十五夜とは何をする日?おすすめの過ごし方や食べ物を紹介!

6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

刺すような猛暑はやや落ち着いたようにも感じますが、ここ数年は9月、10月に入っても「まだ夏?」と思うような暑い日が多くあります。寒い冬に向かっていく秋の行事の1つが、十五夜です。

今回は、十五夜に関する情報をお届けします。風習や親子でのおすすめの過ごし方を知り、ぜひ秋の夜長をよりよく過ごす参考にしてください。

目次

十五夜はどんな日?十三夜や十日夜との違いは?

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まずは、十五夜とはどのような日なのかを確認しましょう。「十三夜」「十日夜」と呼ばれる日との違いも、解説します。

十五夜とは

「十五夜」は、旧暦の8月15日の月です。この日に見られる「中秋の名月」を楽しみながら、収穫に感謝をします。「中秋の名月」は、1年のなかで最も美しいといわれている、秋に見られる月です。

十五夜の始まりは、平安時代までさかのぼります。当時、中国では「中秋節」という行事が行われており、人々は月を見ながらお餅を食べたりお茶を飲んだりしていました。この行事が日本に伝わって平安貴族たちの行事となり、江戸時代には庶民にも広がりました。

2024年の十五夜は?

2024年の十五夜は、9月17日です。前述の通り、旧暦の8月15日に見られる月を指すので、十五夜の日は毎年変わります。

2023年の十五夜は、9月29日でした。2025年は10月6日、2026年は9月25日が十五夜に当たります。筆者はこれまで、「十五夜=9月の行事」というイメージを持っていたので、10月になることもあると知り、少し驚きました。

十三夜、十日夜との違い

十五夜には1年で最も美しい月が見られますが、十五夜に次いで美しい月が見られるといわれているのが、「十三夜」です。十五夜の約1ヵ月後、旧暦9月13日の十三夜は、別名「栗名月」「豆名月」とも呼ばれ、栗や豆の収穫を祝います。

また、十三夜からさらに1ヵ月後、旧暦10月10日を「十日夜(とおかんや)」といい、この日もお月見をする風習があります。田の神様に感謝をするこの日は、田の神様に感謝する収穫祭が行われることも多いです。

十五夜とは?2024年はいつ?お月見の風習を解説!月見団子やススキのお供え方法も(https://www.jalan.net/news/article/482783/

十五夜の風習

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十五夜には、古くから続く風習を実践してみましょう。飾りやお供え物には、それぞれどのような意味が込められているのかも知ると、より充実した十五夜を過ごせます。

ススキを飾る

十五夜には、秋の七草の1つ、ススキを飾る風習があります。十五夜には、秋の収穫への感謝を込めてお供えをしますが、お米がなる稲穂の成長は、地域によって異なります。すでに収穫が終わっている、まだ実がなっていないなど地域差があることから、稲穂の代わりにススキを飾るようになったといわれています。

また、ススキには魔よけの効果があるともいわれており、飾ることで「災いから農作物を守る」意味が込められているそうです。

お供え物をする

十五夜には、お供え物をするのも風習の1つです。お月見団子や農作餅を供え、収穫への感謝を表します。お供えする農作物は、栗や里芋、豆類、お米などの収穫されたばかりのものです。また、ブドウのようなツルになる野菜や果物も一緒にお供えをすれば、月とのつながりが強くなるといわれています。

月を眺める

十五夜には用意したススキや農作物を縁側に飾り、月を眺めます。1年で最も美しい「中秋の名月」を眺めながら、お月見団子を食べたり家族で談笑したりして、自然の恵みに感謝しましょう。

2023年の十五夜はいつ? 由来や風習、いただく食べ物、十三夜や十日夜との違いまで紹介(https://oggi.jp/6230926
十五夜とは?2024年ではいつ?お月見にお供えするものや食べ物についても紹介(https://dmarket.docomo.ne.jp/trend/useful/113204/index.html

十五夜にちなんだ食べ物は?

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十五夜には、お供え物としてお団子や農作物を飾ったり口にしたりします。お供え物に選ばれる食べ物には、どのような意味が込められているのでしょうか。

月見団子

十五夜やお月見というと、月見団子を連想する人も多いでしょう。月見団子は米粉で作った一口サイズの白い団子で、お米が収穫できたことへの感謝と、次の年の豊作を願ってお供えします。

月見団子は、十五夜にちなんで15個用意するのが一般的です。「三方」という神棚にお供え物をする際に使用する台に白い紙を敷き、下から9個・4個・2個と3段で並べるのが正しいお供えの仕方です。

芋類

古くから、秋の収穫物の1つである芋類をお供えしていた十五夜は、別名「芋名月」とも呼ばれます。里芋やさつまいもなどの芋類はお供えしたあと、料理して家族でおいしくいただきましょう。京都の里芋田楽、山形の芋煮など、芋を使った料理がある地域では、お供えした芋類を郷土料理にするのもおすすめです。

旬の野菜・果物

秋の収穫を感謝する意味を込めて、美しい月が見える特別な日には、芋類以外の野菜や果物をお供えすることも多いです。伝統的な十五夜を楽しむなら、さつまいもや栗、柿など、秋ならではの野菜や果物もぜひ用意してみてください。

前述の通り、月との結びつきを強めるといわれるツルがあるものをお供えするなら、ぶどうのほか、アケビなどもよいでしょう。

十五夜の食べ物と言えば?十五夜の由来からお月見レシピ7選まで!(https://event.rakuten.co.jp/family/story/article/2023/full-moon-food/

十五夜におすすめの過ごし方

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伝統的な風習の1つである十五夜ですが、あまり馴染みがないという家庭もあるかもしれません。わが家ではこれまで、十五夜が何か説明する、月見をするといったことをしてきませんでした。

1年で最も美しい月を堪能しながら、家族でよりよい時間を過ごすには、どういったことをすればよいのでしょうか。

十五夜・お月見に関する本を読む

「月を見て楽しむ」ことを実践するためには、十五夜やお月見に関する絵本を読むとよいでしょう。「おつきみバス」や「14ひきのおつきみ」など、幼児でもお月見をわかりやすく理解できる絵本は多くあります。

年齢が上がってきたら、月に関する図鑑や書籍で月の満ち欠けなども学ぶと、より月への理解が深まり、興味も示しやすいでしょう。

お月見、うさぎをモチーフにした工作をする

行事にちなんだ工作は、親子でコミュニケーションを取りながら充実した時間を過ごす手段の1つです。十五夜には、月やうさぎをモチーフにした工作がおすすめです。

黄色い画用紙や折り紙で月を作り、白い紙でお月見団子、好きな色のうさぎを作って壁に飾れば、お部屋のなかが一気に十五夜の雰囲気に変わります。粘土や紙皿など、材料の工夫を凝らしても面白いでしょう。

月見団子を作る

月見団子は市販されているものもありますが、子どもと一緒に作ると、飾ったり食べたりするのがより楽しみになります。お月見のお供え物には白い月見団子を用いるのが一般的ですが、色や味をつけたさまざまなお団子を作ってみるのもよいでしょう。

ススキや食べ物を飾る

十五夜の飾りやお供え物の定番である、ススキや秋の野菜・果物を用意すると、一気に行事感が増します。テーブルやおぼん、花瓶、月見団子を載せる三方など、飾るためのアイテムにもこだわって、秋の思い出を写真に納めるのもおすすめです。

お月見を楽しむ

十五夜といえばお月見なので、工作や料理、飾り付けなどを楽しんだあとには、美しい月を見ながら、家族で秋の夜をのんびりすごしてみてください。「野菜や果物、お米が獲れることに感謝しよう」と、十五夜の意味も伝え、月の話や食べ物の話といったさまざまな話題で語り合うと、家族の絆もより深まるでしょう。

【今週の今日の1冊】十五夜に向けて読みたい、お月見の絵本(https://style.ehonnavi.net/ehon/365ehon/2019/09/09_086.html
十五夜の意味とは?十五夜の由来や過ごし方を紹介!(https://hoiku.mynavi.jp/contents/hoikurashi/childminder/knowledge/12242/

今年の十五夜は9月17日!伝統行事を親子で実践しよう

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十五夜にあたる旧暦の8月15日には、「中秋の名月」といわれる1年で最も美しい月が見られます。2024年の十五夜は、9月17日(火)です。お天気に恵まれ、きれいな月が見られるとよいですね。平日ですがぜひさまざまな準備をして、伝統的な行事を親子で楽しんでみてください。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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