1999年、博多のシンボルとなる演劇専用劇場として誕生した博多座が今年25周年を迎えました。歌舞伎やミュージカル、宝塚歌劇、歌手の座長公演など多彩なラインアップで観客を魅了し続ける博多座の意外と知らない謎に迫ります。
【ナゾ1】開業のきっかけは?
元々博多はたくさんの芝居小屋がある“芸どころ”でした。映画やテレビなど娯楽の変化で芝居小屋がなくなったため、本格的な歌舞伎やミュージカルを上演できる劇場を建て、文化と街づくりで福岡市の魅力を向上させるという目的のもと1999年に誕生。下川端地区再開発の核テナントのひとつでもありました。
【ナゾ2】博多座ならではの舞台の特徴は?
歌舞伎、ミュージカル、宝塚歌劇といった異なるジャンルを上演できる日本屈指の舞台機構を持つことと、それによって相乗効果が生まれたことです。歌舞伎は基本的に生音で上演されるので、生音でも聴こえるように音響設計されているのですが、ミュージカルでマイクを使った際の豊かな響きにつながりました。歌舞伎上演のために客席が横広に設計されているので舞台と客席が近いとよくいわれます。
逆に、大型ミュージカルに対応できることで、スーパー歌舞伎のような大掛かりな歌舞伎公演にも対応できます。花道とオーケストラピットを兼ね備えており、全国的にも珍しい劇場です。
そして、舞台の裏はすぐ楽屋になっているので移動が楽なのと廊下の幅が広く、大きな衣裳でもすれ違うことができ、役者さんには演じる上でのストレスが軽減されてとても喜ばれます。
【ナゾ3】館内に「隠れロゴマーク」があるって本当?
エントランスのシャンデリアのふち部分にあります。ロゴマークは福岡市民にはおなじみのグラフィックデザイナー西島伊三雄さんの作品です。博多祇園山笠の舁(か)き縄をモチーフに人と人との固い結び付きを表し、末広がりに。ロゴタイプは歌舞伎などで大入り満員を願い、文字を肉太に書く日本の伝統に倣ったものです。
【ナゾ4】広報担当者の「おすすめ弁当3選」は?
おすすめNo.1は、花幸の「ごひいき弁当」(1.300円)。ちらしずしや赤飯など4種類のご飯が楽しめて定番の人気。
おすすめNo.2は、串匠の「だし巻きサンド」(1,000円)。手のひらサイズのサンドイッチが休憩時間にサクッと食べるのにぴったり!
おすすめNo.3は、やまこうの「松花堂弁当」(1,600円)。銀鱈(ぎんだら)の西京焼き、だしを利かせた優しい味の煮物、あえ物が充実しています。
「博多座あんぱん」(250円)もロゴ入りで大人気です!
【ナゾ5】知る人ぞ知る“博多座トリビア”とは?
実はお手洗いの回転率の速さが演劇ファンの間で有名です。全体の4分の3が女性用。使用中かどうかが分かる「〇×」の看板付きで、休憩中はお手洗い内で係が誘導しています。
それから、客席は1階と2階・3階で背もたれの長さと角度が違うんですよ。傾斜の少ない1階席は103度、傾斜の強い2階・3階席はハイバックで97度です。
実物大のヘリコプターが登場するオリジナル演出のミュージカル「ミス・サイゴン」は、装置が大掛かりなため長らく東京の帝国劇場でしか上演できませんでしたが、博多座ができたことで東京以外でも初めて上演されました。
さらに2012年には「Endless SHOCK(エンドレス ショック)」の上演のために数千万円をかけて天井に穴をあける大改修を行い、こちらも地方公演は博多座が第1号でした。ちなみに博多座の舞台の奥行きは、1階の客席の奥行きと同じ。舞台袖も含めると1階客席よりも舞台面の方が広いです。
博多座は再開発事業の中で生まれた劇場なので、地下鉄中洲川端駅の上に建設することができました。免震構造で電車の振動や騒音の影響もありません。地下鉄直結ということで、空港や新幹線からのアクセスの良さは全国の劇場でもピカイチです。
NHKの番組「あさイチ」で紹介された「推し劇場」ランキングではなんと6位に選ばれました。博多座は、音響の良さ、アクセスの良さ、ロビーのにぎわい、スタッフのホスピタリティー、劇場装飾などでの盛り上げ、SNSでの発信などさまざまな点が評価されています。
【ナゾ6】館内に美術品が展示されているのはなぜ?
博多はアジアとの関係が深い風土であることから、“アジアに門戸を開く博多座”という意味も込めて、同時期に隣に誕生した福岡アジア美術館の収蔵品を展示。
「勧進帳」の飾り山笠のミニチュアや「暫(しばらく)」の博多人形などがあり、舞台以外の時間も楽しめるようにしています。
そのほか、エントランスの床に化石が埋まっているという遊び心も!
【ナゾ7】初心者が楽しむポイントは?
ホームページやチラシで、ある程度のあらすじや出演者・役名などを把握しておくとよいと思います。初めてだとハードルが高く感じる歌舞伎は、イヤホンガイド(有料)があると分かりやすいです。あとはデパ地下や縁日のようなにぎわいのあるロビーで劇場グルメやお土産をお楽しみください!
【ナゾ8】館内限定のお土産やグッズはある?
25周年記念グッズの遮光ポーチと観劇ノートがおすすめです。特に9月に発売されたばかりの遮光ポーチはSNS上でも反響があり初回分が完売して追加発注をしました。
広報担当者が選ぶ「おすすめ博多座オリジナルグッズ」を紹介します!
1つ目は「遮光ポーチ」(2,500円)。遮光生地を使ったポーチで、スマートフォンやスマートウォッチなどを入れても光が漏れないので観劇に集中できます。
2つ目は「観劇ノート」(1,000円)。公演内容や思い出をつづることができるノートで、チケットが入るポケットページもついています。
3つ目は「ブランケット」(2,000円)。 博多座の提灯(ちょうちん)やロゴマークなどをあしらったかわいらしいデザイン。肌ざわりもよくコンパクトサイズです。
昨年も大好評だった「兵動大樹のおしゃべり大好き。46」が10月23日(水)に上演されます。話芸のスペシャリスト兵動大樹さんがノンストップでしゃべり続け会場を爆笑の渦に巻き込む人気公演です。ぜひご覧ください!
博多座
住所 福岡市博多区下川端町2-1
電話 092-263-5555