私は去年、元気な男の子を出産しました。初産のため、妊娠中は赤ちゃんのささいな変化が気になり、ついつい検索魔に。そんなある日、妊婦検診で赤ちゃんの頭が少し大きめと言われて…。
赤ちゃんの頭が平均より大きい?
妊娠6カ月の妊婦健診。いつも通りエコーで診察をしていると、先生が
「赤ちゃんは少し頭が大きいかもしれないね」と言いました。これまで変わった様子もなく、順調な経過だっただけに、私はその一言で急に不安に。
「頭が大きいと問題あるんでしょうか?」そう聞くと、先生は慌てて
「ううん、平均的な週数より若干大きいくらいだから問題ないよ」と話してくれて、一安心。それでも心配性な私は「頭が大きい」という先生の言葉が脳裏から離れませんでした。
そんな私の不安は的中し、妊娠後期に入る頃には、全体は平均なのに、頭だけが平均より3週分も大きくなっていました。心配でネット検索すると「頭が大きいと出産に時間がかかる」、「帝王切開になる可能性がある」恐怖心をあおるような記事ばかりが目につきます。
難産になるかもしれない… そんな不安を抱えたまま、臨月を迎えました。
いざ出産! なかなか出てこない赤ちゃん
いよいよ出産。本陣痛の開始から9時間経過した頃に、ようやく子宮口が10cm開きました。「やっと産めるんだ!」ありったけの力を振り絞っていきむも、赤ちゃんはなかなか出てきません。後で知ったのですが、どうやらへその緒が赤ちゃんの体に巻きついてしまっていたようでした。
そんな状態とは知らない私は、意識が朦朧とする中「頭が大きいからなんじゃ…?」と不安にかられていたのです。もちろん、頭の大きさは関係ありません。へその緒が原因だとは少しも思ってもいない私は「頭の形を少しでいいから細くして産まれてきて~!」そう、必死に赤ちゃんにお願いしていました。
何度いきんでも赤ちゃんは降りてこず、私の体力も限界に…。母子ともに危険な状態だと判断され、急遽吸引分娩を行うことになったのです。
お股が痛すぎる! 全身ボロボロ
そしてようやく、元気な産声をあげて赤ちゃんが産まれました。
「やっと終わった…」
わが子との対面に感動に浸る… 間もなく会陰の縫合が始まりました。私は吸引分娩も行ったことから、縫合範囲が広かったようです。痛みは少ないものの縫っている時間がとても長く感じました。
縫合が終わり、分娩台から降りようとすると…
「!?」身体のいたるところに痛みを感じ、力が全く入りません。
出産は交通事故に遭うのと同じくらいのダメージだといいますが、10時間を超える分娩で思っていた以上に体力を消耗していたよう。私は生まれたての小鹿のようにプルプル震えながら、なんとか分娩室を後にしたのでした。
入院中、一番辛かったのは?
入院中、最も辛いのがトイレでした。ズキズキ痛むお股と悪露で歩くことさえ辛いのに、とても用を足せる状態ではなく…。縫合した糸がつっている感覚もあり、下半身に力を入れることが怖くてたまりませんでした。
また、毎食後の健康確認で
「お通じはどう?」と聞かれることもプレッシャーでした。便意はあるものの恐怖心からなかなか出ず、毎回
「まだです」と答えることがストレス…。下剤をもらいましたが効果は出ず、結局入院中に便が出ることはありませんでした。
出産したら身体の全ての不調や痛みから解放される、そう思っている妊婦さんは少なくないと思います。しかし、産んでからもさまざまなトラブルに悩まされる可能性があることを知ってほしいと思った体験です。
(ファンファン福岡公式ライター / kinkuma@)