ある日、息子の授乳のため、出先の授乳室へ入ると、どう見ても授乳期とは思えない母子がゲーム&スマホいじりの真っ最中。 私が授乳をしたい旨を伝えると、なんと「あっちでもできるじゃん」と、授乳室を追い出されてしまったのです。
授乳室を占領する親子?!
息子がまだ生後6~7カ月ごろのことです。家族でとある商業施設に買い物に出かけていたのですが、授乳時間になったので授乳室で授乳をすることにしました。
授乳室といっても個室のようなプライベートなスペースがあるわけではなく、共用の授乳スペースで授乳ができるという場所でした。
私は息子を抱いて授乳室に入り、奥にある授乳スペースのカーテンを開けました。すると、小学生くらいの男の子とその母親が授乳スペースのソファーを占拠してくつろいでいました。 男の子はソファーに寝そべってゲーム。母親はスマホいじり。
私がカーテンを開けた際、一瞬母親は顔を上げましたが、赤ちゃん連れの私を見てもスペースを空けてくれる気配は全くありません。
「授乳と搾乳をしたいんですけど…」私がおそるおそる声をかけると、その母親は顔も上げずに一言。
「あっちでもできるじゃん」そう言って、授乳スペースの外のオムツ替えスペースを指さしました。
「あ、ああ…」思わず気おされて、外に出てしまいましたが、そこはあくまでも授乳室の「前室」。
確かにオムツ替えスペースの横にも椅子はあるのですが、搾乳用の荷物を一時置きするほどの場所すらありません。そして何より、その部屋の入口のカーテンは人が通るたびにめくれ、外からも授乳の様子が見えそうな状況です。
でも、お腹をすかせた息子は、待ちきれないようにグズグズしています。
「お腹すいたよね、ごめんね」一瞬、そこで授乳をはじめかけましたが、たまたま入口のカーテンがめくれ、部屋の外を歩く通行人と目が合ってしまいました。そこで、我に返った私。「イヤ、おかしいでしょ。なんで授乳しない人が意味もなくくつろいで、こっちが追い出されるわけ!?」あまりの理不尽さにふつふつと怒りが湧いてきました。子どもと荷物を抱えて引き返し、カーテンを開けて授乳スペースに乗り込みました。
非常識親子へ反撃開始!
「こっちの授乳スペースで授乳したいんですけど」
「…」息子とお菓子を食べていた母親は、じろりとこっちを見ましたが、無言。
「向こうだと、おっぱいやってるのが外からも見えるんですよね! そもそも、ここは授乳するところなので、しないなら少し空けてもらえますか」
私がそう言うと、母親はしぶしぶ、という感じで荷物をまとめ、男の子を促して立ち上がりました。
「わざわざ見る人、おるんやね」最後に母親はそんな風に言うと、授乳室を出ていきました。 私は母子と入れ替わって、授乳スペースで授乳をはじめたのですが、なんだかモヤモヤ。
ここって、授乳室だよね!? 授乳してない人が休むスペースじゃないよね!? 必要な人が使っていいんだよね!? なんだか、自分が無理を言って二人を追い出したような気分になってしまった私。言いたくもないことを言ったせいか、とっても後味が悪かったです。おそらく、その母親だって子育て経験があるのだから、授乳室がどんな場所か分かっていたとは思うのですが…。
授乳期の母親にとって、外出先での授乳室の存在はとても貴重です。だからこそ、必要な人が、必要な時に気持ちよく使えるようになればいいのに… と思った体験でした。
(ファンファン福岡一般ライター)