6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。
習い事ランキング上位の常連でもある英会話ですが、「英語を何歳から始めるとよいのか」で悩む保護者も多いのではないでしょうか。スタートの時期を見極めると、さまざまなメリットが期待できます。
今回は、英会話を何歳から習うとよいかや、メリットを解説します。幼児期から英語を始めるデメリットや学び方の選択肢も知り、最適なタイミングを見極めましょう。
英会話は何歳から始めるとよい?
英会話を何歳から始めるとよいかは諸説ありますが、最もおすすめといわれているのは保育園や幼稚園に通う時期である4~6歳です。その他の年齢からのスタートとともに、その理由を見てみましょう。
おすすめは4~6歳
子どもの脳は3歳までに80%、6歳までに90%発達するといわれています。生まれてから3年で急激に発達した脳は、4~6歳頃までにさらに成長し、スムーズな言語習得を可能とします。この時期に英語を習い始めれば、単語や会話をどんどん吸収し、発音も含めた生きた英語力を身につけられるでしょう。
小学生から始めても遅くない!
ベストな時期といわれる4~6歳を逃してしまっても、英語を習うのに「遅すぎる」ということはありません。小学生になると、学校の授業で「人から習う」力が自然に身についてきますし、未就学児よりも言葉の理解が早いです。低学年から始めると英語への抵抗感を軽減しやすいですが、学校で英語の授業が始まってから興味・関心を持ってスタートしても、「好きなこと」だからと意欲的に取り組めるでしょう。
0〜3歳で始めるのは早すぎる?
反対に、0~3歳の小さな子どもが英語を習うのは早すぎるのかというと、一概にそうではありません。0~1歳の子どもはまだ日本語もじゅうぶんに話せないことが多いので、本格的に習うのはやや早いものの、聴覚が優れているので日常的に英語に触れさせると、それ以降の英語学習がスムーズになります。
2歳、3歳は個人差はあるものの、記憶力や理解力、思考力などが3歳に向けて急速に発達する時期です。4~6歳と同じように、英語に関心を持てるようなカリキュラムで、遊び感覚で学ぶのは悪いことではありません。
ただし、この時期の子どもはじっと座っていられなかったり、いわゆる「イヤイヤ期」にあたって習い事に集中できなかったりすることもあるので、無理に習わせるよりも英語に触れる習慣をつけたほうがよいでしょう。
年少になって、幼稚園や保育園で座って話を聞く、集団で取り組むことに慣れてきたら、習い事として英会話に通っても、大きな成果が見られます。
英会話は何歳から始める?幼少期から学ぶメリット(https://www.winbe.jp/column/column_14/)
英会話は何歳から始めるのがベスト?大人向けの効果的な学習方法も解説(https://www.bizmates.jp/blog/suitable-age/)
幼児期から英語を習うメリットは?
4~6歳の幼児期から英語を習うことで得られるメリットは、大きく5つです。それぞれ詳しく解説します。
耳や脳が英語に慣れやすい
小さな頃から英語を聞いていると、耳や脳が自然に英語に慣れていきます。幼少期は聴覚が柔軟で、言葉ではなく「音」として英語が脳に入るので、スムーズに英語を身につけられます。
小学校に上がってからの英語は、「授業」「勉強」という意識が強くなります。その前に英語を自然な形で身につけられるのは、大きなメリットです。
正しい発音が身につく
英語は日本語にない独特の発音が特徴的で、苦手意識を持ってしまう人も少なくありません。聴覚が優れた幼少期は細かな音の違いも聞き取りやすく、正しい発音で英語が話せるようになります。
海外で通じるネイティブに近い発音は、成長すればするほど「声に出すのが恥ずかしい」と感じる人が増え、カタカナ英語で話してしまいがちです。しかし、幼少期はそうした「恥じらい」もないので、堂々と発音を声に出して定着させられます。
英語への苦手意識をなくせる
英語に触れる機会が少ないまま成長すると、英語に対して苦手意識を持ちやすくなります。幼少期から英語に触れていれば、「日常の中に当たり前にあるもの」という認識で、「遊び」から本格的な「学習」に移行しても、抵抗感なく取り組めるでしょう。
海外の文化への理解が深まる
英語を学ぶなかで、海外にある国やそこでの文化にも触れられます。小さなうちからグローバルな視点で物事を見られるのも、幼児期から英会話を習うメリットです。日本にはない言葉や文化があることを早い段階で知れば、英語以外の言語にも興味を持つ可能性が高まります。
小学校の英語の授業に対応できる
小学校での英語教育は、2020年度から正式に実施されています。3.4年生は外国語活動を行い、5.6年生は英語を1つの教科として扱います。
小さな頃から英語に触れていれば、小学校で英語の授業が始まってもスムーズに理解できます。小さな頃から培ってきた英語力が授業で生きれば、子どもの自信にもつながるでしょう。
子どもに英会話を習わせる効果は?必要性や注意点も解説(https://human.sankei.co.jp/guide/column/kids-english-effect/)
幼児期から英語を習うとデメリットも!
小学校入学前から英語を習うメリットは多くありますが、タイミングや方法を間違えると子どもの負担になったり、せっかく習っても無意味になってしまうかもしれません。英語を習い始める前には、どのようなデメリットがあるかを知っておくことも大切です。
言語が混乱することがある
幼児期は言語をはじめ、さまざまな知識を吸収する重要な時期です。英語学習に適したタイミングではありますが、詰め込みすぎると言語が混乱する可能性があります。幼児期は日本語の語彙や表現も未発達ですので、そこに英語の知識を多く入れてしまうと、日本語への関心が薄れる、どちらの言語も中途半端になることもあるため注意が必要です。
本格的な英会話や英語を習うのは、子どもの日本語力がある程度養われてからにして、小さいうちは歌や遊びを通して英語に触れるような習い事を検討しましょう。
子どもの負担になる可能性がある
保護者は「小さいうちから英語を」と思っていても、子どもはそう思っていないこともあります。通っているうちに楽しくなれば問題ありませんが、いやいや続けるのは子どもの負担になってしまいます。英語に苦手意識を持てば、小学校以降の授業にも影響するため、無理強いは禁物です。
継続しないと忘れてしまう
英語を習っているうちは、興味を持ってさまざまなシーンで英語を使うでしょう。しかし、継続しなければせっかく習った英語を忘れてしまいます。もちろん、5年、10年と小学校や中学校に入るまで続ければある程度の英語力は残りますし、その後、学校の授業で英語に触れることで著しい低下は防げるでしょう。
しかし、2~3年で辞めてしまった場合、お金と時間をかけて積み上げた英語力がゼロに等しいレベルにまで戻ってしまう可能性は高いです。
わが家の長男は、年少から1年ほど英会話教室に行っていました。歌やカードなどで楽しく学び、生活のなかでも英語を口にする機会はありましたが、コロナがきっかけで辞めてからは、ほぼ「日本語オンリー」の生活です。
しかし、3年生になって週に1回ほど外国語活動が入るようになり、最近「英語で会話しよう」と持ちかけてくるようになりました。幼児期の英語、というか英会話を習っていたことすら覚えていない長男ですが、私は息子を見ていて、定期的に英語に触れることの重要性に気づけた気がします。
幼児期の英語、どこでどのように学ぶ?
幼児期から英会話を習おうと思ったら、どこで、どのように学ぶかも検討しましょう。子どもが英語を習う方法は、4つあります。
英会話教室
対面式の子ども向け英会話教室に通う人は、最も多いのではないでしょうか。歌やゲームなどを通し、楽しみながら英語に触れることを重視している英会話教室は、ネイティブ講師が担当する教室と、日本語講師が教えている教室から選べます。
「英語が楽しい、面白い」という気持ちで取り組めるのがメリットですが、会話はできても単語や文法が理解できず、学校の授業につなげにくいのはデメリットです。
オンライン英会話
最近は対面だけでなく、オンラインで学べる英会話教室も増えています。内容は前述の通りですが、自宅など好きな場所でリラックスして学べるのは、オンラインならではのメリットです。しかし、講師が目の前にいるわけではないので、子どもの興味が逸れてしまう、うまくコミュニケーションが取れないといったデメリットが生じることもあります。
プリスクール
プリスクールとは、英語で未就学児の保育を行う施設です。受け入れ年齢や開講日数は施設によって異なります。保育園や幼稚園のような生活を通して英語を学ぶので、英語力だけでなく協調性やマナーも学べるのは、プリスクールの魅力です。
しかし、認可外の保育施設であるケースが多く、費用は高くなります。また、英語で生活するので、週5日預けると日本語に触れる機会が各段に少なくなるのも、デメリットになるかもしれません。
保護者が教える
保護者が英語が好き・得意という場合は、自分で教えるのも1つの方法です。英語の番組や教材、動画などを活用すれば、費用を抑えて子どもが英語に触れる機会を作れます。また、時間の制約がなく、好きなタイミングで教えられるのもメリットです。
しかし、親子で何かを教えるとなると、どちらにも「甘えが」生じやすくなります。子どもは「ママやパパだから」とふざけてしまい、保護者は真剣に教えようとするあまり、そういった子どもの態度に強く叱りすぎてしまうかもしれません。
自分で教える場合、年齢が低いうちは「楽しく英語に触れる」ことを重視して構えすぎないことが大切です。アルファベットを書く、単語を覚えるといった本格的な「英語」は、年長や小学校に上がってからにするとよいでしょう。
子供の習い事に英語はあり?なし?メリットとデメリットを比較してみよう(https://www.rarejob.com/englishlab/column/20210904_04/)
メリットを生かした英会話学習のポイント
何歳からスタートするにしても、よりよい英会話学習で多くのメリットを得るには、環境選びや保護者の声かけなどが重要です。英語を習う前には、4つのポイントも確認しておきましょう。
遊びを通して学べる環境を選ぶ
幼児期のように小さい頃から英語を習う場合は、「遊びを通して英語に触れる」という点を重視しましょう。椅子に座って、じっと机に向かうような勉強は、幼児期にはまだ難しいケースが多いです。
簡単なゲームや歌でさまざまな単語を知ったり、コミュニケーションの方法を学べる英会話教室は、幼児期の英語教育に最適だといえます。
日常的に英語に触れる機会を作る
英会話教室に行っていれば、英語力がどんどん伸びていくということはありません。保護者が日常的に英語に触れる機会を作ることで、子どもの英語力は徐々に伸びていきます。
難しいことをする必要はなく、習い事で聞いた歌を一緒に歌ったり、ゲームを実践してみたりするだけで、英会話教室で得た学びが定着します。YouTubeを見る時間に、英語の動画を流すのもよいでしょう。
保護者がプレッシャーをかけすぎない
前述の通り、子どもが英語学習に意欲的でないのに保護者が強要すると、苦手意識が芽生えることもあります。子どものプレッシャーになるような声かけや勉強の押しつけは、しないほうがその後の英語学習にもよい影響を与えやすいです。
もし「もっと英語に触れてほしい」と思う場合も、子どもが興味を持ちやすいものを取り入れましょう。日本語で見て気に入ったアニメや映画を英語で流してみるなど、すでに関心のあるものを活用するのも1つの方法です。
それでも子どもが嫌がる場合は、無理に家のなかに英語を取り入れるのは控えましょう。
楽しく続けられる方法を選ぶ
英会話教室で講師や仲間と英語に触れるのが好きという子どももいれば、家で英語の動画や歌を視聴するだけで満足という子どももいます。年齢が上がれば、「塾や公文で学問として英語を学びたい」と思う子どもも出てきます。
「こうして欲しい」という保護者の願望よりも、子どもが楽しく続けられる方法を優先したほうが、英語を継続的に学びやすいです。子どもの意見を尊重して楽しく続けられれば、結果的に読み書き、そして会話と、総合的な英語力アップにつながる可能性が高いので、やはり無理強いはしないのが賢明です。
英会話は4~6歳のスタートでメリットを得やすい!効果的な英語学習で将来の選択肢を広げよう
英会話を何歳から始めるかは家庭の方針にもよりますが、4~6歳頃からスタートするとメリットを得やすく、将来的にも英語力アップが期待できます。小さいうちは子どもが英語を「楽しい」「好き」だと思えるようにすることを重点に置き、最適な方法での学習を実践しましょう。