わが家には、3歳になったばかりの息子がいます。性格は陽気で何事にも興味があり、人見知りもないのですが、すぐ1人でどこかへ行ってしまうので目が離せません。私はいつもワンオペ育児なので、休日に夫が息子を連れてお出かけしてくれると、大変助かっていました。しかし、夫と息子が2人で近所の本屋へ行った時にハプニングが起こったのです。
夫と息子は近所の本屋さんへ
とある休日、夫と息子は近所の本屋さんへ行きました。その本屋さんは、自宅から徒歩5分ほどのところにあり、多くの家族連れのお客さんで賑わう大型店でした。
本だけでなく、子どもがゆっくり座れるスペースや、ちょっとしたおもちゃも売っているので息子は気に入っていて、よく利用していました。
夫は
「自分の本も買いたいし、ちょっと息子と出かけてくる」と私に告げ、いつものように出かけました。
本屋さんでは最初、息子の好きな絵本コーナーを見たりおもちゃを見たり楽しんだそうです。今度は夫の本を見るために、息子と一緒に手をつないで移動したそうですが…。
突然、息子がいなくなってしまう!
夫はちょうど買いたかった本があり、夢中になってしまったそう。ふと気が付くと、隣にいた息子がいなくなってしまいました。
慌てて夫は店内を探します。でもいくら探しても姿は見当たらず、カウンターに行き店員さんに声をかけました。
「すみません、3歳ぐらいの男の子を見ませんでしたか?」と声を絞るように言うと、店員さんもカウンターから飛び出し一緒に探し始めてくれたそうです。
しかし、しばらく探しても息子は見当たりませんでした。呆然と立ち尽くす夫。店員さんも困った様子で
「店の外に行ってしまうってことはないですよね?」と聞きます。
「それはないと思います…」と夫は答えて、店の外も探したそうですが、やはりいません。
泣き声が聞こえる
そんなことを何も知らない私。家事を終わらせ、家でのんびりテレビを見ていました。そこへ夫から電話が入りました。
電話を取ると
「○○(息子)がいなくなった。どうしよう…」 と今にも泣きそうな夫の声。なぜか冷静だった私は
「どこでいなくなったの?」 と聞くと
「店の中。さっきまで一緒にいたんだけど急にいなくなったんだ…」 と声を震わせています。
その時、家の外から泣き声が聞こえました、間違いなく息子の声です! まだ電話中だった私は
「 ちょっと! 息子が帰ってきたよ!」と夫に伝えました。
帰ってきた息子
慌てて家の扉を開けると、そこには泣きながら1人で帰ってきた息子の姿がありました。私が
「どうしたの? パパは? 1人で帰ってきたの?」 と言うと息子は
「パパがいなくなったの~」と悲しそうに答えました。1人でどうやって帰ってきたんだろう、道はわかっていたのかな、横断歩道はきちんと渡れたのかな… などいろんなことが頭をよぎりました。
泣いている息子の背中をさすって慰めていたところ、夫が焦った様子で帰ってきました。はあ、はあ、言いながら
「どうして1人で帰っちゃったの?」 と息子に聞くと
「だってパパがいなくなったんだもん!」 と少し怒った様子で答える息子。
夫は
「 ごめん、ごめん、パパ、○○(息子)のことちゃんと見てなかったね…」と抱きしめていました。やれやれという感じで私たちは家の中に入り、やっと落ち着きました。
外出先では、ほんの少しでも目を離してはいけない
その後、夫は安堵した様子で
「いやあ、1人で帰るなんて想像しなかった… 」と独り言のように喋っていましたが、私は内心腹立たしさもありました。
とにかく無事に帰ってきてくれて本当に良かった、それだけです。帰り道に知らない人に声をかけられ、ついて行ってしまったらと思うとゾッとします。
それからは、「外出先では絶対に目を離してはいけない」が、わが家の家訓となっています。
(ファンファン福岡公式ライター / まむ★やちみ)