「双子って苦労も2倍だけど幸せも2倍だよね」この台詞、何度聞いたか分からないくらい聞いてきました。でも実際はそんなに単純じゃないんです。時に赤子とともに泣き修羅場と化す、双子ワンオペ育児のリアルをお伝えします。
とにかく手が足りない! 恐怖の同時泣き
子どもが産まれて間もない頃は両親や義父母が手伝いに来てくれていたのですが、その助けが来るまでの、ほんの1時間程度でさえも双子のワンオペはキツかったです。乳児は、ひたすら「授乳→オムツ替え→寝る→泣いて起きる→授乳…」を繰り返すのですが、双子だからといって交互にそのタイミングはやってきません。
双子が同時に泣いても、まだ首が据わってないうちは同時に抱っこしてあげることができないことが一番大変でした。抱っこされた方は泣き止みますが、もう片方は泣き続けます。交代するため抱いている子を下ろすと今度はそちらが再び泣き出します。つまり、常にどちらか一人は泣いている状態なのです。
ひとたび同時泣きのスパイラルにはまると、誰か助っ人が来て両方が抱っこされるまで抜け出せません。わが子が泣き続ける声を聞くのは親として本当に心が痛く、「二人とも抱っこしてあげたのにごめんね…」と、いつも申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そして私もよく一緒に泣いていました(笑)
寝かしつけは前と後ろに抱っこ紐! 重すぎて足の親指の感覚がなくなる
子どもの首が据わるようになると、抱っこ紐を前と後ろに付けてふたり同時に抱っこすることが可能になりました。当時の体重はひとりあたり8kgでしたので、計16kgの重りを体に付けていたことになります。お昼の寝かしつけのため、ふたり同時に抱っこしたまま毎日1時間ほど近所や家の中を行ったり来たり歩いていたので、いくら太くて頑丈な私の足でも相当な負担だったはず。
あるとき、たまにはマッサージでもしようかと自分の足の親指に触れた途端、何も感覚がないことに気がつきました。地面を踏みしめるたびに足の両親指で体重の殆どを支えていたのでしょう。一時期は針で刺されても痛みを感じないほど感覚を失っていました。
特に日常生活で困ることもなく痛みもないので病院には行きませんでした。正確に言うと、忙しすぎて「病院どころではありませんでした」かもしれません。夫にも伝えたのですが、夫は夫で仕事から帰ると子どものお風呂やら夜の寝かしつけをしていたので腰を痛めたらしく、ねぎらいの言葉をもらうというよりは「お互いの体の痛いところを報告し合う」だけになりました。体の負担はお互い様ですからね。
とはいえ、夫は仕事の合間をみて整体に通い、きっちり治療していたみたいです。スーツの上着のポケットに整体の領収書が何枚か入っていましたが私には何も言ってこないので、「きっと自分だけ治療を受けていることを心苦しく感じているんだろうな」と思いました。その後私の足の指は、いつの間にか自然に感覚が戻っていました。
「双子の会」で出会った女の子の双子を持つお母さんにその話をすると、
「うちの子達はベッドに寝かせるとすぐに寝てくれたよ~」という羨ましすぎる返答が。双子とはいえ、みな同じではないですもんね。うちは何かと手がかかるタイプの双子のようですが、幸せは2倍以上な気がします。
(ファンファン福岡公式ライター/あそうママ)