足ツボ店の80歳のおばあさん 彼女の生き方にジーンと感動!

 私が通う足ツボ店のおばあさん。彼女から聞いた足ツボ店を開くまでの話が、同じ女性として、自分のこれからの人生を考えるうえで刺激になりました。

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見つけた! お気に入りのお店

写真AC

 近所の足ツボ店に通って6年。住宅街の一角、80歳のおばあさんが約20年前から自宅の一室で営業しています。ひどいしもやけで仕事の靴が履けず、すがる思いで訪れたのが始まり。彼女は
 「明日には落ち着く」と断言。そして本当に翌朝、靴がすっぽり。まるで魔法! 以来、1カ月に1度、心身のメンテナンスに通っています。

 施術は毎回約40分。その間ずっと無言で目を閉じ、イタ気持ちよさにどっぷり浸る私。ところがある夜の施術は、いつもより指圧力が弱い…。思わず目を開けると、彼女はすまなそうに
 「ごめんね。少し握力が弱ってしまって。常連さんはわかるよね」

なぜ足ツボ押しの世界に? 

 「弱めでも私にはちょうどいいです。足裏のツボの知識は健康維持に役立つから羨ましい」珍しく言葉を発した私を見て彼女は、私の足裏をていねいに押しながら、ぽつりぽつり語り始めました。

 彼女の夫は転勤族。そのため、友人ができても数年で遠く離れることの繰り返し。また、ひとりっ子の彼女には子がおらず、両親も既になく数少ない親戚との関わりも皆無だったそう。

 おばあさんが50歳を過ぎた頃、夫が病気で入院。彼女は今後の人生を初めて具体的に想像しました。いつか夫が先に旅立ったら、本当に自分はひとり。このままではいけない。頼れる人がいなくても、自分の足でしっかり立ち続けられる自信を手に入れなくては。

 そこで思い立ったのが、手に職をつけること。まず頭に浮かんだのは着付けや習字。しかし調べていくと、自分にはハードルが高い…。そんな時、新聞隅の小さな広告を見つけました。それが「足裏の反射区を学び足ツボ施術を習得」というものだったのです。

人生折り返しで見つけることができた大切なもの

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 受講教室が家から近いという偶然も重なり、おばあさんは早速通い始めました。多くの受講者が趣味程度に通う中、自分だけは熱意満々。けれど、そのうち職業云々の前に、足ツボ押しの世界に不思議なほどのめりこんでいったそうです。
 「理由はわからない。ただただ私に合っていたみたいね。人様の足の裏とつながって、その人が元気になると、私も元気になれた」

 次第に講師からの評価も高まりました。受講終了後は、知人友人の足裏を押してあげると、評判が評判を呼び、引っ越し先でも足ツボつながりで友人が増え、タダでは悪いからと野菜や果物をもらい、気が付けば現在の地で商売になっていたそうです。

 「50歳を過ぎてこれほどのめり込めるものを見つけた私は、今、幸せ」満足そうに、そう呟いた彼女の目はうるんでいました。
 夫はこの地に越してすぐ亡くなったそう。以来、彼女はずっとこの住宅街でひとり暮らし。ツボ押しの技術で自信を得、人とのつながりを得、疲れた誰かを元気にして自身も元気を得、自分の足でしっかりと立ち続けています。
 
 私には家族がいるけれど、最期まで誰かに守られるとは限らない。ひとりで生きる自信、今の私にはない…。おばあさんの話は、のほほんと過ごしてきた私に刺激を与えてくれました。
 彼女の行動力、「今を幸せ」と言い切る自信。私も今後の人生をしっかり想像して努力して、何より元気に生きていかねば! そのためには彼女の足ツボ施術の力が不可欠。おばあさん、これからも末永くよろしくお願いします。 

(ファンファン福岡公式ライター/りらっくす)

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