新型コロナウイルスの影響で、家ごもりを強いられる日々が続きました。普段働いているママの中には、仕事を休んで、子どもとずっと一緒に家で過ごした人もいたと思います。これは、子どもと2人っきりの生活が続いたことで、気持ちがふさいでしまった友人の話です。
転職先でバリバリ働くはずが一転、子どもと家ごもり
新型コロナウイルスが日本で広がり始めた、2020年3月中旬の話です。友人は新しい職場(飲食店)に転職が決まっていたのですが、その店の自主休業に伴い、内定はいったん保留になってしまいました。 友人の娘が1歳から通っている保育園からは「求職中なら家で保育をしてください」と言われ、やる気に満ちあふれていた友人は一転、2歳の娘と家ごもりすることになったのです。 最初は一緒に遊んだり、パンを焼いたりと楽しく過ごしていたそうですが、それまでずっと働いていた彼女は、すぐに精神的に参ってしまったようです。電話で話を聞いた私は「わが家に招いて気分転換でも」と考えましたが、間もなく緊急事態宣言が出されて、気軽に誘えるような状況ではなくなりました。友人はみるみるふさぎ込んでしまったようです。 1カ月近く娘と家に閉じこもっていた友人は、「1人の時間が持てないと、どんどん気がめいってしまう」と思い切って保育園に電話して「1日でいいから預かってほしい」と訴えました。しかし、園長先生に「こんな時だからこそ、子どもと一緒に過ごすことが大切なのでは?」と諭され、それ以上何も言えなくなり、保育をお願いすることはできませんでした。 保育園は少しでも感染リスクを減らそうと、保育士の半数を在宅勤務にしていたようです。保育が行き届かない可能性があるため、仕方なかったのかもしれませんが、友人は落胆したのでした。
八方ふさがりの中、もう一度保育園に助けを求めて
その後も、友人は頼れるところを探しました。けれど彼女の夫の会社はリモートワークを認めておらず、通常通りの出勤。彼女の実家は新幹線で2時間の所にあって帰れず、八方ふさがりです。 前回の電話から1週間たった頃、友人は「これで断られたら諦めよう」と勇気を出して、もう一度保育園に電話しました。応対したのは、常駐の看護師さん。前回園長先生に断られたことも話し、ダメ元で保育をお願いしました。 すると返ってきたのは「コロナの前に、お母さんが参っちゃうよ! 普段はちゃんと家にいて、手洗いもしてるよね? 明日の朝、検温してOKだったら登園して! 園長先生には私が話しておくから」という力強い言葉。友人は電話を切った後、ようやく安心できて涙が止まらなくなったそうです。 翌日、久しぶりに娘を保育園に預けられた友人は、家で1人コーヒーを飲み、DVDを見て、少し昼寝をして、ゆっくり過ごしました。それだけで随分気分転換ができ、夕方には笑顔で娘を迎えに行くことができたといいます。そして看護師さんから「一気に白髪が増えたり、突然泣きだしたりしたお母さんもいたのよ。コロナはもちろん怖いけど、まずはお母さんの心と体が健康でないとね!」と笑って励まされたそうです。 なんとかリフレッシュして、その後はまた娘と家ごもりを続けた友人。緊急事態宣言明けには、転職先から「営業再開の見通しが立ったので、よければ来てください」と連絡があり、今は元気に働いているそうです。 (ファンファン福岡公式ライター/フルサワ)
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