6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。
小学生がゲームをする際には「いつからさせるか」「ルール決めはどうするか」などを考える必要があります。また、過度なプレイによる依存の可能性も考慮しなければなりません。
今回は、小学生のゲームに関する情報をお届けします。いつから始める子どもが多いかというデータも知り、依存しないためのルール作りの参考にしてみてください。
小学生のゲームはいつから?平均時間を見てみよう
まずは、小学生がどれくらいの時間ゲームをしているかを見てみましょう。また、いつからゲームをする子どもが多いかもわかると、始めるタイミングも考えやすくなりますので、併せて紹介します。
小学生の平均ゲーム時間
2022年にニフティ株式会社が実施した調査によると、小中学生の1日の平均ゲーム時間は、30分~2時間が全体の47%と、最も多い結果となりました。
全くしない子どもや「30分以内」と時間が短い子どもは23%、反対に2時間以上するという回答は全体の30%でした。
また、ガンホーが運営する「親子でスマホとゲームのお約束メイカー」では、2023年の調査で学年ごとの平均ゲーム時間を公表しています。
学年が上がるほどゲームをする子どもが増え、平均時間も長くなる傾向にあります。
毎日ゲームをする子どもは年齢が上がるにつれ増加
「親子でスマホとゲームのお約束メイカー」では、ゲームをする頻度についてもアンケートを実施しています。結果は以下の通りです。
ゲーム機器を持っていても遊ばない子どもも少数ながら存在しますが、多くの子どもが「ときどきする」「毎日する」と、ゲームをしていることがわかります。また、「毎日する」という回答は学年が上がるにつれ増え、高学年は半数以上という結果でした。
ゲームはいつからしている子どもが多い?
「ゲームをいつから始めるか」は、未就学児の保護者が検討することが多いのではないでしょうか。いつからゲームデビューしたかという調査では、「ゲームデビューの低年齢化」がわかる結果が出ています。
多くの子どもが小学校低学年からゲームを始めていますが、学年が小さくなるにつれ、入学前からゲームをしている子どもが多くなっています。きょうだいの長子が低学年でゲームを始めれば、第二子以降のゲームデビューも早くなりますし、コロナ禍で外出できなかった時期の年齢も大きく影響しているといえるでしょう。
ちなみに、わが家は長男が1年生のときのクリスマスに、兄弟でSwitchデビューしました。当時、次男は年中だったので、未就学児からゲームで遊んでいることになります。長期休暇はほぼ毎日1時間ずつゲームをしますが、普段は学校が休みの日に30分~1時間半のあいだで決めた時間遊んでいます。平均よりもゲームで遊ぶ時間や頻度は少なめですが、それでも2人ともゲームは大好きです(笑)。
小中学生の1日のゲーム時間は「1~2時間」が最多、好きなゲーム第1位は「あつまれ どうぶつの森」(https://kids.nifty.com/parent/research/20220902game/)
ゲームは何歳から? 小学生のゲーム・スマホ利用実態 2023年最新調査(https://anshin-game.jp/promise/report/230523.html)
小学生はゲーム依存症に注意!
多くの小学生が楽しんでいるゲームですが、毎日長時間遊ぶとゲーム依存になる可能性があります。ゲーム依存症による影響はもちろん、長時間のプレイは心身にデメリットをもたらすこともあるため、注意が必要です。
ゲーム依存症(ゲーム障害)の特徴
ゲーム依存症は「ゲーム障害」とも呼ばれ、世界保健機関が作成した「ICD-11」に診断基準が記されています。ゲーム依存症と診断される特徴は、以下の5点です。
・ゲームに関する自制ができない
・日常的な活動や生活上の興味よりも、ゲームの優先度が高い
・悪影響があってもゲームを続けたり、使用がエスカレートしたりする
・上記の行動が、生活や人間関係、健康に著しい支障を来す
・上記の状態が12ヵ月続いている
生活の中心がゲームになってしまい、症状や影響が深刻な場合は、12ヵ月未満でも「ゲーム障害」と診断されることもあります。
小学生がゲーム依存症になると…
ゲーム依存症によって起こる具体的な影響の例を見てみましょう。
・夜中までゲームをしていて朝起きられない
・寝坊による遅刻・欠席が増える
・集中力・記憶力が低下し、授業についていけない
・イライラしやすくなり、暴言や暴力が増える
・食欲が低下する
・ゲームに関する内容で嘘をつくようになる など
ゲームを心のよりどころとしてしまうことで、ゲームに触れられない時間に不安感や苛立ちを覚えるようになります。「朝起きられない」「勉強がわからない」「ゲームがない学校はつまらない」など、さまざまな要因が重なり、不登校になってしまう可能性もあります。
また、依存症を何とかしたいと思う家族に対して、ゲームに関することで隠し事や嘘が増える、制限されることで暴言を吐いたり、暴力を振るったりするなど、依存が進むと人間関係にも影響が及ぶため危険です。
ゲームのしすぎは他にもデメリットが
ゲーム依存症の症状以外にも、ゲームのしすぎは小学生に以下のようなデメリットをもたらすことがあります。
・画面の見過ぎで視力が低下したり、頭痛が起こったりする
・座りっぱなしで腰痛になる
・運動不足に陥り、肥満体型になる
・ブルーライト、運動不足の影響で良質な睡眠が取れなくなる など
体の不調や健康に影響する肥満は、運動をはじめとしたさまざまな活動への意欲を低下させてしまいます。結果、ゲームをすることを選択して依存が進んでしまうこともあるため、時間をはじめとしたゲームに関するルールは、しっかりと決めておいたほうがよいといえます。
【子どもにいつからゲーム機を買う?】ゲームをするメリットはある?(https://kosodatemap.gakken.jp/life/family/21793/)
インターネット・ゲーム依存(https://www.komagino.jp/medical-information/menu/game/)
小学生がゲームをするメリットはある?
心身への悪影響ばかりが注目されがちなゲームですが、うまく活用すれば小学生に多くのメリットをもたらすことが期待できます。ゲームによって得られるメリットは、大きく5つです。
集中力が高まる
ストーリーを進めたり試合で勝ったりするために、子どもたちはゲームの世界に没頭します。ゲームを通して集中力を高める経験ができ、その集中力を学習や習い事の練習などに生かせば、短時間でも高い効果が得られるようになります。
現実ではできない体験ができる
魔法を使う、モンスターと出会う、話せる動物たちと触れあう、理想の世界を創るなど、ゲームの内容はさまざまです。現実にはできない体験を通して想像力が育まれるのは、ゲームが与えるメリットでしょう。
また、史実に基づいたストーリーや、国内・海外の各地を舞台にしたゲームは、プレイするなかで歴史や文化、地理的な知識が身につくかもしれません。
考える力がつく
慣れないうちは、単純な操作や難易度の低いゲームを選ぶ傾向にありますが、ゲームのスキルがアップすれば、どんどん複雑なゲームに移行する子どもが多いです。クリアが難しいゲームに何度も挑戦するなかで、「どうしたらクリアできるか」を考える力が養われます。
「Minecraft」のようなサンドボックス系のゲームも、長く遊ぶなかで徐々にイメージを正確に形にできるようになります。
脳トレ・学習系のゲームは楽しく学力アップが見込める
脳トレや学習をテーマにしたジャンルをプレイすれば、遊びを通した学力アップも見込めます。同じ漢字や計算の問題でも、大量のプリントを目の前にするよりも、「点数に応じてキャラクターが進化する」「正解するとストーリーが進んで行く」など、ゲーム要素があったほうがやる気が出るという子どもは多いでしょう。
机に向かって勉強するのが得意ではないという子どもは、ゲームと勉強を掛け合わせれば、苦手意識を払拭できるかもしれません。
「好きなこと」をする時間が心の栄養になる
ゲームが好きな子どもにとって、ゲームで遊ぶ時間は特別です。学校の授業や宿題、習い事など、日々頑張っている子どもがリラックスして趣味に没頭できる瞬間は、心の栄養になります。
筆者はSwitchでは遊ばないものの、リラックスタイムにはスマホでゲームをしたり、動画を見たりします。好きなことをする時間は、やるべきことを終えたご褒美としてはもちろん、「また明日から頑張ろう」と意欲につながるので、小学生も適度な時間ゲームで遊ぶことで、精神面のメリットも得られるのではないでしょうか。
ゲームのデメリットには何がある?トラブル事例や注意点を解説(https://qureo.jp/class/blog/blog-42552)
小学生のゲームはルール決めが大切!ポイントは?
小学生がゲーム依存症に陥らず、メリットを生かしたゲームの活用をするには、ルールを決めることが大切です。決め方のポイントやルール例を知ると、子どもも納得しながら約束の範囲内でゲームを楽しめるでしょう。
保護者が「禁止」「制限」の理由を明確に伝える
まずは、保護者が希望するルールを伝えます。しかし、「オンライン通信は禁止」「1日1時間まで」など、ただルールを提示するだけでは子どもは納得しません。
「知らない人とのやり取りは、~といった危険がある」「長くゲームをすると○○といったよくないことが起こる」など、禁止や制限をする理由も子どもにわかりやすく伝えましょう。
親子で話し合って納得できる内容にする
保護者の希望するルールを一方的に押しつけても、子どもが納得できなければ守られない可能性があります。きちんと守れるルールにするためにも、親子で話し合って具体的な内容を決めることが大切です。
意見が大きく食い違う場合は保護者の意見を押し通したくなりますが、たとえば時間については「平日は1時間までだけど、習い事のある日はできないから土日は2時間まで」とするなど、柔軟性を持たせる工夫をしましょう。
ゲームのルールでは「遊ぶ時間」が注目されがちですが、遊ぶ場所や課金、オンライン通信など、トラブルが起こりそうな内容についても事前の話し合いを忘れてはいけません。
守れなかった場合どうするかも決めておく
ルールが守れなくても注意される程度で済むと、徐々にルールを守らなくなることもあります。ルールを決める際には「守れなかった場合どうするか」も決めておくと、「ルールを守って遊ぼう」という意識が高まります。
ただし、たとえば「宿題をやってからゲームをする」というルールを1回守れなかっただけで「1ヵ月ゲーム禁止」「データを消す」とされるのは、子どもも納得できません。課金やオンラインに関しては、守れなかった場合のリスクが高いため、ペナルティは多少厳しくても問題ないかもしれませんが、時間については「宿題をしないでゲームをしていたから、来週は週末しかゲームができない」など、守れなかったルールに見合った内容にするのがよいでしょう。
ゲームに関するルール例
最後に、ゲームのルール例を紹介します。親子でのルール決めに迷った場合には、ぜひ参考にしてください。
・ゲームは1日○時間(○分)まで
・宿題が終わってからゲームをする
・○時~○時のあいだはゲームをしない
・遊ぶときはリビングで。自分の部屋ではゲームをしない
・オンライン機能を使わない(※オンラインを許可する場合は個人情報の取り扱いなどのルールも徹底する)
・課金は基本的にない。したい場合は保護者に相談する
・対象年齢に見合っていないゲームはしない
・ゲーム機やソフトは大切に扱う
・保護者が見守り・制限機能を使って管理する など
ルールは一度決めたら終わりではなく、きちんと守れているか、年齢に合った内容かなどを定期的に見直し、話し合いながら変更することも大切です。
小学生のゲームはやり方次第で効果的!親子が納得できるルールを決めよう(https://www.koov.io/column/870)
小学生のゲームはルールを守って!依存症にならない範囲で楽しもう
いつからゲームをさせるかは、子どもを持つ保護者が一度は直面する悩みでしょうが、最近は未就学児からゲームデビューする子どもも多い傾向にあります。活用すればメリットが期待できるゲームですが、依存するほど長時間遊ぶと小学生の心身に悪影響を及ぼします。
ゲームのルールは、家庭によって大きく異なります。わが家のルールは厳しいほうだと思われることも多いかもしれませんが、Switchを買ったばかりの頃に長男がゲームに深く執着したこともあり、話し合っていまのルールに落ち着きました。
息子たちが100%納得しているかは定かではありませんが、平日は空いた時間にYouTubeを見ていますし、休日もゲーム以外の時間はカードゲームやボードゲームをして楽しんでいます。ルールを守らなくて注意するといったことも、恐らく1年以上していないので、年齢が低いうちからゲームをさせることに不安はありましたが、早い段階でルールが定着したのはよかったと思います。
子どもがゲームで楽しく遊べるようなルールを設定し、見守っていきましょう。