小学校に入学した息子は、同時に学童での生活が始まりました。学童は、1~6年生まで多くの児童が過ごす場所。スケジュールや役割も決まっています。上下関係やルールを初めて学ぶので、多くのトラブルが発生するようです。「上級生は怖い」と言いながらも、新しい関係を学んでいった息子の体験談です。
期待を胸に始まった学童生活
新1年生になった息子。同時に学童での生活がはじまりました。保育園では上のクラスのお兄さんお姉さんに遊んでもらった記憶があり、「上級生に遊んでもらえる!」と心待ちにしていた様子の息子。
事前に親子で、子どもたちが過ごす場所を見学に行く機会がありました。おもちゃで遊んだり、楽しそうにおしゃべりしたり、おだやかな様子に一安心。
「分からないことがあったら聞いてね!」と声をかけてくれる子もいて、良いスタートを切れそうだと私は安心していました。
上級生からの洗礼! 早々に事件発生
学童に通い始めて数日後。帰り道に、息子が少し焦った様子である出来事を話してくれました。
学童では1日のスケジュールが決まっており、その中に「学習の時間」があります。息子を含む1年生は、まだ授業もまともに受けたことのない状態だったので飽きてしまい、小さな声でおしゃべりしてしまったそうです。
そこに上級生数名が登場!
「今しゃべってたよね?」
「何の時間か知ってる? 邪魔なんだけど!」とにらまれます。1年生は固まってしまい、下を向き黙って過ごしたとのことでした。突然のことにとても驚いたようで、息子は話し終わってもうつむいて呆然とした様子でした。
学童で過ごす子どもは、全学年で100人程度いて、指導員の目が届かない時間があることも事実。もちろん学習の邪魔になるおしゃべりはよくないのですが、誰にもフォローしてもらえず1年生は「上級生は怖い」と思い始めます。
やんちゃな上級生たちに驚愕
事件以降、上級生にはびくびくしながら過ごしていた息子。同学年の友達と戦いごっこをしているところを見られると
「生意気だ!」と言われる、すれ違いざまに手を出される、ということもあったようです。
ひどい場合には指導員から注意もありますが、それに対して悪態をつく上級生も。その様子を見て、さらに萎縮するという負のループが続きます。
「学童いきたくないな… 怖いもん」と口にすることも出てきました。
上級生・下級生の付き合い方を知る
怒られながらも下級生にちょっかいを出したり、指導員に隠れて禁止されている遊びをしたりしている上級生たち。最初は距離を置いて過ごしていた息子でしたが、同じ場所で時間を過ごし、徐々に関係性ができていったようです。
次第に理不尽に悪口を言われたり、手を出されたりすることはなくなります。おそらく上級生もコミュニケーションのつもりでしていた行動だったのかもしれません。
息子は
「上級生はこわいけど、優しいときもある」
「Aくんのお兄ちゃんは一緒に遊んでくれる」と自分なりに、上級生と下級生という関係を理解しながら人間関係を広げていきました。
2カ月ほど経つと、学童の生活にも慣れてきたようです。次第にルールを破って注意されることもなくなり、おだやかに過ごせるようになっていました。
学童は大人の世界への第一歩
想像とはちがう学童デビューになりましたが、はじめて上下関係というものを体感した息子。子どもたちの生きる世界が、大人の世界に近づいたという印象を受けました。
ルールを守る大切さや、年齢によって振る舞いが変わることなど、教わらずとも感じて身につつけていく事が多いのだと思います。これからも少しずつ経験を積んで、たくましくなってほしいです。
一方で、「怖いことをされたら大人に言うよう教える」、「難しければ親が代弁して伝える」など、関係がこじれないように親がフォローする必要もあると感じました。
息子にとってはほろ苦い経験だったかもしれませんが、小さい間は親が力を添えながら、大人の仲間入りの準備ができればいいなと思った体験です。
(ファンファン福岡公式ライター / Shiho)