娘の七五三の撮影で、わが家は神社でのロケーション撮影をお願いしました。というのも、私自身が子どもの頃、写真館での撮影にとても緊張したからです。スタジオの外で行うロケーション撮影なら、もっとリラックスした姿が撮れるはず。ところがこの撮影で、予想を大きく上回る「迷ショット」が撮れたのです。
七五三でロケーション撮影を依頼することに
自分の子どもの頃の記憶で写真館にいいイメージがなかった私は、娘が3歳のときの七五三写真も撮りそびれていました。神社にお参りし、ご祈祷(きとう)もしてもらいましたが、ちゃんとした撮影ができていないのがずっと気になっていました。そんなとき、ママ友にすてきな女性カメラマン、Hさんを紹介してもらったのです。
スタジオの中ではなく、ロケーション撮影をしてくれるHさんは、自宅でも公園でも、どこでも好きな場所で子どもたちの普段通りの生き生きとした姿を撮ってくれるというのです。見せてもらった写真はどれもイキイキとしていて、こんな写真をぜひ撮ってもらいたい! そう思った私は、すでに4歳になっていた娘の、七五三の撮影をお願いしました。
楽しみにしていた撮影当日
撮影当日はとてもいいお天気。青空の下、緑いっぱいの神社での撮影は雰囲気も最高でした。灯篭(とうろう)の穴をのぞきこんだり、落ち葉を踏みしめながら参道を歩いたりする、娘の無邪気で子どもらしい自然な姿をHさんは次々と撮ってくれました。
Hさんの写真は、普段私がスマホで撮る「自然な姿」とは全然違います。楽しく声をかけながら写真を撮ると、うちの娘ってこんなにいい顔で笑うのかと、ちょっとショックなほどでした。
さて楽しい撮影も最終段階。娘の参拝ショットを撮ることに。
「パンパンして神様にお願いするんだよ」といった私の言葉に、娘はうんうんとうなずきました。そして、おさい銭箱の前で突然草履(ぞうり)を脱ぎ捨てたかと思うと、止める間もなく、ガバッと土下座をしたのです。
なぜそのポーズ!?
あまりの驚きに動けなかった私と夫。でもHさんはさすがプロ。大笑いしながらもパシャパシャとシャッターを切り続けています。しばらくして、ようやく立ち上がった娘は言いました。
「神様にお願いってこうするでしょう? この前カッパがやってたでしょう?」
確かに「日本昔ばなし」では、カッパが土下座をして雨乞いをしていました。だからと言って、まさか神社で土下座をしてしまうとは…。他に参拝のお客さんがいなくて本当によかったと、汗をぬぐった私でした。
後日、わが家に届いたアルバムには、きっちり土下座をした娘の写真がありました。あのときは慌ててよく見てなかったけど、きちんとそろえた小さな手に、地面にぺったり付けたオデコ、なかなかきれいな土下座です。何より晴れ着を着た小さな娘がおさい銭箱の前で土下座をしている姿は、めちゃめちゃかわいくて面白くて。
Hさんに撮影を頼んでなかったら、きっと残せてなかった迷ショット。もちろんこの写真は、わが家の宝物になっています。
(ファンファンファン福岡一般ライター)
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