わが家はごく普通の共働き家庭です。娘が幼稚園に通っている時、初めてお友達の誕生日会に呼ばれました。親子で楽しみに行ってみると… まさかのセレブが大集合! 本当にあったセレブな世界とは?! 子どもの交友関係でこんなに苦労する日が来るとは夢にも思いませんでした。
誕生日会のお誘い
娘が5歳の頃、1つ下の学年にRちゃんが入園してきました。明るく元気な女の子で、幼稚園のバス乗り場が同じだったため、すぐに公園で仲良く遊ぶようになりました。Rちゃんママもとても気さくな人で、私も仲良くなりました。
ある日
「今度Rの誕生日会するから、よかったら来てくれない? Rも楽しみにしているの」と誕生日会のお誘いを受けました。
私たち親子にとって初めてお呼ばれした誕生日会。娘と誕生日プレゼントを選びます。子どもの誕生日会なのでキャラクターのリップ、シール、ハンカチと、Rちゃんが以前欲しがっていた私の手作りのヘアゴムをプレゼントすることにしました。
右も左もセレブ!
誕生日会当日、私と娘でRちゃんの家へ向かいます。家の前にはちょうど高級車でパパに送迎されている見知らぬ親子が…。「お金持ちなのね~」と思いながらチャイムを鳴らします。
「いらっしゃーい!」いつものRちゃんママが出迎えてくれ、娘とウキウキお邪魔します。
扉を開け、一歩踏み込んだ家の中には、5人のきらびやかなお母様方と、高そうな服を着ている子ども達が! 某大型量販店の服を着ている私と娘…。引け目を感じつつも、気にしない精神で挑みます。
また1人、今度は大きなオードブルを持ったセレブが登場しました。
「これ、みんなから」とRちゃんママに渡しています。もちろん私は「みんな」ではありません。
「おいしそうなオードブルですね」と口だけ私も参戦。セレブが私に話しかけます。
「ここのオードブルおいしいのよ。ほら、キャビアとかものっているのにお値段もお手頃で4,000円からなのよ」と、お値段のところは小声で教えてくれました。セレブは色々知っているのね。と思いながら、私は頑張ってセレブ達とコミュニケーションをとっていきます。
いよいよ楽しみにしていたプレゼント渡しの時間です! 出てくる出てくる、高級子ども服の紙袋にお人形セット! 大きな袋もたくさんです。そんな中、娘も嬉しそうにプレゼントを渡します。Rちゃんは喜んでくれていたのでよかったのですが、私は「穴があったら入りたい…」まさにそんな気持ちでした。
早く帰りたい私のついた嘘
開始5時間、終わりの見えない誕生日会に、すでにエネルギー0の私。とっさに
「ごめんなさい、夜は友達の結婚式の2次会に行く予定なの。そろそろお暇するね。今日はありがとう!」と言い、帰路につきました。もちろん2次会なんてありません。帰宅後は玄関に倒れこみ、夫にソファまで引きずられました。遠のく意識の中
「ママどうしたの?」と私を覗き込む娘に
「そっとしておいてあげて」という夫の声が聞こえてきました。
私が知らなかっただけで、実はRちゃんのお家はお金持ち。将来私立小学校に通学しやすいように、もう一軒新しく家を建てて引っ越してきていたそうです。
後日、私はセレブから教えてもらったオードブルを注文しようと、お店に電話しました。すると
「1人前4,000円からになります」と。つまり、あのオードブルは総額数万円! やはり私の踏み込んではいけない世界だったようです。その後、セレブとは会ったら会釈する程度の仲になり、幼稚園を卒園したのでした。
(ファンファン福岡公式ライター / yuzuki)