ちょっとぼんやりしている小学3年生の息子は、よく忘れ物をします。そのため学校の準備は、いけないとは思いつつ私が主体となってしていました。新学期、私が立てた完璧なスケジュールのもと宿題や道具を全て持っていった息子。そんなある日、和室を見た私に衝撃が走ったのです!
完璧な作戦
息子は、学校の準備は私に任せ気味です。前日に自分でも確認するのですが、かなりの確率で抜けがあります。
小学1年生になったばかりの娘もいるため、学校に送り出すまでは毎朝バタバタ。本当は、息子のためにも自分で準備をさせたいんです。だけど、私がやってしまったほうが早いという気持ちが拭えず日々モヤモヤしていました。
明日から新学期が始まるという夏休み最終日。息子と持ち物のチェックをします。
「初日は夏休みの宿題があるから、次の日から道具を持っていこうか」私が言うと、塩対応の息子は
「うん」とあまり何も考えていない様子。
始業式からの数日間に持っていくべき道具はかなりあります。絵の具セット、習字道具、鍵盤ハーモニカ、リコーダー… 「よし、このスケジュールでいこう!」時間割と天気予報を見ながら、私が考えたスケジュールは完璧でした。
まさか! 和室で見つけたのは?
作戦通り、息子も娘も順調に全ての道具を持っていきました。
新学期から数日経ったある日。私はいつものように子どもを送り出し、昼過ぎにパートを終えて帰宅しました。衣替えの準備をそろそろと思い、家の奥の和室に向かいます。
「嘘でしょ!」和室に入った瞬間、私は思わず叫んでしまいました。そこには息子の絵の具セットがきれいに並べられていたからです。筆洗い用のバケツ、絵の具、筆…。それを見て、瞬時に記憶が蘇ります。
夏休みの宿題で絵の具セットを使った日。バケツなどが汚れていたため、きれいに洗ってしばらく乾かそうと和室に広げたままにしていたのです。じゃあ、息子が持っていった絵の具セットって? そう、中身は空っぽ。私はさっと青くなりました。
すぐ息子の時間割を確認しました。今日の3、4時間目に「図工」の時間があり、持ち物に「絵の具セット」と書かれています。
「終わった…」と小さくつぶやくと、私はソワソワしながら、帰ってくる息子を待つことに。
息子の成長
「ただいま〜」いつものように帰宅した息子に恐る恐る聞いてみます。
「今日、絵の具セットどうした?」息子は一瞬、キョトンとした顔をして
「なかった」と言いました。
「今日は図工が別の授業に変わってなかったよ」と続けます。
「え、じゃあ絵の具セット使わなかったの?」と拍子抜け。
「うん」息子の返事に、私はほっとしました。
不思議そうな息子を和室に連れていきました。広げられた絵の具セットを見て息子もびっくり!
「確かに絵の具セット、軽いと思ったんだよね」と一言。そこで中身を開けて確認しなかったのが、息子らしくて笑えてきました。
「お母さんに任せとけば安心って思ってたけど、お母さんもドジだったね!」ニヤリと笑う息子に返す言葉がありません。
「ま、今度から自分でチェックするよ。お母さんがドジだって分かったからさ」まさか自分からやると言い出すなんてびっくり。いつまでも手伝うのはいけないと悩んでいたのもこれで解決?!
「でもさ、たまには手伝ってよね」小さな声で付け加えられた言葉に、思わず吹き出してしまいました。
新学期が始まって早々、私のドジにより息子が成長できた一件となりました。それにしても、中身を確認もせずに持っていった息子。ドジは私譲りかもしれません。
(ファンファン福岡公式ライター / Sao)