非認知能力はどんな力?重要性や非認知能力アップにおすすめの習い事を紹介

6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

生きる力を養ううえで重要な「非認知能力」は、習い事によって小さい頃から身につけることができます。どのような内容を選ぶと、将来役立つ力を育めるのでしょうか。

今回は、非認知能力アップにおすすめの習い事を紹介します。力をメリットや、幼少期からのスタートが推奨される理由も知り、習い事選びの参考にしてみてください。

目次

非認知能力とは?

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「非認知能力」とは、学力以外の数値化できない能力のことです。「認知能力」といわれる知的な能力はテストなどで数値化できますが、非認知能力は正解がなく、数値化が難しい抽象的なものだといえます。

たとえば、コミュニケーション能力やリーダーシップ力、行動力、忍耐力、対処能力、想像力、自信の有無などは、非認知能力に分類されます。

なぜ非認知能力が注目されているか

非認知能力が注目されるようになったきっかけの1つに、ジェームス・ヘックマン氏の研究があります。ジェームス・ヘックマン氏は、2000年にノーベル経済学賞を受賞した人物で、彼の研究では「知能指数では測れない学力以外の何かが、その子どもが将来成功するかに大きく関わってくる」ということがわかっています。

学力以外の何かとはつまり、非認知能力のことです。これを伸ばせば意欲的に取り組んだり、周囲と協力して目標を達成したりでき、成功につながります。

非認知能力を高めるメリット

非認知能力は数値化しにくいものの、前述の例を見れば人格形成や物事への取り組み方に大きく関わることがわかるでしょう。非認知能力を高めるメリットは、大きく2つです。

・認知能力アップにつながる
・人生を豊かにできる

集中力や忍耐力、発想力、客観的思考力などは、数値化できない「非認知能力」です。しかし、学習などの認知能力を高めるには、集中して粘り強く取り組んだり、発想を転換・工夫させたり、客観的に物事を見たりすることも大切です。非認知能力を高めると、学校の勉強にもよい影響を及ぼすでしょう、

また、自己肯定感の高さやコミュニケーション力、感情をコントロールする力、失敗から立ち直る力などは、その人の生き方に関わる非認知能力です。さまざまな物事に興味・関心を持ったり、前向きな気持ちで生活をしたり、新しい環境でも仲間をたくさん作ったりすると、豊かな人生だと感じられます。自分の生き方に納得し、幸福感を得ながら日々を過ごすためにも、非認知能力は重要な役割を果たすといえるでしょう。

非認知能力を伸ばす習い事11選|子どもの成長に必要な能力を高める方法とは(https://www.programming-cloud.com/column/children/2024-08-11/
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非認知能力が高まる時期とその理由

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非認知能力を高めるなら、どれくらいの年齢から習い事を始めるとよいのでしょうか。時期と理由を確認しましょう。

非認知能力が大きく伸びるのは幼少期

非認知能力が大きく伸びるのは、幼少期といわれています。幼少期というと「3~4歳くらいかな」と思う人もいるかもしれませんが、幼児期・学童期にあたる1~12歳くらいを指します。

就学前の早い時期から習い事を始めれば、そのぶん得られる力もありますが、「小学校に入ってからでは遅い」というわけではありません。小学生がこれから習い事を始めても、非認知能力が伸びる可能性が高いです。

幼少期に非認知能力が高まる理由は、大きく3つあります。

脳の発達が活発だから

幼少期は脳の発達が活発で、さまざまな学びや経験を通して脳の神経回路の結合が強化されます。成長するにつれて情報を受け取る力はだんだん弱くなっていくので、早い時期から習い事をして脳を刺激すると、非認知能力を高めやすくなります。

好奇心旺盛な時期だから

幼少期は、新しいことに興味を持ちやすい時期でもあります。見たもの、聞いたこと、触れたものに関心を持って、自ら学ぶ姿勢がある幼少期に習い事をすれば、習い事での体験を通して想像力や困難に立ち向かう力、忍耐強く考える力などが身につきやすいといえます。

学びを日常に取り入れやすいから

習い事で得た学びを日常に取り入れやすいのも、幼少期の特徴です。習い事では、指導者や先輩達からの直接的な指導で得られる学びはもちろん、前を行く人たちの姿を見て得るものも多くあります。まねしたり、言葉の意味を考えたりするなかで、客観的思考力や工夫する力などが育っていきます。また、人との関わりを通してコミュニケーション力なども身につくでしょう。

東大生100人にアンケート!非認知能力を育てる習い事とは? (https://carpe-di-em.jp/media/2219

非認知能力を高めるのにおすすめの習い事

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非認知能力を高めると、子どもの成長やその後の人生によい影響をもたらすことがわかりました。では、非認知能力を高めるためには、どのような習い事を選ぶとよいのでしょうか。おすすめしたい8つの習い事を紹介します。

楽器・リトミック

楽器は指を使って演奏するので、前頭前野を鍛えられます。前頭前野は記憶や思考、感情の制御などを担う部位で、非認知能力に密接した場所です。ピアノやバイオリン、ドラム、エレクトーン、和太鼓など、楽器の種類も豊富なので、子どもの興味があるものを選ぶとよいでしょう。

また、リトミックはリズムに合わせて体を動かす習い事です。記憶力や集中力に加え、音楽から想像したり表現したりする力を楽しく身につけられるので、こちらもおすすめだといえます。

絵画・工作

与えられたテーマを絵や作品で表現する絵画や工作も、非認知能力を高められる習い事です。どのような作品にするかという想像力や発想力、それを形にするための工夫が必要で、作業中には集中力を養えます。脳内にあるイメージを作品としてアウトプットするなかで、「思っていたのと違う」「こうすればイメージに近づくのでは」という、客観的思考力も高まるでしょう。

料理

子ども向けの料理教室では、家事スキルと非認知能力を同時にアップできます。レシピ通りに作るなかで、「この作業とこの作業を並行したら効率的に作れる」「この方法のほうが上手に作れる」といった、自分なりの工夫ができるようになります。慣れてくると、材料を見てオリジナルのレシピを思いついたり、「カレー」などのテーマに合わせ、自分なりの工夫を加えた一品を作ったりもできるでしょう。

盛り付けにはセンスや個性が出るので、「おいしそう」と思われるような見映えや、自分の表現したいイメージを反映させた盛り付けをするなかで磨ける力もあります。グループで料理を作る教室なら、さらに協調性も身につきます。

書道

美しい字が書けるようにと習う書道でも、非認知能力を養えます。きれいに書くには、限られたスペースにどのように文字を配置するかを考えなければなりません。イメージした完成形のように書くためには、高い集中力が求められ、うまくかければ自信につながります。

また、最近はお手本のように書くだけでなく、個々の表現力を重視した書道を教える教室も増えています。パフォーマンスを交えながら作品を作り上げる書道なら、感性や表現力もアップするでしょう。

プログラミング

小学校での必修化に伴い近年注目を集めているプログラミングも、非認知能力向上に役立つ習い事の1つです。子どものプログラミング教室では、物事を順序立てて考えたり、関係性を理解したりする「プログラミング的思考」を養うための学びが提供されます。習い事を通して、客観的思考力や判断力、目標を達成するために努力する忍耐力などの向上が期待できます。

また、チームで作業を行う場合は、コミュニケーション力や協調性も必要です。仲間とやり遂げた達成感や成功体験は、自己肯定感アップにもつながるでしょう。

体操

器械体操や新体操などは、試合を行えば点数で評価されるので、非認知能力アップにあまり役立たないと思うかもしれません。しかし、練習を重ねるための忍耐力や、難しい技を成功させるためには集中力が必要です。成功すれば自信につながり、さまざまな非認知能力を高められるスポーツだといえます。

水泳

未就学児や低学年を中心に人気の水泳は、身体能力の向上や試合でのタイムの競い合いなど、認知能力への影響が大きい習い事です。しかし、練習は集団で行われるのが一般的で、仲間と一緒に取り組むなかで、協調性や譲り合いの精神が芽生えます。また、目標に向かって努力する忍耐力、「1秒でも速く」とその瞬間に集中する力などもつくでしょう。

ボーイスカウト・ガールスカウト

ボーイスカウトやガールスカウトは、所属するグループによって活動内容が異なります。しかし、多くのグループが自然とのふれ合いを大切にした活動を行っています。

ボーイスカウトやガールスカウトでは、野外遊びを通してロープの使い方や手旗信号を覚えたり、ゼロから何かを作り上げたりとさまざまな体験が可能です。身につけた力は、家族や仲間とのアウトドアだけでなく、万一災害が起こった場合などにも生かせます。また、ルールを守ったりリーダーとなる人の指示に従ったりしながら活動するなかで、協調性も身につくでしょう。

集団スポーツも◎

サッカーや野球、バスケットボールのような定番の集団スポーツでも、自分の役割を理解し、協調性を持って取り組んだり、コミュニケーションを大切にして団結したりするなかで、非認知能力が高まります。試合では数値化された得点で勝敗が決まりますが、そこで得た成功体験は自信につながりますし、悔しい、失敗したという気持ちも、そこから立ち直ってさらに努力を重ねれば、対処能力や忍耐力への糧となるでしょう。

非認知能力が伸びる習い事は、子どもの”好き”を大切に選ぼう

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数値化が難しい「非認知能力」は、集中力やコミュニケーション力など、私たちの内面に関するものです。非認知能力がアップすると、学力のような認知能力や、人生そのものにもよい影響をもたらします。

今回は非認知能力をアップさせるのにおすすめの習い事を8つ紹介しましたが、どのような習い事も、さまざまな非認知能力を高めるのに効果があるといえます。現在子どもが習い事をしている家庭では、「習い事を通してどの非認知能力が育つか」を考えてみるのもよいのではないでしょうか。

これから習い事を始める家庭では、身につけさせたい力は何か、子どもの興味・関心があるものは何かなどを考えながら、最適な内容を選んでくださいね。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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