わが家には小学4年生の息子がいます。以前は、親の言うことを素直に聞いていました。ところが最近、口答えする回数が増えたり、物に当たったりと、反抗的に。私もついイライラしてしまい、涙が止まらなくなったこともありました。そこで、あることを決めたのでした。
息子から突然の暴言に、私もついイライラ
長かった小学校の休校が終わり、週に2日の登校が始まりまった頃の話です。ある朝、息子は服を着替え、キッチンで手を洗っていました。袖をまくらなかったので、びしょ濡れです。
私は「何をしているの? きちんと袖をまくって洗いなさい」と息子に注意しました。すると、
「うるさい、ババア!」と思いも寄らぬ言葉が返ってきたのです。
「えっ!? 今、何て言った?」と、私は固まってしまいました。いつもなら、嫌々でもちゃんと返事をしていた息子です。どうして急にそんな乱暴なことを言うようになったのか、私の頭の中はハテナマークでいっぱいでした。
それからというもの、息子は宿題で分からない問題があると、かんしゃくを起こすようになりました。エスカレートすると、鉛筆を投げたり、椅子を蹴ったり。自粛が続き、ストレスがたまっていたのかもしれません。とはいえ反抗的な姿を見ると、私も頭に血が上ってしまいます。
私は怒りを抑えるために、大きく深呼吸して冷たい水を飲んでから
「物に当たっても、何もいいことないよ」と優しく注意しました。しかし、何度言っても効果はありません。
「こう考えたら、答えが出やすくなるよ」と懸命に教えても、息子はギャーギャー泣きながら、じだんだを踏みます。 解決の糸口が見えず、ある日、とうとう私の怒りは最高潮に達しました。
「外で頭を冷やしなさい!」と暴れる息子の腕を引っ張って庭に連れて行き、玄関の鍵をかけて閉め出しました。怒りか、悲しみなのか、私は涙が止まらなくなりました。窓から庭を見ると、息子は座り込んでじっとしていました。少しの間、私も頭を冷やそうと思いました。
いわゆる「小4の壁」? ママ友の言葉に胸をなで下ろす
それから30分後。近所のママが回覧板を持ってきました。座り込んでいる息子を見て、
「何かあったの?」と心配してくれたので、一部始終を話しました。すると
「うちの子もそんな時期あったよ。自粛疲れもあると思うけど、いわゆる“小4の壁”だね」と言うのです。初めて聞く言葉にびっくりしました。
彼女によると
「そのくらいの時期になると、反抗的になる子どもが多いらしいよ。自己肯定感を持ち始める時期だから仕方がない」とのこと。私だけが悩んでいるわけではないと分かって、少しホッとしました。
その後、息子を家に入れると、すぐに
「ごめんなさい」と謝ってくれました。私も
「言い過ぎてごめんね」と伝えました。息子は安堵(あんど)の表情を浮かべていました。
その夜、息子の後ろ姿を眺めながら、「何でも親の言うことを聞く年齢ではなくなったんだな。全てに口出しするのはやめて、いざという時だけ注意する、見守りに徹しよう」と決めました。
反抗的な態度につられず冷静に諭せるように、血が上ってしまいそうな時は別の部屋へ行くなど怒りをコントロールして、「小4の壁」を乗り越えたいと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/伊藤優香)