下の子を授かった時、上の子が赤ちゃん返りしてしまわないか不安に思った人は多いのではないでしょうか。かくいう私も、下の子の娘を授かった時には、上の子の息子が妹に意地悪をしないか、怖くて仕方がありませんでした。しかし、息子は赤ちゃん返りどころか、優しいお兄ちゃんとなってくれたのでした。
きょうだい仲の悪さは遺伝する? 不安でいっぱいの私
私には兄がいるのですが、年子のせいもあるのか、物心ついた時からきょうだい仲は壊滅的でした。兄との間には苦い思い出しか残っていないため、大人になってからも一切連絡を取っておらず、結婚したことも子どもが生まれたことも伝えていません。
そんな私たちのように、きょうだい同士が憎しみ合うことを恐れて、年子を避けて息子が2歳になる頃に第2子の娘をもうけました。しかし、それでも「息子が妹をいじめてしまうのではないか」と不安な思いを抱えていました。私と兄の仲の悪さが、息子と娘に遺伝してしまうのではないかと思っていたからです。
加えて息子は、ママ友たちから
「下の子が生まれたら赤ちゃん返りしてしまうのでは?」と言われるくらい甘えん坊でした。ママ同士が話している間も、息子は私にべったりとくっついて、なかなか友達と遊ぼうとしませんでした。私自身も「この子はお兄ちゃんになれるのかな?」と不安に思ったものです。
赤ちゃん返りどころか、早くに兄の自覚が芽生えて…
しかし、私が下の子を妊娠してからの息子は、おなかの中に赤ちゃんがいることをしっかり理解して抱っこを我慢。まだおなかの中にいる下の子に会えるのを心底楽しみにしている様子でした。
さらに早々に兄としての自覚を持ち、
「僕、お兄ちゃんだから」と言いながら、片付けなどもよく頑張るようになりました。私たち夫婦は「プレッシャーになるから、お兄ちゃんと呼ぶのはやめよう」と話し合っていたので、息子が自ら「お兄ちゃん」と言い出した時には、大変驚きました。
それでも私は「いざ妹が生まれてたら赤ちゃん返りしてしまうのだろう」と思っていたのですが、予想に反して、妹が生まれると積極的に世話の手伝いをしてくれました。
妹が1歳になってわがままに振る舞うようになっても、息子は優しいお兄ちゃんのままでした。妹が息子の物で勝手に遊んでも、決して怒らずに快く貸し、妹にたたかれても、たたき返すようなことは一切しません。妹が同じ保育園に妹が入ると、息子は様子を見に行き、時々妹と一緒に遊んであげているようです。
親としては、妊娠が分かった頃から
「自分より小さな子は大切にしなきゃならないんだよ」と言い聞かせていたことが功を奏したと思いたいのですが、この優しさはおそらく息子の生来の性質なのでしょう。4歳になった息子が娘の頭を優しくなでて、
「かわいいね」と声をかける姿を見る度に「私もこんなお兄ちゃんが欲しかった」と思ってしまう今日この頃です。
(ファンファン福岡公式ライター/ぼたん)