勉強時間や内容に関する情報をお届けします。小学生が効率的に学習を進めるポイントも解説していますので、参考になれば幸いです。
学年別!小学生の夏休みの勉強時間
地域や学校によって差はあるものの、小学生の夏休み期間の平均は35~40日程度です。長い休みのあいだ、1日あたりどれくらい勉強をすればよいのでしょうか。
夏休みは勉強時間をまとめて確保しやすい!
学校がある期間は、帰宅後や休日の限られた時間しか勉強に充てられません。しかし、夏休みはまとまった勉強時間を確保するチャンスです。普段の2倍、3倍と長い時間勉強するなかで、休み前の学習内容を振り返ったり、9月からの授業につながる学びを得ることができます。
小学校1~3年生
小学生の勉強時間は「学年×10~15分」が1つの目安となっています。この計算式に基づくと、1~3年生の勉強時間の目安は以下のようになります。
・1年生:10~15分
・2年生:20~30分
・3年生:30~45分
しかし、日常的な勉強時間もこれより長いケースは多いです。やや古いデータになりますが、2009年にベネッセが行った調査では、夏休みの1日あたりの平均時間は以下のような結果が出ています。
・1年生:約40分
・2年生:約45分
・3年生:約50分
非常に大きな差はないものの、学年が上がるにつれて勉強時間も長くなる傾向です。塾の夏期講習などに参加する場合は、低学年でも90~100分ほど勉強します。
低学年のあいだは長時間集中するのが難しい子どもも少なくありません。「時間」にこだわるよりも、日々のタスクをこなすことや、毎日机に向かう習慣をつけることに重点を置くとよいでしょう。
小学校4~6年生
4~6年生の日常的な勉強時間の目安は、「学年×10~15分」に当てはめると以下のようになります。
・4年生:40~60分
・5年生:50~75分
・6年生:60~90分
では、夏休みにはどれくらい勉強しているのかを、前述の調査から見てみましょう。
・4年生:約50分
・5年生:約60分
・6年生:約65分
学校の宿題やプラスαの自宅学習は、1時間程度であることがわかります。塾に行く場合、1日の学習時間の平均は2時間ほどで、低学年よりやや長めです。
中学受験の有無でも勉強時間は変わる!
小学生の夏休みの勉強時間は、中学受験をするかどうかで大きく変わります。中学受験をしない場合は、前述のように40分から1時間程度というケースが多いですが、中学受験をする子どもは1年生のうちから毎日2時間以上勉強します。3.4年生になると3時間以上、5年生は4時間以上、受験前の最後の夏休みにあたる6年生は6時間以上勉強する子どもが多いです。
これには、塾での勉強時間も含まれます。4教科の授業に加え、学校の宿題や自主学習にも取り組みます。中学受験の有無で、特に高学年は勉強時間は大きく変わるので、受験を検討している家庭は覚えておくとよいでしょう。
【小学生】夏休みの勉強の時間はどれくらい必要?(https://www.shinko-keirin.co.jp/shinko/pittarinavi/20220518-01/)
小学生の夏休み調査(https://benesse.jp/berd/up_images/research/syo_nastu.pdf)
小学生の夏休み。何時間何を勉強すればいいの?(https://kodomo-booster.com/articles/512#/)
小学生は夏休みにどんな勉強をするべき?
学年ごとの勉強時間の目安だけでなく、具体的にどのような学習を進めていくかも把握しておくと、収穫の多い夏休みになります。ここからは、中学受験をしない小学生におすすめの、夏休みの勉強内容を紹介します。
小学校の宿題
夏休みには宿題が出る学校も多いので、まずは宿題を終わらせることに集中しましょう。宿題は国語や算数といった勉強の復習から、絵画や工作、自由研究、読書感想文のように、授業に関連しないものまでさまざまです。
できればすべて早めに終わらせたいところですが、「保護者のスケジュールの確保が必要」「観察系で、いますぐできない」というものもあります。こうしたものも、事前に取り組む日程の目安を決めておきましょう。
苦手科目・単元の復習
夏休み前の学習のなかで生じた課題も、時間を確保しやすい夏休みに克服するのがおすすめです。子どもが「苦手だ」と感じる科目や単元があればそれを優先し、特にない場合は授業内で実施したテストを参考に、「これがあまり得意ではなさそう」というポイントを見極めましょう。計算ドリルや漢字ドリルを夏休み中に1周するだけでも、学習の振り返りや理解の定着につながります。
9月からの学習の予習
宿題や復習が終わっても時間がある場合は、9月からの学習の予習にも挑戦してみましょう。市販の参考書や問題集を活用するのもよいですし、教科書を読むだけでも次の学習への興味・関心が湧きます。特に、国語は文章を読んで理解を深めたり、新出漢字を予習したりしやすいので、迷ったら国語の予習から始めるとよいでしょう。
小学生が夏休みによりよい勉強をするためのポイント
普段よりも長い時間勉強することも大切ですが、夏休みの勉強は「量」よりも「質」を重視したほうが、子どもの身になりやすいといえます。よりよい学習を実現するために、保護者はどのようなポイントを意識すればよいのでしょうか。
学習目標を決める
まずは、大きな学習目標を決めましょう。「がんばって勉強する」「できることをやる」など、具体性がないと達成できたかが判断しにくいですし、モチベーションも上がりません。また、「1年生だけど毎日5時間勉強する」「いま4年生だから、1年生からいままでの学習をすべて復習する」など、実現が難しいものも、途中で投げ出してしまう可能性があります。
目標は具体的で、実現可能な内容にすることが大切です。「苦手科目・単元に特化した参考書を1冊終わらせる」「漢字・計算ドリルにもう1回取り組む」など、「すぐには達成できないものの、少しがんばったらやり遂げられそう」というラインで、親子で話し合って目標を決めてみてください。
学習計画を立てる
目標が定まると、達成のためにどのように勉強を進めていくかも決めやすくなります。長い夏休みは、計画的に過ごさないと「明日やればいい」「まだ時間がある」と、ついついさぼってしまうことも…。
まずは学校の宿題、続いて目標達成のための取り組みと優先順位を決め、夏休み終了日から逆算すると、計画を立てやすいです。ぼんやりとした計画は、タスクが終わったかがわかりにくいので、ノートやカレンダーに書くとよりわかりやすいでしょう。
無理のない計画にする
勉強に関するスケジュールは、無理のないように組みましょう。「毎日計算・漢字のドリルを10ページずつ」「苦手克服のための参考書を10ページ」など、量が多すぎたり、遊びやお出かけの予定がある日も、何も予定がない日と同じ勉強量にしたりすると、終わらない可能性が高くなります。
計画は、旅行や遊びの予定も把握したうえで組むのがおすすめです。また、無理のない計画にするためにも、学習目標の設定は非常に重要だといえます。
決まった時間に勉強する
予定があるようなイレギュラーは除き、毎日の勉強はできるだけ決まった時間に行うのがよいです。具体的に「〇時から〇時」と決めにくい場合も、「午前中」「お昼ご飯のあと」のように、だいたいでも決めておくと取り組みやすくなります。
日中は仕事で忙しい保護者も、「朝、学童に行く前」「帰宅してから夕飯までのあいだ」など、目が行き届くタイミングで勉強をさせると、計画通りに学習が進められているかが把握しやすくなります。
「お楽しみ」を活用する
時間や目標などを決めれば自主的に取り組む子どももいれば、日々の勉強になかなか前向きになれない、重い腰が上がらないという子どももいます。学校での授業がない期間が長いとはいえ、「勉強しなさい」というだけでは、せっかくの夏休みが楽しくなくなってしまうかもしれません。
勉強に対する意欲に関わらず、「お楽しみ」を活用するのも1つの方法です。「この日は勉強ではなく、図書館や博物館に行ってみよう」「家族もお休みの日は勉強を休みにして出かけよう」「お盆には旅行に行こう」といった楽しみがあると、「じゃあそれまでに勉強を終わらせようかな」という気持ちが芽生えやすくなります。
わが家もちょっとしたお出かけやお友だちとの遊びの予定などの「お楽しみ」はありますが、昨年から「午前中に勉強と習い事の練習」「午後はゲームとYouTubeを40分ずつ」という「プチお楽しみ」を導入しています。夏は夫が忙しく、また去年も今年も夏休みの最後にピアノの発表会があるため、なかなか遠出ができません。
その代わりになるかは定かではありませんが、普段は週末のみのゲームを「長期休暇はやることが終わったらやってもよい」ということにしました。「午後の楽しみのために午前中はがんばろう」という意欲につながりますし、交代でゲームとYouTube視聴をしているあいだは静かで、私も仕事に集中できるので助かっています。が、その後「テレビを消して遊んでね」という時間に勃発する兄弟げんかは、毎年の課題です(笑)。
夏休みに必要な勉強時間とは?学年別理想の勉強時間や効果的な勉強方法を解説(https://sabusuta.jp/column/summer-vacation-studytime/)
夏休みの勉強計画!小学生が夏休みにやるべきこととは?(https://allabout.co.jp/gm/gc/382921/)
勉強以外にも!小学生が夏休みにつけたい力
夏休みは、勉強の復習や苦手克服をするだけでなく、さまざまな力を身につけるチャンスにもなります。家で過ごす時間が長くなる子どもは、どのような力を育むとよいのでしょうか。
生活リズムづくり
毎日休みだと、夜更かし・朝寝坊のリズムができてしまう可能性がありますが、1か月以上リズムが乱れた生活をしていると、2学期に響きます。夏休みもリズムを作り、規則正しく過ごすことが大切です。
小学生の理想的な睡眠時間は、9~11時間といわれています。学校がある日は習い事などで睡眠時間が短くなってしまうという家庭も、夏休みは良質な睡眠が取れるような就寝・起床時間を設定しましょう。わが家は、夏休みのあいだは(私が)ちょっとだけ寝坊したいので、「21~7時の10時間寝てね!20時半には布団に入ろうね!」としました。
また、計画表を作ると1日の過ごし方を整えやすいです。旅行や塾などの習い事、遊びの予定などを計画表に書き込み、それ以外の時間はできるだけ毎日同じように過ごしましょう。
お手伝いの習慣
日々の計画のなかには、「使ったものを片付ける」「洗濯物を一緒にたたむ」など、1日10分程度でよいので、お手伝いタイムを入れるのもおすすめです。毎日同じお手伝いをすれば、片づけがうまくなる、タオルがきれいにたためるようになるといったスキルアップが期待できます。「今日はこれをお願いね」と、毎日違うお手伝いに挑戦するのも、普段大人が行っている家事の内容を把握するのに有効です。
考えて行動する力
夏休みを通して、子どもが自分で考えて行動する力も養えます。学習をはじめとした計画を立てる際も、保護者が決めた目標やスケジュールを押し付けるのではなく、子どもが主体となって考えることが大切です。
夏休みを過ごすなかで空いた時間ができた場合、「何をすればいいの?」と、保護者に次の指示を求めるケースも少なくありません。このとき、保護者はすべてお膳立てするのではなく、やるべきことややりたいことを自分で考え、提案したり行動に移したりできるようサポートしましょう。
習い事などのスキルアップも
夏休みは、勉強以外の習い事の練習時間も確保しやすいです。ピアノやダンス、サッカー、プログラミング、絵画など、習い事のジャンル・種類は豊富にありますが、子どもの得意なこと、好きなことが伸びるような時間も作りましょう。習い事以外の趣味を充実させるのも、おすすめです。
小学生は夏休みが勉強のチャンス!計画的を立てて有意義に過ごそう
小学生の夏休みの勉強時間の平均は、40~60分ほどです。夏期講習に行く子どもや中学受験をする子どもは、さらに長い時間勉強します。夏休みは自由な時間が多いため、「長く勉強したほうがよい」と思いがちですが、「量より質」を重視し、子どもの身になる学習を計画的に進めていきましょう。
保護者は仕事や家事の合間に、子どもの勉強を見たり遊びに付き合ったりと、忙しい時間を過ごすことと思います。子どもと過ごせる時間は限られているとわかっていても、疲れたりイライラしたりする日が出てくるかもしれません…。大人もちょっとした「お楽しみ」を交えながら、長い夏休みを乗り切りましょう!